新城市民病院  改革委員会 報 告 (2006年3月30日)から 丸3年・・長かった改革への道のり!委員会報告の後 読売新聞が連載で危機報道してくれたが, とことん追い込まれないと出来ない改革であった・・・・医療圏超え病床融通 豊川、新城市が協力検討・・ 2008.12.21中日新聞報道に接しての感想です。 



 新城市民病院  改革委員会 報 告 (2006年3月30日)から 丸3年・・長かった改革への道のり!委員会報告の後 読売新聞が連載で危機報道してくれたが, とことん追い込まれないと出来ない改革であった・・・・医療圏超え病床融通 豊川、新城市が協力検討・・ 2008.12.21中日新聞報道に接しての感想です。    


①2006.05.07 東日新聞 
 改革委員会の答申を受けて、穂積市長を先頭に新年度から向こう2年以内に赤字経営からの脱却を目指して頑張っている。この再建への取り組みは、テレビ愛知の番組「ガイアの夜明け」で取り上げられる・・・ 

  

 ②[中部の医療]公立病院の危機(1)医師不足、赤字…存続に赤信号(連載) 
2006.07.03 読売新聞   
  

 愛知県奥三河の基幹病院・新城市民病院が存続の危機に立たされている。深刻な医師不足と4年連続の赤字で、4月から産科が休診、休日夜間診療ができなくなるなど、地域の救急医療態勢に赤信号がともっている。同市では専門家による諮問機関「市民病院改革委員会」を設置し、経営改善計画を5月末に公表、再建に向けて動き出した。 

 地上8階地下1階建ての同病院は、新城市ではひときわ目立つ威容を誇る。地域を代表する病院として、診療科目が20あり、病床も255床、人工透析センターなどの先端医療施設も開設されている。一時は1日1000人を超える外来患者が訪れ、県内有数の黒字病院として知られた。この病院が2002年ごろを境に、おかしくなってきた。診療報酬の改定などで収入が減少、02年度から赤字に転落したためで、05年度までの累積赤字は約6億円に達している。 

 さらに赤字による人件費抑制で、新規の職員確保が難しくなったうえ、一昨年から始まった新しい臨床研修医制度が追い打ちをかけた。医師を派遣していた名古屋大学などが医師を引き揚げ、人手不足による過重労働から辞める医師も出てきて、常勤医師が8人も不足する状態に追い込まれた。 

 こんな危機的状況に、同市では病院改革委員会を2月に設けたほか、委員長の長隆・総務省地方公営企業経営アドバイザー(65)からのアドバイスを受け、病院改革に着手。4月に新病院長を静岡県浜松市の引佐赤十字病院から、事務部トップの事務管理監に名古屋の民間病院の再建に手腕を発揮した医療法人の専務理事を招き、医師の確保などに動き出した。 

 ただ、急な医師集めは無理で、5月に休診していた婦人科の医師1人の補充ができただけ。内科や小児科の医師減により、休日夜間の急患は豊橋や豊川市など近隣の市民病院に任せるなど、地域の救急医療を担う公立病院の役目を果たせなくなっている。長さんは「災害時に匹敵する危機的状況にある」として、公設民営化も視野に入れた改革を提案したが、穂積亮次市長(53)は「地域の中核病院として機能するには、公立病院であることが不可欠」とし、病床利用率のアップなどで現状での再建をめざそうとしている。 

 同病院の再建について、鹿児島市立病院など各地の病院再建を手がけ、「こうしたら病院はよくなった」の著書がある川崎市病院事業管理者の武弘道さん(69)は「まず職員の意識改革。税金が投入されている病院であるとの自覚を持つことが大切」と指摘。医師不足は、医師の確保を大学病院に頼り、地域の医療態勢づくりを怠ってきたツケが回ってきた結果とし、「医師の評価制度を取り入れ、学閥を超えた医師採用をするなどの改革が必要だ」と話す。 



