財政が厳しいので福岡市はPFIか? さらに苦しくなるのでないか!




財政が厳しいので福岡市はPFIか? 
さらに苦しくなるのでないか! 
病院PFIは契約期間が極めて長期に及ぶことが一般的であり、同方式の採用を検討する場合には、契約期間中の事業環境の変化に対応したリスクの発生に備え、あらかじめ公・民間で適切なリスク負担のルールを定める等、相当程度慎重な準備と調整を重ねることが求められる。   



福岡市立こども病院:移転問題 赤字、30年で513億円 市試算「PFIで削減へ」 
2009.03.20毎日新聞   
  

 ◇識者は警鐘「万能薬ではない」 

 西日本各地から患者が集まる「福岡市立こども病院・感染症センター」を福岡市が現在の中央区から東区の人工島に移転させることに伴い、30年間の病院への繰入金を市が513億円と試算していることが分かった。 

市はPFI方式で病院を運営し、コスト削減に努めるとしている。しかし、同方式で運営された公立病院の経営が悪化するケースが全国で相次いでおり、赤字額が試算通りに収まるかは微妙な情勢だ。【鈴木美穂】 

 新こども病院は現病院が老朽化し手狭になったとして、市が人工島内の3・5ヘクタールを購入。
2万6000平方メートルの施設(現病院は1万6000平方メートル)を建て最大260床(同214床)を設け、14年に開院予定。 

 市が260床で試算した収支計画などによると、用地取得費や建設費など初期投資は約186億円で、その約7割は国からの借金(起債)で賄う。 

新病院の事業費と、医療機器などの購入にかかる元利償還金などで年間平均約101億円がかかるのに対し、事業収益は平均84億円しか得られず、今後の30年間に約513億円が不足するとみられている。 

 年度別の不足額は、当初の5年間は約1億1000万~約9億円にとどまるが、開業後の14年度から15億円前後となり、18年度には約25億円に達する。その後はおおむね15億~20億円で推移するとみられている。 

 市は現病院に対しても繰り入れをしているが97年度に約19億円となった後は減少し、07年度は4億9000万円まで減っていた。 

市は08年度現在で約2兆5000億円の市債残高を抱え、現時点では国の許可がなければ地方債を発行できない。 

巨額の借金と絡め、人工島へのこども病院の移転がさらに赤字を増やすと危惧(きぐ)する声は市民の間に根強い。 

 福岡市が採るPFI方式は、全国で採用が相次いでいるが、病院運営では予想した効果が得られないとしてトラブルになるケースも相次いでいる。 

  
06年開業の滋賀県近江八幡市立総合医療センターは経営悪化に伴い今年度でPFI契約を解除した。 
市は特別目的会社に解約金約20億円を支払い、117億円の起債で造った建物などを買い取ることにした。同方式を採用した全国初の病院でもある高知医療センター(高知市)もコスト削減が進まず、自治体側と特別目的会社がトラブルになっている。 

 自治体病院に詳しい城西大学の伊関友伸准教授(行政学)は「福岡市が病院の赤字を負担する覚悟は理解できるが、患者・家族や医師らの反対が起きている状況を見る限り、進め方が拙速で説明不足との印象を受ける。病院経営においてPFIは万能薬ではない。市は全国にあるさまざまな経営形態の病院をよく研究する必要がある」と話している。 
  


以下ガイドライン 抜粋 

施設・設備整備費の抑制等 

病院施設の新増築、改築等に当たっては、将来的な減価償却費負担の軽減の観点から、当該施設・設備整備に要する経費を必要最小限度に抑制するよう努める 
ことが適当である。 
その際、病院施設・設備の整備については、当該病院が公立病院として果たすべき役割を踏まえ必要な機能が確保される必要があるが、こうした要因から特に割高となる部分を除き、民間病院並みの水準の整備費により新増築、改築等が行われるよう特に留意すべきである。 
また、病院施設・設備の整備に際しては、整備費のみならず供用開始後の維持管理費の抑制を図ることも重要であり、こうした観点から民間事業者のノウハウの 
活用を図る手法の一つとしてPFI方式がある。 

しかしながら、同方式は契約期間が極めて長期に及ぶことが一般的であり、同方式の採用を検討する場合には、契約期間中の事業環境の変化に対応したリスクの発生に備え、あらかじめ公・民間で適切なリスク負担のルールを定める等、相当程度慎重な準備と調整を重ねることが求められる。