「組合立国保成東病院一部事務組合解散・地方独立行政法人移行協議会」開催に先立ち, 設立4団体・議会全員協議会を急遽開催いただき, 解散と移行の方向性などについて ご説明させていただきました。 東金市・山武市 ・九十九里町・ 芝山町の 多くの議員の方から, 市民にわかりやすい「独立行政法人化Q&A」を公表すべきであるとのご意見が御座いました。

 














「組合立国保成東病院一部事務組合解散・地方独立行政法人移行協議会」開催に先立ち, 設立4団体・議会全員協議会を急遽開催いただき, 解散と移行の方向性などについて ご説明させていただきました。 

東金市・山武市 ・九十九里町・ 芝山町の 多くの議員の方から, 市民にわかりやすい「独立行政法人化Q&A」を公表すべきであるとのご意見が御座いました。 

未定稿であり一部会長私見も含まれますが,会長私案として,まず議員の皆さんにお示し、公開させていただきます。 

ご意見・ご批判をご遠慮なくお寄せください 



2009年5月8日  

組合立国保成東病院一部事務組合解散・地方独  立行政法人移行協議会会長 長  隆 

EーMAIL takashi.osa@higashinihon.ne.jp 



  















組合立国保成東病院 地方独立行政法人 移行 Q&A(文責 協議会会長 長  隆) 



Q1.地方独立行政法人は公設公営であっても、病院の運営では強く独立採算制が求められ、赤字を生み出さないことを至上命題とし、成績業務主義にのっとって仕事をすることとなり、限りなく儲ける医療にシフトしていくこととならざるをえないのではないか? 

  

A1 

独立採算制は全ての公立病院が地方公営企業法で義務化されております。公設・公営である限り独法であると否とに拘わらず独立採算制は法の定めであり、独法化すると経済的運営を強化されるわけではありません。 

儲け主義とは無縁です。法人化後も従来どおり必要な税金投入が行われます。 





【以下 地方公営企業法 抜粋 】 

(経営の基本原則) 

第三条  地方公営企業(公立病院)は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない 

(経費の負担の原則) 

第十七条の二  ・・地方公営企業の(次の)経費は・・一般会計で・・負担するものとする。 

一  その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費 

二  当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行なつてもなおその経営に伴う収入のみをもつて充てることが客観的に困難であると認められる経費 







Q2.地方独立行政法人とはどういう制度か。 



A2 

① 地方独立行政法人(以下「地方独法」という)は、「聖域なき構造改革」の考え方の下、地方の行革に資するため、地方公共団体が機動的・戦略的に対応するためのツールを付与する目的で創設され、平成16年4月1日から施行された制度です。 

地方独法制度を一口で言うとCEO(最高経営責任者=市長)とCOO(最高執行責任者=地方独法の長=理事長)の戦略立案と執行の分離という私企業の分離型経営手法の地方公共団体版ということができます。 

現在、病院事業では5法人が設立されています。以下は非公務員型を前提に説明します。 

(注) CEO・・最高経営責任者、Chief Executive Officer 

   COO・・最高執行責任者 Chief Operating Officer 

② 地方独法の特徴は、「自主性」、「目標管理」、「透明性」、「公共性」にあります。 





「自主性」 



市長や議会の事前関与・統制が極力廃され、事後チェックに重点が置かれ、理事長の自己責任が徹底されています。市長が任命するのは理事長と監事のみで、副理事長、理事、職員は理事長が任命します。 

年度計画(予算)は単年度主義ではなく、市長に届け出るだけです。 

職員の身分も非公務員となり労働三法が適用されます。給与制度・任用制度も地方公務員法から解き放たれ、(法の範囲内で)任意に設計できます。このように機動性・弾力性が格段に向上します。 



「目標管理」 



独法制度の根幹をなすシステムです。 

市長が議決を経て中期目標を設定し地方独法に示します。 

地方独法はそれを達成するための中期計画を作成 

し、市長に認可申請し、市長は議決を経た後認可します。 

この目標が達成されたかどうか評価委員会(市の付属機関)が毎年チェックします。 

中期目標期間終了後は、地方独法の成果を総合評価します。 

このようなPDCAサイクルの制度化(義務化)をとおして効率的な経営と質の高い住民サービスの提供を確保します。( PDCA cycle, plan-do-check-act cycle) 



「透明性」 



中期目標・中期計画・年度計画の公表、発生主義・複式簿記等の企業会計的手法の採用、決算報告書・事業報告書・財務諸表の作成・公表、会計監査人による会計監査等により透明性が確保されています。 



「公共性」 



地方独法は、親元の地方公共団体とは別個の独立した法人です。 

以上述べたように大きな自主性が与えられていますが、それでもなお、公共性を維持しています。

・定款の議会議決 

・市の資本金出資 

・理事長の市長任命 

・市長の中期目標の指示 

・評価委員会による評価・改善勧告 

・繰入金等の財源措置 

・解散時残余財産の市の帰属・負債の市の負担等 

のシステムが地方独法の公共性を担保しています。 





Q3.メリット・デメリットは? 



