組合立「成東病院」一部事務組合の解散にかかる協議会の会長に 長 隆(おさ たかし)が選任され、2009/5/1に 第1回会合が行われました。

 





組合立「成東病院」一部事務組合の解散にかかる協議会の会長に長隆が選任され、2009/5/1 に第1回会合が行われました。 

1.日時 
2009年5月1日 14:00~15:30 

2.協議会 委員 
・山武市長、東金市長、九十九里町長、芝山町長 
・長隆、坂本院長 以上6名 
  
3.内容 
・冒頭裁定書案読み上げ 

4.詳細 
「成東病院」の独法化のためには、出資者にあたる4つの自治体による「事務組合」を清算し、山武市単独の出資で独法を設立する必要がある。 
しかし事務組合を清算するには20億円ないし30億円の債務負担を4市町で分割負担しなければならない。 
そのための裁定案の叩き台を東日本税理士法人で、作成、説明し、これに対して各委員から異議、主張を受ける協議が行われた 
公開型で行ったため議論がスムーズに進んだ。 

議事録詳細は 組合立成東病院一部事務組合ホームページで7日以降に公開されます 

第2回 5月17日 に報告書を答申する予定です 



(参考) 

組合立国保成東病院一部事務組合の解散にかかる清算負担割合 裁定書(案) 平成21年5月1日 
解 散 に か か る 裁 定 案 


当 事 者 の 表 示 

千葉県山武市成東167番地 
組合立国保成東病院 
管理者  椎名千収 

千葉県山武郡芝山町小池992 
芝山町 
代表者町長 相川勝重 

千葉県東金市東岩崎1番地1 
東金市 
代表者市長 志賀直温 

千葉県山武郡九十九里町片貝4099 
九十九里町 
代表者町長 川島伸也 

千葉県山武市殿台296番地 
山武市 
代表者市長 椎名千収 


第1 裁定案 
組合立国保成東病院一部事務組合(以下「組合」という。)の解散に伴う、組織構成市町である山武市、東金市、九十九里町及び芝山町(以下「関係市町」という。)の清算負担割合については、平成20年度の関係市町住民の入院及び外来にかかる延患者数により算定した患者受療率に基づく、4市町間における患者利用割合とする。その割合を適用する対象となる債務等は、次に掲げるものとする。 
(1)企業債その他の借入金にかかる元利金償還金 
(2)退職金債務及びこれにかかる特別負担金等 
(3)病院土地取得等費用及び修繕費並びに地方独立行政法人設立時の運転資金等 



第2 理由 
1 前提となる事実 
(1)病院概要 
組合立国保成東病院一部事務組合は、芝山町、東金市、九十九里町及び山武市によって組織された一部事務組合である。なお、組合は地方公営企業法の一部を適用する地方公営企業である。 
元々、戦後の地域公衆衛生の充実、医療の確保という使命を担って、昭和27年7月に成東町ほか23か町村立成東病院組合が設立され、翌昭和28年6月、病床数51床、診療科目は内科、外科、産婦人科の3科で竣工開院した。 
その後順次診療科を増設して、病床の拡充を続けて平成4年には350床の病床を得るに至り、現在では18診療科を擁して運営している。 
23か町村による組合は、その後市町村合併、一部自治体の組合脱退等を経て、昭和42年より平成18年までは7市町村による構成であった。7市町村は、平成18年3月27日の4町村合併で山武市が誕生したことにより、組織構成は4市町となり、現在に至る。 
 平成19年度における1日平均入院患者数は173人、外来患者数は435人で、同年度末現在の職員数は288名であった。 
 病院を利用する患者数の比率は、4市町内における割合では、平成4年度以降、概ね東金市が25パーセントから30パーセント(平均28.2パーセント)、九十九里市町が15パーセント前後(平均14.6パーセント)、芝山町が1パーセント前後(平均1.0パーセント)、そして山武市が概ね55パーセントから58パーセント(平均56.1パーセント)となっている。 


