働きたい病院 第3位の亀田総合病院では、「症例数」と「最先端医療」の2つに回答が集中。病院長の亀田信介氏は、「結果全体を見る限り、やりたいことができる病院を素直に選んでいるようだ」と分析する。



働きたい病院 
第3位の亀田総合病院では、「症例数」と「最先端医療」の2つに回答が集中。病院長の亀田信介氏は、「結果全体を見る限り、やりたいことができる病院を素直に選んでいるようだ」と分析する。
例えば、オンコロジーをやりたければ癌関連の病院を、外科領域を網羅的に診たいならば著名な基幹病院をという具合だ。その上で、「当院を選んだ外科医は、幅広く外科医療に携わりたいのだろう。医師がやりたい仕事をサポートする体制が十分に整っているからだ」と亀田氏は言う。 


日経メディカル 2009年4月号 
緊急調査 

●外科医が選ぶ、働きたい病院 
  
理想は手術に専念できる環境 

いったい、外科医は具体的にどんな病院で働きたいと考えているのか? 本誌では現役外科医を対象に「働きたい病院」を緊急調査した。その結果から、外科医にとって魅力ある病院の姿が見えてきた。 

 本誌では今年3月、現役外科医に対し、「働きたいと考える病院」を尋ねる調査をインターネットで実施した。働きたい、もしくは働きやすいと口コミなどで聞いている国内の病院の名前・診療科、および選んだ理由を答えてもらった(調査概要参照)。199人から回答があり、結果は下表の通りとなった。(添付PDF参照) 

1位はがんセンター中央病院 

 トップは国立がんセンター中央病院で28票を獲得した。3票以上の病院について、選ばれた理由を分析すると、「症例数が多い」「最先端の医療を行っている」「指導を受けたい外科医がいる」「会得したい技術が学べる」に回答が集中していた。 

 PART1では「給与が少ない」「労働が過剰」などを、外科医の不満として紹介したが、これらの解消を「働きたい病院」を選ぶ際のポイントとして挙げる人はほとんどいなかった。外科医の多くは、まず「手術」という外科の本分にどれだけ時間を費やせるかで、病院を選ぼうと考えているようだ。 

 そうした意味では、国立がんセンター中央病院がトップなのは当然といえる。国を代表する癌専門病院で、全国から患者が集まってくる。手術数も多く、様々な症例も経験できるとあれば、外科医の理想に近い。 



診療科の雰囲気も重視 

 第2位の聖路加国際病院は、「最先端医療」「症例数」「指導を受けたい外科医がいる」の3分野の支持が高かった。副院長で脳神経外科部長の石川陵一氏は、「乳腺外科をはじめ、腕の良い外科医が多く在籍し、症例数も豊富。常に最新医療を手掛けているため、多くの医師に支持されたのでは」と話す。また同病院では、古くから「チーム医療」が根付いており、医師とコメディカルがスムーズに連携できているという。「自分の仕事に集中できる環境があり、こうした話が研修した医師から広まっているのかもしれない」と石川氏は言う。 

 
第3位の亀田総合病院では、「症例数」と「最先端医療」の2つに回答が集中。病院長の亀田信介氏は、「結果全体を見る限り、やりたいことができる病院を素直に選んでいるようだ」と分析する。例えば、オンコロジーをやりたければ癌関連の病院を、外科領域を網羅的に診たいならば著名な基幹病院をという具合だ。その上で、「当院を選んだ外科医は、幅広く外科医療に携わりたいのだろう。医師がやりたい仕事をサポートする体制が十分に整っているからだ」と亀田氏は言う。 

 同じく第3位の癌研有明病院も、「症例数」と「最先端医療」の2点で支持された。「癌専門病院なので、症例数はそもそも多く、最先端医療の導入も図っている。特に腹腔鏡手術は指導医も招いて、日本でも屈指の症例数を誇っている」と、同病院副院長で消化器外科部長の山口俊晴氏は話す。 

 興味深いのは、新潟市民病院と済生会熊本病院だ。投票者のすべてが「診療科の雰囲気がよい」を選んでいる。済生会熊本病院外科の水元孝郎氏は、「前任の外科部長は人柄が温厚で、部下にストレスを感じさせない職場づくりに尽力していた。この方針は、現在の外科部長にも引き継がれ、外科医が働きやすい環境が保たれている」と話す。 

 本調査の人気は、真の人気とはいえない部分もあろう。だが、外科医にとって、魅力ある病院の条件が浮き彫りになったのは確かだろう。 


〈調査概要〉 
日経メディカル オンラインに、「外科」「脳神経外科」「呼吸器外科」「心臓血管外科」「消化器外科」「小児外科」「その他の外科」のいずれかで登録する医師を対象に実施。期間は、09年3月5~16日。有効回答数は199人、回答者の平均年齢は42.3歳。 
回答方法●自分が働きたい病院、他人からの評判が高い病院を、3つまで記入(分かれば診療科も)。それぞれ、支持する理由を複数選択形式で聞いた。病院名の回答の際は、「地理的な制約、医局の問題は考えず、家族の理解も得られている」ことを前提とした。 
回答者の所属診療科内訳●外科:82人、脳神経外科:29人、呼吸器外科:24人、心臓血管外科:22人、消化器外科:36人、小児外科:1人、そのほかの外科:5人。