地域医療再生基金」について、厚生労働省の担当者は「ハコモノじゃなくて、マンパワーの確保ということが一番大事だ」と指摘した上で、「どこかの病院1つだけを大きく建て替えるためにたくさんのお金を使うというのは好ましくない」と強調!



地域医療再生基金」について、厚生労働省の担当者は「ハコモノじゃなくて、マンパワーの確保ということが一番大事だ」と指摘した上で、「どこかの病院1つだけを大きく建て替えるためにたくさんのお金を使うというのは好ましくない」と強調! 


地域医療再生基金の狙いは医師の計画配置か 
新井裕充 (2009年10月18日ロハスメディカ)  

医師不足の解消など医療再生計画を策定した都道府県に国が支給する「地域医療再生基金」について、厚生労働省の担当者は「ハコモノじゃなくて、マンパワーの確保ということが一番大事だ」と指摘した上で、「どこかの病院1つだけを大きく建て替えるためにたくさんのお金を使うというのは好ましくない」と強調している。同基金の実体が、「医師の計画配置」を進めるためのバラマキ政策であることが再確認されたといえる。(新井裕充) 

 日本医療・病院管理学会(理事長=池上直己・慶應義塾大教授)は10月17日、東京女子医科大の弥生記念講堂で「第47回日本医療・病院管理学会総会」の1日目を開催した。 
 今年のテーマは、「国家財政と医療 ─あるべき医療の姿を求めて─」。宇沢弘文氏(東京大名誉教授)が「社会的共通資本としての医療を具現化する」と題して特別講演したほか、「国家財政と医療」をテーマにしたシンポジウムが開かれた。 

 シンポジストとして参加した厚労省医政局指導課の新村和哉課長は、補正予算見直しで750億円減額された「地域医療再生基金」について、「マンパワーの確保が一番大事」と指摘。「100億円で大きな病院再編をしたいと考えていた所には申し訳ないし、残念」などと述べた。この発言には、やや違和感を覚える。 

 補助金がらみのハコモノ行政を繰り返す厚労省医政局の担当者が、「マンパワーの確保が一番大事」などと強調したのはなぜだろうか。それは、「地域医療再生基金」の実体が、医師の計画的な配置に道筋を付けるためのバラマキ策だからではないか。 
 地域医療再生基金の"合格基準"は依然として謎に包まれたままだが、地域の拠点病院を中心にした研修医の派遣システムなど、医師の地域偏在を解消するための方策が盛り込まれた計画が優遇されることが予想される。 


■ 「建て替えにたくさんのお金を使うのは好ましくない」 ─ 新村課長 
  

[上塚芳郎座長(東京女子医科大学教授)] 
 では、(回答を)新村先生にお願いします。地域医療再生基金の姿はどうなっていくのか。 

[厚生労働省医政局指導課・新村和哉課長] 
 「国家財政と医療」という(シンポジウムの)テーマとはちょっと違うような気がしますけれども、最近の話題ですので情報提供だけさせていただきます。 
 補正予算の見直しは非常に厳しい調節がございました、それは正直言って......。3100億円の積算というか金額で、100億円プロジェクトが10か所で、25億円が14か所で......、まあ、足すと各県2か所ぐらいは選定できるということで......。 

 各都道府県が一生懸命、これまでの医師会とか病院関係者とか、いろいろな関係者とお話をして、かつ大きい県と小さい県があって、それはそれでまた議論があるんですけれども、いくつかの条件で、それぞれの課題がある中で、「どの二次医療圏を選ぼうか」ということで非常に頭を悩ませながら検討してきたということがありますので......。 

 そしてその一方で、「なんとか財源出しをするように」という......、ま、行政刷新会議ですか、あちらからも強い要請があって、政務三役を中心にいろいろ動きがありまして、100億円については75億円を拠出して25億円にすると。従って、75億掛ける10の750億円は拠出して、結果的に25億円が94になりますね、各県2つという、その考え方は残しております。 

 しかし、あの......。私、いろんな所で......、いろんな所でと言っても1か所(注・国際福祉医療大学シンポ)かな、お話ししたのは、あの......、やっぱりハコモノじゃなくてですね、医師あるいはほかの職種もそうですけれども、マンパワーの確保ということが一番大事だし......。 
 それから、地域の医療圏での「面的整備」ということがありますけれども、弱い......、てこ入れが必要な医療機能。例えば、救急医療とか周産期医療とか。 

 それはその地域の課題であってよろしいわけですが、それをぜひ強化する方向に使っていただきたい。どこかの病院1つだけを大きく建て替えるためにたくさんのお金を使うというのは好ましくないということは言ってきましたし......。 
 ま、そういう意味で100億円で大きな病院再編をしたいと考えていた所には、それがなかなか......、100億円というプロジェクトがなくなったのは申し訳ないし、残念ですが、しかし、「地域医療再生のために必要だ」と、その地域で考えていただいた所がやっていただくことは、それはぜひ、このお金があろうがなかろうがやるべき所は必要があるわけですし、それがたとえ25億でもうまく活用していただければ非常に良いのではないかと。 

 ま、そういう意味で県内でも絞り込みがあり、かつ全国でも......、今後、私ども国でも有識者会議を設けて、きちんと中身を見させていただいて、有効な活用がなされるように。貴重な税金ですから、そういうふうに見ていきたいと思っています。 

[上塚座長(東京女子医大)] 
 ありがとうございます。(以下略)