(2)組合議会、規約 
組合は、合計8名の議員で構成する組合議会によって運営されているが、同議会議員は、組合規約(以下「規約」という。)により、東金市、九十九里町、芝山町及び山武市の関係市町議会議員それぞれ2名とされている。 
  また組合の病院事業に関する経費は、規約第11条において、関係市町の分担金、病院事業の収益、補助金、寄附金その他の収入をもって充てることとされている。関係市町の分担金の分賦区分は、その関係市町の住民が病院施設を利用した率その他により別にこれを定めることとされており、慣行的に毎年度の協議により定められている。従って、関係市町の経費その他の負担について、規約において定量的明文規定はない。 
  組合については平成9年度以前に多額の不良債務を生じていたが、概ね不良債務が解消した平成10年度以降は、関係市町より各年度8億5000万円程度の繰り出しが行なわれている。その関係市町の負担の割合は、均等割20%、財政力割20%及び患者割60%の割合が採用され、今日に至っている。 
 

(3)収支と資金繰り 
組合の経営は、平成17年度までは総収益から総費用を控除した純損益が概ね5000万円程度の赤字額で推移しており、単年度収支及び資金繰りに特段の懸念を生じる状況にはなかった。しかし、平成17年度末に内科医が全員退職したことに起因し、平成18年度には約10億円の経常赤字を計上し、翌平成19年度にはこれまでより約2億円多い関係市町の負担金が投入された。現金収支の急速な悪化により、平成20年度には千葉県から3億円の借入を申請、これを各種資金繰りに充てている。 
  平成21年度予算案によると、平成20年度末における企業債及び借入金残高は21億6416万円で、平成21年度末における同残高は19億466万円となっている。このうちには平成20年度末に生じた新規の千葉県からの借入が含まれており、その分は関係市町の負担増額として帰結する。また同予算案では平成21年度末における現金預金残高を約680万円と見積もっており、資金繰りに予断を許さない状況である。 
 

(4)簿外債務 
予算、決算に表現される債務負担の他に、今後病院経営の形態が変更する際に生ずると見込まれる退職金及びその特別負担金債務並びに運営上の必要資産の取得等資金が想定される。これらの債務負担は、本件裁定案提出後においてなお算定が継続されるが、関係市町が組合の解散に伴い負担する債務負担のうちには、これらが含まれる。 
 

(5)解散と法人設立 
組合は山武市により関係市町の協力を得て一般地方独立行政法人を設立し、病院運営を継続する計画を進めている。法人設立計画においては関係市町のうち、東金市、九十九里町及び芝山町からは法人設立後の運営には参画しない意向が表明されている。一部事務組合の解散は法人設立を行なうための絶対条件とはならないが、3市町が設立後の運営に関与しないためには、組合の解散を法人設立の以前に実施しなければならない。 
関係市町の財政状況が必ずしも好況といえない中で、時の経過とともに増加することが予想される、一部事務組合解散に際して生ずる残債務負担を極力抑えるためには、関係市町が負担する清算負担割合について、速やかに結論を出すべきものとして、本裁定案が作成されるに至っている。 


2 論点 
組合を解散するにあたり、組合の負債について関係市町の清算負担割合はどうあるべきか。 

3 関係市町の意見要旨 
(1)病院の役割 
成東病院の地域医療における役割については、関係市町は今後とも重要視している。一方、東金市においては市内に設立が予定されている医療センターとの適切な役割分担が必要であること、また芝山町においては町民の成東病院における受診率が大変低いことを述べている。 

(2)設立形態 
地方独立行政法人の設立形態等については、関係市町とも移行型地方独立行政法人による設立を希望するものの、新設型の地方独立行政法人とされることも次善策として容認している。芝山町からは移行型を望むこと以外の意見はない。 
 事務組合の解散と一般地方独立行政法人の設立の時期は、すべての関係市町から、平成22年3月に解散し、平成22年4月に地方独立行政法人が設立されることを希望している。しかし前倒しして早期に解散、設立が行なわれることを求めている市町もある。なお、山武市以外の関係市町は地方独立行政法人の設立団体に加わることには消極的である。 


