社会医療法人「国保東栄病院」(僻地条件)の誕生を祝す・・





 
社会医療法人「国保東栄病院」(僻地条件)の誕生を祝す・・ 

東栄町国民健康保険東栄病院 改革委員会は平成18年3月 「管理者には、改正医療法にいう社会医療法人(財団)を指定すること」を提言しました。 

このたび平成21年4月1日から 社会医療法人として認定されました。 

奇しくも3年後ガイアの夜明け(2009年3月10日)で 委員会が期待した以上の再生の経過が報道されました。 

僻地でも病院が立派に存続できる事が証明されました。 



ガイアの夜明けに登場した、 医療法人財団せせらぎ会  東栄町国民健康保険 東栄病院 常務理事兼事務長 原田 典和 氏の講演が2009/04/12(日) 全国町村会館であります。  






3法人「社会医療法人」認定  愛知県内初 救急、災害時などの中核病院(2009年3月11日  読売新聞) 

  

愛知県は10日、県内の三つの医療法人について、緊急医療や災害時医療などの公益性が高い医療を担う「社会医療法人」への認定を了承した、と発表した。県内で、社会医療法人が認められるのは初めて。4月1日付で認定する。 



 認定された医療法人は、東栄町国民健康保険東栄病院を運営する財団せせらぎ会、一宮西病院を運営する杏嶺(きょうりょう)会、八千代病院(安城市)を運営する財団新和会。 



 都道府県の医療計画で中核的な病院となっている病院で、救急、災害時、へき地、周産期、小児救急の各医療分野のいずれかを一定の規模以上で実施していることなどを条件に、都道府県が認定する。改正医療法の施行に伴い、今年度から運用開始した。 



 社会医療法人は、包帯や脱脂綿の販売などの収益事業や起債での資金調達ができるほか、法人税の課税免除も受ける。毎年更新が必要で、条件となっている医療水準を保てない場合は、認定が取り消しとなる。 



 愛知県医務国保課は「地域で必要な医療の充実が図れるとともに、資金を確保しやすくなり、経営の安定化につながる。今後も増やして行きたい」と話している。 








東栄町国民健康保険東栄病院 改革委員会報告書 

              平成18年3月 



<はじめに> 



東栄町国民健康保険東栄病院は、町民の他奥三河の地域住民に対して良質な医療サービスを提供する使命とともに、民間病院が行いにくいへき地医療・特殊医療を提供する義務を負う。 



その一方で緊迫した財政にあって「適正な利益を確保」した病院経営が求められている。 

東栄町国民健康保険東栄病院は、ここ数年、業績が低迷してきた。周辺市町村の合併や医療スタッフの確保の困難により、病院経営が行き詰まってきたのでる。 



そこで、平成17 年度において総務省の地方公営企業経営アドバイザー派遣事業を受け、様々な経営数値を念頭において改革に取組んできた。 



しかしながら、今日の少子高齢化の進行に伴い、地域医療圏の急激な高齢化や疾病構造の変化、医療技術の進歩や医療情報の普及などに伴い、今後の住民の医療ニーズを考慮すると、これまで以上に地域全体の医療を見直していく必要に迫られてきている。 

病院単体でなく、奥三河地域全体の将来の医療計画の見直しを含めて病院改善計画を立てる必要が出てきたのである。 



北設楽郡には、東栄病院の他、周辺町村に公営の診療所(3 箇所)がある。 

同じ公的医療施設として地域医療における役割を果たしているが、どこも医療スタッフが不足し、地域医療の担い手として医療体制が縮小してきている。 



特に近年は病院からも医師を派遣しており、一体経営が望まれている。 



このような背景のもと、東栄町から病院の経営改革についての検討依頼を受けた有識者で構成する東栄病院改革委員会は、平成17年12月からその具体策の検討に入った。 

検討にあたっては、地域における医療機関の機能分担と連携の確保を念頭に病院の再編と経営健全化を進めることを前提とした。 

そして、計3回にわたる会議での議論と、個々での検討を重ね、ここに結論を得たので報告するものである。 

この提言に示された方策を達成するためには改革が必要となる。改革は、病院だけでなく、奥三河地域全ての関係者が「本気」にならなければ達成できないものである。住民の貴重な財産である東栄病院の運営を今後も継続していくためにも関係者の真摯な取り組みを期待する。 

