福岡市立こども病院 PFIの虚構・・「コスト削減効果」は詐欺的表現である



福岡市立こども病院 PFIの虚構・・「コスト削減効果」は詐欺的表現である 
独立行政法人化は評価するが 民間金融機関に経営を監視させるというが 監視能力も権限もない。貸し金が回収できない場合もある融資条件になっていれば格別。福岡市が債務保証しておれば 真剣に経営監視するはずがない。 
独立行政法人の経営監視は 評価委員会と議会が100%権限と責任を有する。外部監査人の責任も大きい。 
民間金融機関と経営監視契約締結したのであろうか? 
その報酬は? いずれにしても福岡市は虚構の主張をしている 


こども病院PFI効果、疑問の声 福岡市、コスト削減 下方修正 /福岡県 
2009.09.17朝日新聞   
  

 福岡市立こども病院のアイランドシティ(人工島)移転問題で、市が施設の建設や運営に採用するPFI方式(民間資金・手法の活用)の内容を見直した。開会中の市議会で関連議案を審議中だが、他県の公立病院では経営悪化を招いた例もあるだけに、16日の常任委員会では懸念の声も上がった。 

 「民間万能論と決別し、自治体として責任をもってやるべきだ」。常任委では共産議員がこう主張し、PFIの撤回を求めた。 

 14年3月に開院予定の新病院について、市は施設の建設と維持・管理に絞ってPFIを導入する計画だ。市はこれらの業務に必要な経費を174億円と試算。この価格を上限に、公募で選んだPFI事業者と一括で約19年間の長期契約を結び、建設と維持・管理の業務を委託する。 

 174億円のうち建設費は99億円。利子返済分を除いた額の1割に当たる10億円は金融機関から、9割の86億円は市債で調達する。 

 病院は来春に地方独立行政法人化するが、これらの借金は法人がすべて負担し、原則として収益の中から返していく。10億円はPFI事業者を経由する形で15年かけて金融機関に、86億円は30年かけて市に、それぞれ返済する。 

 だが、この内容に落ち着くまで、市の方針は曲折をたどった。 

 当初はPFI事業者に医療事務や医療機器管理、消毒滅菌など、幅広く業務を委託する計画だったが、PFIを採用した滋賀県近江八幡市と高知市の病院で経営が悪化。3月議会で「危険」との指摘が相次ぎ、福岡市は対象業務を大幅に縮小した。 

 建設資金の調達方法はさらに二転三転した。当初は民間の金融機関と市で半分ずつ調達し、PFI事業が妥当かどうかを金融機関に「監視」してもらう計画だった。 

 だが、業務縮小で「監視の対象」も小さくなるため、資金を借りる必要性が薄れたとして、6月議会では「全額市債で調達する方向」と説明した。ところが、9月議会では一転、金融機関を関与させる効果を認め、1割を借り入れることに。 

 コスト削減効果も、「30年で85億円」から、「15年で17億円、30年で41億円」に下方修正した。 

 市議会では、与党会派の民主が「安定的な病院経営が期待できる」と見直しを評価したが、自民など他会派からは「コスト削減効果があまりにも少ない」「ここまで(方針が)変わると、どの手法が最良な選択肢か、全く信用できなくなる」との指摘も出た。 


 ◆PFI方式 リスク内包の長期契約 導入は全国4件、すでに経営難も 

 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)は、民間事業者が資金調達から設計、建設、管理・運営などを担う仕組み。長期間、業務を一括契約することで事業者が経営改善に努めるため、行政は安くて質の高いサービスを提供でき、民間事業者は安定した収入を得られる利点があるとされる。病院の場合は、診療報酬改定や医療設備の技術の進歩など、長期契約ゆえのリスクもある。

 内閣府によると、公立病院ではこれまで4病院が導入した。このうち、近江八幡市の市立総合医療センター(06年開院)は経営難に陥り、08年度末に20億円の違約金を払って契約を解除。高知医療センター(05年開院)も、契約を解除する方針だ。 

 近江八幡市が出した報告書は次のように原因を指摘した。(1)民間事業者が施設整備費の全額を銀行から借り入れたため、市の起債より金利が高く、金利負担が経営を圧迫した(2)30年契約で支払総額があらかじめ決まっていたため、経営効率化を追求する意欲が働かない仕組みになっていた--。「PFIが病院経営の足かせになる危険性を認識すべきだ」と、報告書は警鐘を鳴らしている。