(3)清算負担割合 
組合の解散に伴い負担が想定される清算負担割合については、山武市は均等割負担を現行の7分の4から4分の1に変更されることを希望している。東金市は、企業債償還については資産等評価の如何と借入年度ごとの構成団体の範囲において、現行の償還方法により償還に応ずるとしているが、将来発生債務及び債務負担行為償還については応ずることはできないとしている。九十九里町は企業債については現行の取り決めの枠内において負担するも、現行の負担金外の負担及び組合解散後の負担は困難であるとしている。芝山町は、成東病院における町民の患者受診率が著しく低いことを斟酌した上で、均等割10%、財政力割10%、患者割80%により負担額を決める新ルールとすることを要望している。 
 なお、関係市町とも、職員退職金について負担が生じた場合には、分納等の措置を条件とする市町を含め、これに応ずるとしている。 


(4)必要経費 
組合解散後の病院事業継続のために必要な各種経費として、電算システム整備、介護老人保健施設整備、耐震補強工事、その他の財産取得があげられる。これらについて、東金市は負担することができないとしている。九十九里町は新事業者が負担するべきとしているが、介護老人保健施設整備については別途協議の余地に言及している。芝山町は基本的に山武市が負担するべきとした上で、電算システムの整備については解散に要する経費として、構成団体で負担するべきとしている。山武市は、そのいずれも関係市町が応分の負担をするべきであると主張している。 

(5)その他 
その他については、山武市から法人化後の患者利用に応じた関係市町の負担の必要性、九十九里町から未処理欠損の処理への不関与、東金市から設立関連経費負担ができないこと、そして芝山町からは清算に伴う各種資産については関係市町の債務として相殺処理されるべきこと、などの意見が出ている。 

4.裁定者の判断 
(1)処分規定 
組合の規約には、負債の責任分担を含め解散に関する処理について特段の規定はない。地方自治法第289条は、一部事務組合の解散の際の財産処分に関しては、関係地方公共団体の協議によって定めるものと規定するのみであり、具体的な処理内容又は指針等についての規定はない。 
 他方、地方自治法第287条の規定に従い、一部事務組合の経費の支弁方法として、規約上、第12条に関係市町の経費の分担については、管理者が別にこれを定めると規定されているが、同規定は、あくまでも運営上の経費分担に関するものであり、当然に清算負担割合を取り決めたものとはいえない。 


(2)出資割合 
ところで、地方自治法上の一部事務組合を、当然に民法上の組合と同視することが妥当かどうかはさておき、民法上の組合の場合、各組合員は対外的には各個人資産を引当てとする個人責任を負担することになるが、その際に各組合員が内部的に負担する損益分配の割合については、特段の定めのない限り、各組合員の出資の価額に応じて定めるとされており(民法第674条第1項)、さらに利益又は損失についてのみ分配の割合を定めたときは、その割合は利益及び損失に共通であるものと推定されている(同条第2項)。 
 上記規定は、基本的には、組合員の出資の割合に応じて、組合に対する支配力を有していると考えられ、また出資割合に応じて利益等を受けることが一般的であり、その裏面として出資割合と同等の責任も負担すべきであるという考え方を根拠とするものと考えられる。 


(3)出資割合の合理性 
この考え方によると、設立時より関与ある26町村の出資割合を、現在の関係市町の出資割合として引き直すことになる。しかし、26町村が現在4市町にまで集約、合併されていることを考慮すれば、その出資比率を何らかの指標として用いることは、解決を図るための合理性が高いとはいえない。 

(4)協議による割合 
ところで、規約に従うと、各年度における関係市町の分担金の分賦区分は、その関係市町の住民が病院施設を利用した率その他により管理者が別にこれを定める、とされる。現実に、各年度の分担金の分賦区分は各年度ごとに関係市町の協議により決定されていることから、各年度において関係市町から支弁されている経費の額は、住民が病院施設を利用した率その他の事情を勘案して、正当に協議された結果であると解すことができる。解散にあたって清算の対象となる負債は、帰するところ、各年度における損失の累積によるものであるから、その負債は各年度の協議により定められた分担金の負担割合に従って負担する義務を負うと考えることは、法的、行政手続き的な経緯から一定の合理性があるのは確かである。 