     











東栄町国民健康保険東栄病院改革委員会 

              委員長 長   隆





1.実践的な経営機能を確立するための体制・計画づくり 



(1)指定管理者制度(自主運営方式)の採用 



・東栄町は、病院の経営について時代の要請に即した実践的方法を取り入れることを目的として、平成18 年度中を目途に指定管理者制度を適用し、東栄町国民健康保険東栄病院を「公設民営東栄病院」(以下「新 

病院」という。)とする。 



・新病院への主たる出資は東栄町が引き受ける。また、寄附行為は主たる設立団体である東栄町が議会の承認を経て、かつ、愛知県の認可を受けて設立する。 



・新病院の管理者には、改正医療法にいう社会医療法人(財団)を指定することとする。 



・東栄町は、指定管理者制度に基づいて安定的な経営を継続するため、次の具体策を講じる。 



① 現病院が抱える平成17 年度末累積赤字約5 億9,000 万円(見込)について、町の国民健康保険事業会計及び一般会計からの繰出金等を充当することによって清算解消するように努力する。 



② 東栄町は、現時点における公立病院として不可欠な設備投資につ 

いて、平成18 年度から平成20 年度までの3ヵ年計画に基づいて整備する。 



③ 新設法人は、指定管理者制度に基づいて病院施設を管理運営するために、現病院の全職員を身分切替雇用するものとし、町、職員組合と誠意をもって話しう。 




(2)目標管理及び業績評価体制の構築 



・中期経営計画を策定し中期目標、目標期間、目標事項並びに資金計画を町民に開示する。計画に基づく法人の毎年度の決算報告書を、社会医療法人の評議委員会と設立団体の承認を受けて病院のホームページに開示することを義務付ける。 



・目標管理と業績評価を査定する人事評価システムを策定し、評価結果を給与体系(民間給与レベルの規程の整備と実効ある持続的運用が必要)に反映させる制度を構築する。 




2.病院の経営機能の確立 



・病院長は、理事長としての病院経営に関する全ての権限を有し、責任を負うものである。 



・病院長は職員組合が結成された場合は、組合との交渉権をもつこととし、交渉の議事録は正確に作成し、町民にすべて公開することとする。 



・副院長を医師に限定せず登用する。特に、看護職からの登用を推進する。 




3.病院、地域との連携 



・医師不足解消と医療サービスの向上を目指して、従来通りの県からの医師の派遣に加えて大学病院等との連携を強化し、地域包括医療の研修フィールドとして研修制度の一層の充実を図る。病院毎の機能分化につ 

いて、医療圏に拘らず、又公民を問わず、医師、コメディカル等の相互派遣を行う。 



・地域医療計画の見直しにおいて、県や協力病院との協力によりへき地医療の拠点としてドクター・ヘリ及び防災ヘリ等による患者搬送施設を県の協力を求めて整備に務める。 



・医療圏に限定せず、広く、他の自治体病院及び診療所との一体的経営を目指すこととし、自治体の長は提携に向けて努力するものとする。 




4.経営資源の有効利用 

・人材登用、育成を積極的に行い、職員のレベルアップを図る。特に、看護職については認定看護師、正看護師(准看護師からの)の資格取得を支援するものとし、その他専門職についても十分な研修を実施するこ 

とで養成を推進する。 



・病院の経営健全化の観点から、効率的に人材を配分する。特に事務部門については、専門化、少数化を図る(公務員人事方式の欠点を解消する)。 



・病院施設及び設備については、人心一新の観点から、又開設主体の変更が町民の不安を招かないように、内装工事、外壁塗装、看板新設、医療器械購入等明るいイメージづくりのための投資を直ちに実施する。 



・医師及び看護師の住宅施設を、良好な環境の適切な場所に適切な時期に建設、整備することとする。また、職員招聘のための福利厚生についても検討する。 



・ボランティアを有効に活用するための受入れ準備(ハード、ソフトの整備)を進める。 




5.収支改善のための具体策づくり 

・ 

平成18年度以降、安定的な収支均衡をめざし、補助金に頼らない財務基盤を固め、将来の病院建設に備える。ただし、病院建設はプロポーザル等により民間並みの価格で行うことを絶対条件とする。 