③[中部の医療]公立病院の危機(2)「新城余波」(連載) 
2006.07.09読売新聞   
  

 
◆救急患者が急増、悲鳴 

 愛知県奥三河の基幹病院・新城市民病院の危機は、近隣の公立病院へも大きな影響を与えている。中でも同県豊川市の豊川市民病院には、奥三河地区からの入院患者や救急患者の受け入れが急増し、慢性的な満床状態が続き、医師や看護師らへの過重労働などの問題も出ている。 

 同病院事務局によると、一般病床(339床)に入院した新城市の患者は昨年度4712人と、前年度比で約2・5倍(2809人増)に増えた。また、新城市消防本部の救急車で運び込まれた救急患者は、一昨年度の21人から、昨年度109人と約5倍で、今年4月には通常1~2%だった新城市の救急患者が、全体の10%を占めるまでになっている。 

 同病院では1997年度から病床利用率が100%を超え、ここ3年間は101%超と受け入れの限界を超える状態が続いている。 

 その中での新城市からの入院患者増で、最近では、満床を理由に救急患者を断る例も出てくるなど、新城市民病院の休日夜間診療中止などの余波が、豊川市民病院の大きな負担となってあらわれている。 

 同病院の武田寅二事務局長(60)は「新城市民病院の現状を考えれば、もっと患者を受け入れたいが、これ以上はスタッフの労働過剰になる」と悲鳴をあげる。 

 現在、豊川市民病院の医師は研修医も含めて88人いるが、今年1~4月には、医師12人が開業やほかの病院へ移るなどしている。関係者の間では「新城市民病院の危機による負担増が、よそに移る一因になっている」という。 

 一方、新城市の入院患者の受け入れは、新たな問題にもつながっている。新城市の入院患者は高齢者が多く、退院後、地元の老人施設などの受け入れ先がないという。受け入れ先が決まるまで退院できず、さらに満床状態が続くという悪循環にもなっている。 

 吉野内猛夫副院長(59)は「ベッドがもともと足りないうえ、さらに退院が遅れれば、新城市だけでなく、地元の患者受け入れもできなくなる」と危機感を募らせる。 

 1946年開設の豊川市民病院は、施設の老朽化と一般病床の満床状態などを解消するため、新築移転を検討し、移転候補地を公表した。しかし、新病院の開設は早くても5年後だ。中野勝之市長(65)は「病院の満床状態は把握している。少しでも早く、新病院の開設を図りたい」と話している。 

 東三河地区は豊川市民病院以外に、豊橋市民病院(一般病床866床)と蒲郡市民病院(同382床)がある。現状ではいずれも病床に空きがある状態だが、豊川が支えきれなくなれば、蒲郡や豊橋市民病院にも新城の影響が波及し、ドミノ倒し的な危機が押し寄せる可能性もある。新城市民病院の早期再建が望
まれる。 


 写真=救急車の到着が相次ぐ豊川市民病院の救急玄関。新城市からの患者も増えている 



④[中部の医療]公立病院の危機(3)「ダイナミックな再編不可避に」(連載) 
2006.07.17読売新聞   
  
 地域医療を支える公立病院の存続問題は、周辺病院への影響も含め、地元だけで解決できるものではない。愛知県新城市の同市民病院の危機などをきっかけに、同県では今年度から県医師会(妹尾淑郎会長)と協力し、公立病院の抱える課題である医師不足の解消や、県内の医療提供体制を見直すための対策作りに乗り出した。 

 先月16日、名古屋市中区にある同県医師会館で、同県が医師会に委託した医師確保全般にかかわる委員会が初めて開催された。県内4大学の医学部長や県医師会の川原弘久理事(65)らが出席、2時間余りにわたって議論が交わされた。 

