高知PFI事業の結果は、経費を増大させ経営を圧迫しています。

 


高知PFI事業の結果は、経費を増大させ経営を圧迫しています。また、サービスの質の面では、PFI事業者がみずから行った業務提案でありながら、その26. 5%、381業務が未達成であり、これは明らかにPFI事業契約第132条に違反をしているわけですけれども、良質なサービスが提供されている状況には全くありません。 開院以来この4年間の経過は、私たちが指摘したとおり、PFI事業者は地域医療、政策医療を担う立場、力量が欠如していること、公的病院運営のノウハウ、蓄積がないこと、民間イコール効率化という考えが幻想にしかすぎなかったことが証明されたのではないでしょうか。 病院PFI事業は、パートナーであるSPCが医療収益、収入増加対策については関心も責任も持たず、契約事項を守らずに、経費削減ができなくても病院経営が赤字であってもマネジメント料、委託料を受け取る。 
その上、建物の建設、民間資金の貸し付け等によるもうけが確実に保証されているのであります。 
つまり、一方的に大手企業は新たな利潤を生み出せるという構造、仕組みが貫徹されているのであります 



高知医療センター 2008年12月高知県議会  
田頭議員の一般質問 2008.12.10 


高知医療センター、病院PFI事業について知事にお伺いをいたします。 

 さきに開かれた病院企集団議会において本年度の病院事業会計の決算見込みが報告されて、7億6,000万円余の資金ショートを起こすことが明らかとなり、山崎企業局長も述べたように、まさに重大かつ深刻な事態であり、このままの状態を継続すれば高知医療センターの運営は危機的な状態に陥ると述べたのであります。 

平成17年の高知医療センター開院以来、毎年度20億円前後の赤字が続く一方、SPC高知医療ピーエフアイ株式会社は、マネジメント料を返上した年度を除き、毎年1億円から1億6,000万円の利益を得ているのであります。 
知事は、高知医療センターの今日の経営状態についてどう認識しているのか、またその原因をどうとらえているのか、まずお伺いをいたします。 

病院企業団は、今日の経営状態を改善するために、23年度の単年度収支黒字化を目標とする改革プランの策定に取り組んでいます。 
現在の案では、入院収益の約8億円増など合計11億円の収支増加対策が検討されていますが、これ自体、並大抵ではありません。 
そして、費用削減対策として、削減額合計8億6,000万円、そのうち6億円をSPCマネジメント料や材料費の削減をSPCに求めるとしているのでありますが、この協議が調うかどうかが決定的であります。 

 この間、利子3. 994%の127億円の割賦金の繰上償還の努力がされていますが、いずれにしてもSPCの経費の削減なくして、改革プランそのものの策定はもちろん、高知医療センターの経営改善が進まないことは明らかであります。 

まさに正念場とも言えると思うところですが、高知市長とも連携協力し、オリックス本社に知事が直接働きかけるときではありませんか、知事の御所見をお伺いいたします。 

私たちは、医療PFI事業について導入に反対の立場を表明し、一貫してその問題点を指摘してまいりました。 
今、その矛盾が吹き出ています。低廉かつ良質な公共サービスが提供されることがPFIの最大の効果であり、導入の目的だとしてきました。 

その内容として、材料費比率23、4%等によって従来方式より約300億円安くなり、SPCマネジメント料などの経費を差し引いても全体で180億円安くなると、経営面での効果を説明してきました。 

 しかし、結果は、経費を増大させ経営を圧迫しています。また、サービスの質の面では、PFI事業者がみずから行った業務提案でありながら、その26. 5%、381業務が未達成であり、これは明らかにPFI事業契約第132条に違反をしているわけですけれども、良質なサービスが提供されている状況には全くありません。 

開院以来この4年間の経過は、私たちが指摘したとおり、PFI事業者は地域医療、政策医療を担う立場、力量が欠如していること、公的病院運営のノウハウ、蓄積がないこと、民間イコール効率化という考えが幻想にしかすぎなかったことが証明されたのではないでしょうか。 

 病院PFI事業は、パートナーであるSPCが医療収益、収入増加対策については関心も責任も持たず、契約事項を守らずに、経費削減ができなくても病院経営が赤字であってもマネジメント料、委託料を受け取る。 

その上、建物の建設、民間資金の貸し付け等によるもうけが確実に保障されているのであります。 
つまり、一方的に大手企業は新たな利潤を生み出せるという構造、仕組みが貫徹されているのであります。 