A3 



【メリット】 



1 経営の責任と権限が明白になると同時に機動性・弾力性が格段に向上 



2 PDCA サイクルの義務化による効果 



3 多様な形態の雇用が可能、また業務量に応じた人員配置が可能 



4 年俸制、業績給、資格手当など独自設計の給与制度が可能 



5 中期計画内で予算科目や年度に縛られない弾力的な予算運用が可能 



6 複数年契約など多様な契約手法の活用が可能 



【デメリット】 



1 移行に際し、独自の会計システム等の開発や不動産鑑定料が必要 



2 独自システムのメンテナンス費、役員報酬、監査報酬、損害保険料等の新たなランニングコストが必要 



3 市長事務部局に評価委員会事務局(担当)など新たな要員が必要 



4 毎年度の評価事務に多大な時間と労力を要する。 



5 争議権の行使があった場合に市民に迷惑を及ぼす可能性がある。 





Q4.どうして組合立国保成東病院を地方独法化しなければいけないのか。 



A4 

①国は財政危機を受けて、最大の支出項目である医療制度の改革を進めています。 

病院経営は、診療報酬の切り下げを始めとして、新看護基準・DPC の導入、病床の削減、入院日数の圧縮、生活習慣病予防対策へのシフトなど急激な変化にさらされています。 

一方、地方交付税の見直しも取り沙汰されています。 

総務省の病院事業への繰出し基準も現行のままという保証はありません。 

市財政は厳しさを増しています。 

こういう状況で、病院事業の経営基盤の強化は喫緊の課題です。 

対応いかんによって、ここ数年でいわゆる勝ち組と負け組に分かれることが予想されています。 

迫り来るこれらの医療制度改革・行財政改革に迅速に対応し勝ち残っていくためには、地方独法化による機動性・弾力性の獲得は、必要不可欠と考えます。特に7 対1 の新看護基準を導入するためには、定数管理の弾力化は避けて通れません。 



② 全国的に公立病院が経営的に不振である理由の一つに民間病院と比較して、医師を除く病院職員の給与が高いことが挙げられています。 



法律的には現在の地方公営企業法 「一部適用」でもある程度の独自給与制度が可能です。 

しかし現実には職員の人事交流、公務員意識等により、病院独自の給与制度の導入は事実上不可能な状況です。 



地方独法はまさに独立した法人ですから、独法化すれば、公務員意識から脱却して、民間の給与水準を参考にし、民間のいいところを採用した新たな給与制度を導入することが可能となります。 



③ 目標管理は、独法制度独自のシステムです。 

PDCA サイクルを回すことにより品質の向上を図るのはいまや常識です。 

市は、市立病院を地方独法化することにより、効率的な経営と質の高い住民サービスの提供にむけて、有効かつ強力なツールを手に入れることになります。 



④ 「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」(平成17 年3 月29日総務省)において、国は、民間で出来ることは民間に任せ、しかる後に地方公共団体が自ら実施するよりも地方独法を設立して行わせるほうが効率的・効果的に行政サービスを提供できると判断される場合に地方独法の活用を検討すること、という基本的考え方を示しています。 



また市の健康行政・予防行政との連携や、災害時の治療拠点など市民にとって大きな支えとなるはずです。 

そして将来の病院経営に当たっても、民間に出来るのならば地方独法でも出来るのではないか、むしろ独法のほうがより透明で、必要であれば不採算部門でも切捨てのない、より市民の立場に立った医療が提供できるのではないか、と考えています。 



現に、地方独立行政法人法の制度設計に当たっては、対象事業として公立大学と公立病院が念頭に置かれていました。地方独法は、国が目標を持って経営に取り組もうとする自治体に対して今後とも頑張ることができる有効な手段を付与したものといえます。 



(注)DPCは急性期入院医療の支払い方式の一つとして導入されましたが、入院期間の短縮によ る医療費の効率化のみではなく、病院毎のデータの比較等により、医療の透明化や標準化等が進むと考えられています。 







Q5.組合立国保成東病院は、地方独法化のあと、具体的に何をするのか、したいのか。 



A5 

①一般200床以下での病床開設許可申請を行い、使用許可は確実に確保できる医師・看護師数から逆算した病床数まで減床させます。空床150床以上は老人保健施設に転換させます。 

病床利用率90%以上(現在50%程度)平均在院日数14日以内を目指します 

内科を復活させるために あらゆる方法を即刻実施します(A6参照)。 



② 医師職については、給与体系を見直し、個人や科の業績、患者からの評判、上司からの評価、研修生への指導実績等、病院経営への貢献が給与にはねかえる評価制度の導入を検討します。 



③ 新給与基準においては、「わたり」を完全に廃止します。ただし、従来からの職員については、基本的に現給(退職手当を含む。)を保証します。 



④ 移行と同時に、業績手当の導入を検討します。 

業績手当の内容:期末・勤勉手当の1 月(又は半月)分ほどを留保しておき、毎年3月25日ぐらいで年度の収支状況を判断し、黒字・赤字の業績に応じて3月31日に支給します。 