(5)患者数の比率 
一方、関係市町における患者数の比率を関係市町の利益であると評価すると、その比率は例えば前記1(1)記載の通りである。 
 本件裁定は、あくまで受療者である住民の地域医療確保を第一義として行われるものである。地方独立行政法人の設立を伴う一部事務組合の解散が早期に行われるべき理由は、関係市町の住民の増加負担の極小化と福利厚生向上を最重要とし、あわせて地域住民への明瞭な説明責任を実現することにある。関係市町の住民理解と最少負担をあわせて目指すという目的を鑑みた場合には、裁定案については法解釈的、行政手続き的側面以上に、関係市町の住民の利益が最大限重視されると考えるべきである。 
 本裁定案については、様々な検討と選択肢の中で、住民利益の実現を最重要視して検討した結果、至った結論である。 


5 補論 
(1)指標の有無 
前記のとおり、地方自治法第289条は「関係地方公共団体の協議によりこれを定める」と規定するのみで、「経費の支弁割合による」「住民利用の割合による」といったような明確な指標を示しているわけではない。 

(2)前例 
一部事務組合の解散にあたっては、顕在化している負担のみならず、解散に際して生ずる対外的債務等の負担についても構成団体である地方公共団体が連帯債務として負担することとなることが判示されている(大分地裁平成16年1月19日判決・判例時報1874号113頁)。同じく、解散に際して顕在化する退職金債務及び借用財産の取得等にかかる債務について、関係市町の連帯債務として取り扱われることとなることが予測される。 

(3)負担増懸念 
関係市町間における過去の負担にかかる協議が、前記の事情及び判示までを鑑みた上で可能な限り過不足のない論議の上に成立してきたかどうかについては、本件裁定にあたって重要要件とはならない。組合の負債額増加が懸念される情勢の中で、最優先されるのは地域住民の福祉の向上であり、そのためには可及的速やかに債務負担を関係市町に帰し、成東病院の速やかな法人化を進めることこそが重要である。 

(4)議会同意 
以上のような観点に立って、関係市町の首長及び議会からは本件裁定を尊重する意向が示されているとはいえ、本裁定案には法的拘束力は存しないため、本件の円満解決のためにはあくまでも関係市町議会の賛同を得られることが必須の要件となるものである。 


(5)病院への理解 
その上で、本件解散について付言するならば、各年度の負担について、各年度において協議された中で組合議会及び関係市町議会において予算決議され、分担金の負担割合が定められている以上は、当然にその結果としての債務の処理及び地域医療持続のための支出は、速やかに協議により清算負担割合を定め解決を図るのが本来である。特に、国より各自治体に対し交付される地方交付税の病院分にかかる算定基準等の計算を、はるかに超えて多くの負担が積極的に行なわれてきたことからも、関係市町関係者は関係市町の住民にとっての成東病院の重要さを理解し、最終的な分担金負担を十分了解した上で病院経営に積極関与していたと見ることに、不自然はない。この点を鑑みても、一部事務組合の解散において住民が利益を受けた度合いによって債務負担が裁定されることは、ごく自然である。 

(6)総合判断 
以上を総合して、過去から現在に至るまでに生じせしめた各種債務については、あくまでその医療サービスの受療者が享受する利益に相当する側面を重要視して、本件裁定案の結論とすることが相当と判断した。 
 なお、将来的に成東病院の近隣に新たに医療機関が設立され、または医療機関が廃止される可能性その他の事情については、これを考慮に入れて判断したものではないことを付言する。 


6 結論 
 よって、「第1 裁定案」記載の通り、裁定を行なうものである。 

平成21年5月1日  東日本税理士法人  代表社員  長   隆