小樽市病院事業管理者並木昭義さん「就任後最初の二年は事務職を優秀な民間病院に派遣し、その発想を学ばせたい」



小樽市病院事業管理者並木昭義さん「就任後最初の二年は事務職を優秀な民間病院に派遣し、その発想を学ばせたい」 
   また小樽市が改革プランに盛り込んだ再編・ネットワーク化素案作りは今年十月がメド。半年で実現可能ですか。?について 
「それは国に提出するもの。経験上、国はプランが少しでも前に動くことを重視します。情報の共有化など実現できるネットワーク化策を少しでも進め、示すことです 」と述べた 
小樽市長の方針を尊重するとも述べているが 小樽市民の支持が得られるのだろうか       
     
  
小樽市病院事業管理者になる並木氏に聞く*安心できる体制構築に力*医師辞めない環境整備 改革、市民の支持が大切 
2009.03.09 北海道新聞        

 赤字経営が続く市立病院(小樽病院、第二病院)の再建に向け、小樽市が新設する病院事業管理者に札医大教授の並木昭義氏が就任する。任期は今年四月から二〇一二年度までの四年。予算や人事など経営全般の権限を市長から与えられる並木氏に、改革の方向性を聞いた。(平田康人) 

 -民間でいえば最高経営責任者のポストに就きます。まず、何を手がけますか。 

 「わたしは医者。赤字を減らすためだけではなく、やはり市民が安心して診療できる医療体制構築に力を発揮する必要があります」 

 -とはいえ、多額の不良債務と医師不足の解消は緊急課題です。 

 「医者が来ないと収入が上がらないのは事実。道外も含めた人脈を通じて探しますが、すぐに来てくれるわけではない。まずは医者が辞めない環境整備に努めます。一方で、将来の病院経営充実のため、最初の二年は事務職を優秀な民間病院に派遣し、その発想を学ばせたい。また、第三者が医療の質の高さを認める病院機能評価に、できるだけ早い時期に挑戦したい。その過程で新病院設置に向けた課題を洗い出すことができるはず」 

 -新病院建設は事実上、凍結しています。 

 「やはり病院が古いままでは駄目。二つの市立病院を統合して新築する市長の方針を尊重し、私も統合を目標にします。ただ人口減の中、規模についてはより実現可能で現実的な案に作り上げることになり、その旗を振るのが私の役目」 

 -地域医療の再編・ネットワーク化をどう考えますか。 

 「例えば小樽掖済会病院が消化器病センターを標榜(ひょうぼう)しているように、個々の病院が特徴を出せばいい。街全体でそれぞれの専門病院を持つこと。小樽市内全体が一つの病院と考えれば良い。その上で、空きベッドはどの病院にあり、この疾患の患者はあの病院へ-と振り分け可能な情報の共有化が必要。幸い、わたしの麻酔学講座から小樽の中核病院のほとんどに麻酔科医を派遣しており、共有できるつながりはあります」 

 -市が改革プランに盛り込んだ再編・ネットワーク化素案作りは今年十月がメド。半年で実現可能ですか。 

 「それは国に提出するもの。経験上、国はプランが少しでも前に動くことを重視します。情報の共有化など実現できるネットワーク化策を少しでも進め、示すことです」 

 -中核病院五つは小樽の人口規模では多いとの意見もあります。 

 「その街、社会にあったものにするには、何でもやりたいを捨て、病院体制についてもどこかで決断しないといけない。それには市民の支持が必要」 

 -市民の支持、ですか。 

 「昨年、医師が退職し、市立病院が呼吸器内科を休診する事態となったとき、市民の盛り上がりはなかったと聞きます。本州ではお母さん方が結成した小児科を守る会が、(差し迫った症状がないのに診察を求める)コンビニ受診を控えようと運動し、公立病院の小児科医が増えた例もあります。やはり病院の方向性を考えるとき、市民の盛り上がり、支持は大切な要素だと考えています」 

<略歴> 

 なみき・あきよし 1944年、日高管内門別町(現日高町)生まれ。札医大卒業後、70年に同大麻酔科講座入局。76年には市立小樽病院に麻酔科を創設し、同科の初代医長に就任した。2002年から2年間、同大病院長を務めた後、昨春から同大寄付講座緩和医療学教授を兼務。道医師会常任理事などを歴任し、現在は日本麻酔科学会理事長、道総合保健医療協議会副会長を兼任する。65歳。