⑤ 現在任用されている事務職員は、身分を市からの派遣職員とし、市の給与基準を適用しますが、毎年7~10人程度プロパー職員(新給与基準を適用)と置き換えて、可能な限り縮小します。 



⑥ 移行後、医師職については3月程度の国外研修、医師職を含む全ての医療職については1~3月(特に必要がある場合は6月以内)の国内研修の機会が得られるようにするなど職員の人材育成を強化します。 



⑦ 移行と同時に7:1の看護基準を導入します。 



⑧ 移行と同時に、独自給料表、独自手当支給基準及び独自退職手当支給基準(以下「新給与基準」という。)を導入します。新給与基準は、独立行政法人の成功事例(山形県・酒田市病院機構・那覇市民病院)、民間給与水準、国保成東病院の経営見通し等を総合的に勘案し策定します。 



⑨ 積極的な情報開示 

独法の経営に関する点検・評価・公表に際し、立地条件や病床規模が類似した民間病院における状況等を併せて明らかにするなど病院の現状について住民が理解・評価しやすいよう、積極的な情報開示に努めます。 

また、有識者等による評価委員会等の審議状況などについても報道関に積極的に公開するなど、住民の関心をできる限り高める工夫を凝らします。 







Q6.国保成東病院は、どこを目指しているのか。 



A6 

① 国保成東病院は、住民、地域のホームドクターから信頼され、選ばれる急性期医療の中核病院・救急病院として存続したいと考えています。 



② 国保成東病院は、ドクター、ナース、コメディカルにとって、医療技術が学ばれ・磨かれ・発揮される働きがいのある職場、開かれた医療機関として存続したいと考えています。 



③ 国保成東病院は、山武市当局と協力し、市民の健康増進を図り、予防医学を推進する保健行政のパートナーとして、また災害時における医療現場の核となる市民病院として存続したいと考えています。 

組合立病院としての長い歴史を踏まえ 今後も東金市・九十九里町・芝山町の住民の皆さんにも愛され・信頼される病院として貢献してまいります。 



④ 国保成東病院は、市民の支持を得て、徐々に財政基盤を強化し、最終的には市民の税金を投入せずに健全運営ができるような病院経営を目指します。 

地方公営企業法を尊守して月次決算を翌月20日以内に病院のホームページで公表します(注)。 

市民にもご理解いただけるよう、民間病院に適用される病院会計準則に準拠し前年同月比の要約も同時に明らかにします。 





(注)【地方公営企業法 第三十一条 計理状況の報告】 

管理者は、毎月末日をもつて試算表その他当該企業の計理状況を明らかにするために必要な書類を作成し、翌月二十日までに当該地方公共団体の長に提出しなければならない。) 



⑤ 以上のように、国保成東病院は、未来永劫にわたって市民の健康を守り市民の拠り所となる病院運営を続けたいと願っています。 



(注)「わたり」出典: Wikipedia 

「わたり」とは、公務員に、実際の職務の内容の当てはまる給与表の級よりも上位の級の給与を支給すること。例えば、主任である職員に、係長並の給与が支給されるといった具合である。昇任せずとも長年勤続すれば上位の級に昇給できる仕組みである。特に東京都・特別区ではこの仕組みを「級格付制度」と称している。 



また実際に条例で給与表の職務分類基準で、級に当てはまる職務に例えば「課長補佐の職務」と併せて「困難な業務を行う係長の職務」と規定されている場合でも広義のわたりに含めることがある。特に現在は、地方公務員の給料決定の制度やその運用が国家公務員に比べ有利になっている場合に幅広く用いられることが多く、広義のわたりの概念が何を指すかは明確でない部分もある。 



人件費の増大による税金の無駄遣いの象徴としてしばしばメディアでも取り上げられるほか、実際の職務と俸給表の級を対応させるという公務員の給与の原則(職務給原則)に反する行為であるという批判もある。 



わたりの発生原因としては、各部署ごとに職(部長、課長、課長補佐、係長、主査、主事などの肩書き)の定員が固定化されていることと年功序列が挙げられる。現実的にはその規定の職の職員を配置することは困難であり、定期昇給等で本来は職を昇格しなければならない職員が必ず発生するがそのポストはすでに埋まっている。そこで、発生するのがわたりである。公務員は職により給与表から給与額が算定されて支給されるが、職名を変えず、給与表外の給与(いわゆる枠外)を支給し、職員間の不満を抑えるのが目的である。管理職・監督職の場合は、従前の職務名に上位の級のスタッフ職の職名を冠し「副参事兼課長補佐」「主幹兼係長」などとして形式上は昇任したこととするケースも多い。 



しかし、わたりは国家公務員法、地方公務員法の給与規定に違反する可能性が非常に高く、民間から見ると非常に不透明な給与支給である。そのため、以前から問題視されていた。労働組合もわたりの廃止を要求していた。 



近年、世間の公務員批判を受け、わたり廃止に向けて制度改革も進んでいる。国や地方公共団体は職務給原則の徹底と成果主義に基づく給与体系に移行しようとするが、組合側は現実にあわせた部署ごとの職定員の柔軟な増減を求めている。