公立病院改革推進に係る措置



『公立病院改革推進に係る措置 

(1) 病院建物に係る財政措置における建築単価の上限設定 
 今後の病院施設等の整備費について、病院建物の建築単価が1平方メートル当たり30万円を上回る部分を、普通交付税措置対象となる病院事業債の対象から除外することとし、平成21年度基本設計分から適用する・・・ 平成20年12月26日総務省自治財政局・公立病院に関する財政措置の改正要綱』 


課題山積も機能充実に取組み/千葉・神奈川・埼玉の県立病院動向 
2009.01.06 建設通信新聞   
  

 深刻な医師不足や厳しさを増す経営など、課題が山積する自治体運営の病院。2007年12月、総務省は地方公共団体に「公立病院改革ガイドライン」を通知し、08年度内に再編・ネットワーク化などを図る改革プランの策定を求めた。ガイドラインでは、公立病院の役割を民間機関では困難な医療を提供することと明記。公立病院は、高度先進医療や救急などの不採算部門、医師派遣拠点といった機能を担いながら、持続可能な経営のために効率化を進めるべきとの方針が示された。広域的な視点が必要なこれらの機能を充実するには、県立病院の果たす役割は大きく、既に取り組みを始めたところもある。ハード面を含め、千葉、神奈川、埼玉の首都圏3県における県立病院の体制整備をめぐる動向をみる。  

 千葉県では昨年、県立病院の再編方針が大きな転換期を迎えた。県立病院経営健全化・将来構想に盛り込まれた総合医療センターの白紙撤回が決まった一方、混迷を極めた九十九里地域の医療センターは具体化に向け始動した。 

 総合医療センターは、高度専門医療を提供するがんセンターなど6機関を機能統合する形で、13年度以降の設立を目標としていた。 

 しかし、将来構想見直しの検討の中で、現体制を維持すべきとの意見が相次いだほか、構想が“生きている”ことにより、既存施設の抜本的な改善対策ができないなども理由に、白紙化が決定。がんセンターと救急医療センター、精神科医療センターは、早急な建て替え・改築計画の検討が必要と位置付けられた。 

◆九十九里医療Cは1市1町で実現へ 

 九十九里地域の医療センター構想は、県立東金病院の老朽化対策を契機に持ち上がった。上位計画で、地域医療は地域が担うという「地域完結型医療」の構築が盛り込まれたことなどから、東金病院に替わる新病院を地域主体で設置するというものだ。 

 当初、6市町で始まった協議は二転三転し、東金市と九十九里町で実現を目指すことで決着した。県も総額85億円を補助する支援を表明。延べ約2万5000m2、314床規模の新病院を建設する計画が動き出した。 

 ただ、民間に委託した試案の検証では、建築単価にずれがあり、事業費が大きく膨らむ可能性もある。報告は、民間手法を取り入れた費用の抑制が必要と指摘している。 

◆神奈川はリハビリセンターを再構築 

 一方、高度先進医療体制の充実に向けた取り組みが具体化しているところもある。神奈川県は、「がんへの挑戦・10か年戦略」に位置付けたがんセンターの再整備や、日本のリハビリ医療の最先端を担ってきたリハビリテーションセンターの再構築に乗り出す。 

 がんセンターは、診療連携拠点機能の強化、重粒子線治療の導入などを柱に据える。センター本体は既にPFIの特定事業に選定しており、4月に入札公告し、12月に落札決定する。規模は延べ約4万5000m2で、公共負担額は約504億円を見込む。開院予定は13年11月。また、重粒子線治療施設は、08年度に基本構想を策定し、09年度に調査設計を委託する。11年の着工、13年の完成を目指している。 

 リハビリテーションセンターは、周辺施設整備の進展やニーズの変化などを踏まえ、個別支援から地域支援へと質、量ともに転換する。神奈川リハビリテーション病院と七沢リハビリテーション病院脳血管センターを統合する形で、400-480床規模の新病院建設を想定している。 

 埼玉県も、先進がん医療の強化とともに、「日本一やさしい対応」などをテーマに、県立がんセンターの建て替えを検討。重点項目として、外来診療室の拡張、外来化学療法センターや特定集中治療室、ハイケア病床といった専門病棟の整備、放射線診断・治療の強化などを掲げている。 

 新病院の規模は延べ約5万1000m2で、病床数は440-460床。15年度のオープンを目指す。

 また、病院本館とともに建設され、老朽化が著しい職員公舎の再整備や東館の改修なども計画している。