・一般会計からの繰入れがあった場合については、事前公開と事後評価を行う。 



・医業収益に対する人件費比率が50%前後となるよう努める。 



・病床利用率の目標を95%と設定し、その達成と平均在院日数の低下や病床の効率的利用を図る。病床利用率が低下した又は平均単価が減少している病床にあっては、既存病床の内容の変更や介護施設への転換な 

ども視野に入れて検討する。 



・指定管理者は民間であるが、財務内容のホームページへの公開を義務付けるとともに、当然のことながら、監査法人による監査を義務付ける。 




6.新たな経営手法の導入 

公務員から民間法人となって、すべての職員の目的意識を明確にするとともに、経営に関する意識を一致させることで、意思決定が速やかに行えるような新しい組織体制を検討し、職員の日々の努力を成果に繋げる人事制度、「頑張った人、努力した人が報われる人事制度」を構築する。 



<まとめ> 

以上のとおり、本委員会として提言するものであるが、(仮称)社会医療法人「東栄病院」はこれらの改善方策を実行し、業績順調な民間病院として安定した経営基盤を確立することが必要である。 

そして、できるだけ安定的に収支均衡を図るという目標を達成することが、地域医療計画を着実に推進する上での前提となるため、法人の効果的設立が検討されなければならない。 






東栄町国民健康保険東栄病院改革委員会設置要綱 



(設置及び目的) 

第1条町立病院の改革を図るため、経営・組織の課題に対し、提言、指導を行うことを目的として、東栄町国民健康保険東栄病院改革委員会(以下「改革委員会」という。)を設置する。 

(職務) 

第2条改革委員会は、前条の目的を達成するため、次に掲げる事項について、協議、検討し関係者に対して必要な提言及び指導を行う。 

(1)東栄病院の経営体制の強化 

(2)東栄病院の経営改善・改革 

(3)地域包括医療における東栄病院の役割 

(4)地域医療圏における東栄病院の位置づけ 

(5)その他改革に必要な事項 

(構成) 

第3条改革委員会は、原則として委員7名以下をもって構成し、委員は病院改革に関し適切な助言、意見等を述べることができる者とし、町長が依頼する。 

2 改革委員会に、委員長を置き、委員の互選により定める。 

3 委員長は会務を総理する。 

4 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長の指定するものがその職務を代理する。 

5 委員の任期は病院改革の協議、検討が終了するまでとする。 

(会議) 

第4条改革委員会の会議は、必要の都度委員長が召集する。 

2 委員長は、必要があると認めるときは、会議の議事に関係のある者の出席を求め、その意見又は説明を聴くことができる。 

3 会議は原則として公開とする。 

(庶務) 

第5条改革委員会の庶務は、東栄病院管理係において処理する。 

(補足) 

第6条この要綱に定めるもののほか、改革委員会の運営に関し必要な事項は委員長が改革委員会に諮って定める。 

附則 

この要綱は、平成17年11月9日から施行する。 

東栄病院改革委員会委員 

(五十音順) 

氏名所属備考 

稲垣春夫   トヨタ記念病院院長 

長    隆    総務省地方公営企業経営アドイバザー 

佐々木信義  豊川市民病院院長 

鈴木孝彦   医療法人澄心会豊橋ハートセンター院長 

夏目 忠    東栄町国民健康保険東栄病院院長 

伴信太郎 名古屋大学医学部附属病院総合診療部教授 

山本典式   東栄町助役 

石原徹    愛知県総務部市町村課課長補佐 



アドバイザー 

植羅哲也愛知県健康福祉部医務国保課主査 

鈴木希明愛知県新城設楽事務所行政防災課主査 

太田研司愛知県新城保健所設楽支所長代理 



東栄町国民健康保険東栄病院改革委員会の開催状況 



回数開催日主な協議事項等 



第1回平成17年12月19日(月) 

○ 東栄病院の概要と経営状況 

○ 総務省地方公営企業経営 

アドバイザー派遣事業 



第2回平成18年1月30日(月) 

○ 東栄病院の経営体制と経営改善 

○ 地域包括医療における東栄病院の役割 

○ 広域医療における東栄病院の位置づけ 



第3回 



平成18年2月20日(月) 

○ 東栄病院改革委員会報告書(案)の検討 


平成18年3月1日(水) ○ 報告書の提出