高知医療センターは、高度、救急医療を初め、県下の基幹病院として大きな役割を果たしており、今後も県民、市民の命と健康を守る役割を果たすために、P F I事業の契約解除を真剣に検討することが求められていると思うのであります。 

 知事は7月議会で、高知医療センターの経営改善について、PFI事業の検証は重要な課題、高知市とともに積極的に取り組む、またさまざまな経営形態、運営方法について企業団、高知市とともに改善プランの中で検討していきたいと答弁をしています。 
この間どう取り組んできたのか、また今後の対応について、知事にお聞きをいたします。 


高知県尾崎知事の答弁 

高知医療センターの今日の経営状況についてどう認識しているのか、またその原因、要因をどうとらえているかとのお尋ねがございました。 

 12月1日に開かれました企業団議会で平成20年度の決算見込みが示され、赤字幅は19年度決算より約8億円増加して21億7,500万円、内部留保資金が約7億6,000万円のマイナス見込みとなるなど、高知医療センターは極めて厳しい経営状況にあると認識をしております。 

これは、医業収益は昨年度決算に比べ約2億3,000万円の増加が見込まれるにもかかわらず、7対1看護体制の強化などによる給与費の増加や、これまで据え置きされておりました病院本館及び職員宿舎などの建設費に係る割賦金の元本償還が本年度から始まったことなどによりまして支出が増加する見込みであることに加え、材料費や委託料の増加などP FI事業の効果が十分出ていないことが主な原因であると考えております。 

 現在、病院企集団においては、平成23年度の単年度収支均衡に向け、収入増加対策や費用の削減など具体的な経営改革案の策定を急ぎ、SPCとも協議をしているところであります。 
県としては、高知医療センターが一日も早く経営改善を達成し、本県の基幹病院として県民の期待にこたえることのできる病院となるようさらなる経営努力を続けていくことを、構成団体として高知市とともに企業団に強く要請しておるわけでございます。 

 次に、私が直接オリックス本社に働きかけるときではないかとのお尋ねがございました。 

 7月議会の場で塚地議員からも同様の御質問がございました。 
その際、病院企業団は高知医療センターの経営について責任を持った独立した地方公共団体でございますので、オリックス本社への働きかけもまずは企業団みずから行っていただくことが必要であると考えておりますとお答えをした次第でございます。 

 病院企業団は、12月2日に高知医療ピーエフアイ株式会社に対し、経営改革プランで検討している平成23年度の収支均衡に向けて、委託料やマネジメント料などを6億円削減するよう求めるとともに、病院企業団とともに協力して経営改善に取り組むよう要請したとお聞きをしております。 

また、この間、病院企業団では、11月27日にオリックス本社に対しても割賦金の企業債への借りかえや平成23年度の収支均衡に向けた6億円の経費削減について協力を強く申し入れたとのことであり、オリックス本社からは12月中に回答いただける予定であるとお聞きをしております。 

このように、病院企業団とオリックス本社との協議がなされているところでありますので、まずはその協議の進展を見た上で、高知市長とも協議の上、構成団体としての対応について検討したいと考えております。 

 次に、構成団体としての取り組みについてお尋ねがございました。 

 昨年12月の県議会の決議を踏まえまして、本年1月から、企業団と、構成団体である県、市の3者で随時協議を行ってまいりました。 

また、県から医療センターに対しましては、経営改善対策として地域医療連携の強化による医業収益の改善、外部によるPFI事業の検証や、PFI資金による病院本館施設等の整備に係る割賦金の企業債ヘの借りかえなどの検討を行うよう申し入れを行うとともに、企業債の借りかえに当たりましては県も企業団とともに総務省との協議を行ってきたわけであります。 

 病院企業団におきましては、内部に経営改革推進プロジェクトチームを設けまして、地域連携の強化による外来、入院患者の増や、DPC対象病院への移行といった収益増に向けた対策や、PFI事業の検証による材料費や経費の適正化など、経営改善の具体的な方策などについて検討をしてきておるということでございます。 

その検討状況を、病院企業団は、12月1日に開かれました企業団の議員協議会にお示しをしたところでございますし、平成23年度の収支均衡に向け、SPCに対しましても委託料の見直しなど具体的な協力を求めているというところであります。 

 今後とも県としましては、まずは喫緊の課題であります経営改善につきまして、PFI事業の検証を踏まえた効果的な経営改革プランとなりますよう高知市とともに取り組み、医療センターが県下の基幹病院としての機能を十分に果たし、県民の皆様に安心して医療を受けていただける病院となるよう積極的に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。