愛媛県宇和島市 非公務員型の地方独立行政法人化。五年以内をめどに宇和島、吉田、津島の三病院を独法化する。



愛媛県宇和島市 
非公務員型の地方独立行政法人化。五年以内をめどに宇和島、吉田、津島の三病院を独法化する。         

     
 
公立病院改革 県内5病院 直営見直し 独法化など検討  
2009.03.15愛媛新聞   
  

 全国公立病院の約七割が赤字を抱える状況を背景に総務省が進める公立病院改革で、県内の県と八市町が運営する計十六病院のうち、県と宇和島、西条両市の計五病院が、直営方式から地方独立行政法人化などへの経営形態の転換を計画・検討していることが愛媛新聞社の調査で分かった。 

多くの病院が経営難に直面する中、現段階では直営を維持する方針の自治体でも将来的な転換を模索する動きがあり、地域の中核的役割を果たす自治体病院の運営に民間的手法導入の動きが進みそうだ。 

 同省は二〇〇七年十二月、黒字化を促す公立病院改革ガイドラインを示し、病院事業を行う各自治体に改革プランの策定を要請。策定期限が三月末に迫る中、自治体担当者に聞き取り調査した。

 経営形態見直しで、より自律的な運営が可能となる非公務員型の地方独立行政法人化を計画するのは宇和島市。 
五年以内をめどに宇和島、吉田、津島の三病院を独法化する方針で、同市は「経営の自由度が増し、長期的視点で人件費の削減なども可能になる」と説明する。 

 県は独法化について「採算困難な病院にしわ寄せが生じ、地域医療の確保に支障が出る」との慎重姿勢で、新居浜、今治、中央、南宇和の四病院の直営は維持する。 
しかし、経営悪化と医師不足が進む三島病院は民間的手法の導入を含め「あらゆる選択肢を検討する」方針を示す。 

 周桑病院を運営する西条市は独法化、指定管理者、民間譲渡などを幅広く検討中。 
外部有識者らでつくる市医療基本構想策定委員会は、市出資の医療法人を発足させ、指定管理者として経営に当たらせる「公設民営化方式」を市に答申した。 

 宇和、野村両病院を開設する西予市は当面、直営を維持する方針だが、両病院の経営統合や将来的な民間的手法の採用も含め検討する。 
八幡浜市と久万高原町は、現状の地方公営企業法の「一部適用」を見直し、特別職の事業管理者に人事・予算の権限を委ねることができ、直営でも独立性をある程度備えた「全部適用」への移行を検討している。 

 大洲市と愛南町は現状の直営方式を維持する方向。〇六年度に県から北宇和病院を移譲された鬼北町は、管理・運営を社会福祉法人に委ねている指定管理者制度を継続する方針を示している。

 総務省は、再編・ネットワーク化も推奨しているが、県市町振興課によると、県内でこうした動きは出ていないという。 

 独法化など民間的手法を活用した経営効率化には「へき地医療など不採算部門切り捨てにつながる」との懸念もある。 
今回調査でも総務省の公立病院改革に対し「経営面だけ強調され、地域医療をどうするかの観点が抜け落ちている」など不満の声が複数上がった。 

 改革プランはすべての自治体が三月中に策定すると回答した。 

 
【公立病院改革プラン】 総務省が公立病院の黒字化を目指し、病院事業を営む自治体に2008年度中の策定を求めた経営改善計画。(1)職員給与費比率や病床利用率などを病院ごとに数値目標として設定する経営効率化(2)医師確保対策などの点から隣接する公立病院を基幹病院と診療所などに再編し連携する「再編・ネットワーク化」(3)地方独立行政法人や民間譲渡など経営形態見直し―を盛り込むよう規定。病床利用率が3年連続70%未満の病院には、病床削減や診療所化などの抜本見直しを求めている。 


【県内公立病院の経営形態検討状況】 

県     5 三島病院はあらゆる選択肢を検討。4病院は直営維持。 

西条市   1 地方独立行政法人、指定管理者、民間譲渡など幅広く検討。 

久万高原町 1 直営維持。将来は地方公営企業法の全部適用の方針。 

大洲市   1 直営維持。 

八幡浜市  1 直営維持。地方公営企業法の全部適用を検討。 

西予市   2 当面は直営維持。将来的には民間的手法導入も含め検討。 

宇和島市  3 5年以内をめどに3病院の地方独立行政法人化を進める。 

鬼北町   1 指定管理者制度の見直しは考えていない。 

愛南町   1 直営維持。