 委員からは、新城市民病院などの現状を踏まえ、「一部の病院の機能低下が、結果として地域医療の崩壊につながりかねない」「地域での病院間の連携を模索すべきでないか」といった意見が出された。川原理事は、「簡単には結論や方向性は出せないと思うが、多くの医療関係者が重要な課題として公立病院の危機を認識することが大切だ」と、引き続き、県と県医師会などが中心になって、積極的に支援策の検討などに取り組んで行きたいと語った。 

 一方、県医師会では、牧靖典理事(65)を中心に、独自に県内の医療体制、特に公立病院のあり方の検討も進めている。 

 県が2004年度に調査した結果によると、県内の公立29病院のうち、純利益があったのは6病院だけで、さらにこのなかには、一般会計からの繰り入れがあるケースもあり、純粋な黒字病院は限りなくゼロに近い。「何とか経営を維持している公立病院を見つけるのは、わらの中から針を探すようなもの」と、牧理事は語る。 

 このため、現在、牧理事らは県内を11の医療圏に分け、公立・公的病院を再編する検討案を考えている。「少人数で診療している病院が散らばっている地区では、病院自体や診療科の再編・集約化を進め、効率のいい地域医療体制を作るとともに、医師不足などに備える必要がある」と語る。 

 公立病院の多くが総合病院の看板を掲げるが、「生き残るためには診療科を特化し、規模を縮小する必要もある」と、牧理事は指摘する。すでに集約化が必要と考えられる県内の公立病院をピックアップし、「これから詳しい調査をして、統合・集約のためのたたき台を作ろうと考えている」と話す。 

 ただ、病院再編は地元の抵抗に遭うなど困難がつきまとう。かつて同県尾張西部地区で、5病院を統合し、機能分担しようという動きがあったが、実現には至っていない。 

 「公立病院の医師不足などを解決するには、現状では地域医療体制のダイナミックな再編は避けて通れない。地域のメンツやエゴで医療体制を考えるべきでない」と牧理事は訴える。 


  


新城市民病院 改革委員会 報 告 書 

             平成18年3月30日 

<はじめに> 

新城市民病院は、市民に対して良質な医療サービスを提供する使命とともに、民間病院が行いにくい特殊医療を提供する義務を負う。 
その一方で緊迫した財政にあって「適正な利益を確保」した病院経営が求められている。 
新城市民病院は、ここ数年、業績が低迷している。医師確保の困難により、病院経営が行き詰まってきたのである。また、平成17年度末における現院長の退職により、病院運営は正に危機に瀕していると言っても過言ではない。 
近年は、少子高齢化の進行に伴い、地域医療圏での急激な高齢化や疾病構造の変化、医療技術の進歩や医療情報の普及などに伴い、今後の住民の医療ニーズを考慮すると、これまで以上に地域全体の医療機能を見直していく必要に迫られてきている。東三河地域全体の将来の医療計画の、県による大幅な見直しが求められているのである。 
東三河地域には、新城市民病院の他、豊川市民病院、豊橋市民病院、蒲郡市民病院、東栄病院と公営の診療所がある。同じ公的医療施設として地域医療における役割を果たしてきたが、医師の偏在により、利用率や経営数値にはかなりの差が生じている。新城市民病院は医師が不足し、地域医療の担い手として医療体制が縮小してきている。 
このような背景のもと、新城市長から病院の経営改革についての検討依頼を受けた有識者で構成する新城市民病院改革委員会は、平成18年2月からその具体策の検討に入った。地域における医療機関の機能分担と連携の確保を念頭に、医師の確保、救急医療のあり方を検討した。 
計3回にわたる会議での議論と、個々での検討を重ね、ここに結論を得たので報告するものである。 
この提言に示された方策を達成するためには改革が必要となる。改革は、病院だけでなく、東三河地域全ての関係者が「本気」にならなければ達成できないものである。市民の貴重な財産である新城市民病院の運営を今後も継続していくためにも関係者の真摯な取り組みを期待する。 
市民にも、市や病院に求めるだけでなく、市民としてこの病院存続のために何が出来るかを問いたい。 


 新城市民病院 改革委員会  委員長 長 隆