近江八幡市立総合医療センター  契約解除 解けた魔法~3回連載の2他 



『近江八幡市立総合医療センター  契約解除 解けた魔法~3回連載の2他  
〇八年六月の定例市議会で、槙院長はついに「今のPFIの下では仕事ができない」とぶちまけた。SPCは「性能のいい大衆車の水準を求められ、よくやっていると考える」と検討委で反論したが、市側にとって、SPCは不要な中間業者にしか見えなくなっていった。PFI解約に大筋で合意した後の記者会見。槙院長はさばさばと語った。「やっと足かせが外れた。これで前向きな議論ができる」 


驚くべき以下の事実が 公表された 

①近江八幡市は毎年、当面必要がない大規模修繕費一億五千万円をSPCに支払っている。井谷社長は「民間が受け取っても税務上、利益となり課税される。だから『市で積み立てておいた方が得策』と提案したが、市側は均等払いにこだわり受け入れなかった」と明かした。・・・何故こだわったのか?お金がないのに何故毎年払う事にしたのか?真実が徹底的に解明される必要がある!委員会には双方からその事実の説明がなかったのはなぜか? 

②市長の諮問機関「あり方検討委員会」から「ホテル並みの超豪華建築」と批判されたことに対しては「一床当たりの単価は二千五百万円で民間病院並み。災害拠点病院の機能も備えている」と反論した。・・・済生会や社会医療法人の単価(同じ400床で)は1500万である。』 


解けた魔法 近江八幡病院PFI解除(中)足かせ 収支、「どんぶり勘定」 
2008.12.26京都新聞  
  

 「近江八幡市は二〇一一年度にも夕張市のような財政再生団体に転落する」 

 近江八幡市立総合医療センター開院から一年余り後の〇八年一月、衝撃的な答申が冨士谷英正市長に提出された。 

 同センターは開院直後から資金繰りが悪化していた。旧市民病院時代の黒字経営から一転、金融機関からの一時借り入れでしのぐ事態が続いた。 

 開院直後の〇六年十二月に就任した冨士谷市長の諮問機関「あり方検討委員会」は、当面の年間支出額が約百十億円なのに、収入は約百億円にとどまると指摘。このまま借り入れを重ねると財政再生団体へ転落すると試算し、当初の収支計画を「どんぶり勘定」と切り捨てた。 

 冨士谷市長は「収入が不透明なのに、支払額が固定化されている」とPFI契約の甘さを問題視し、正木仙治郎副市長は「乾いたぞうきんを絞らなければならないのに、手元にない」と例えた。 

 特別目的会社(SPC)の調達金利がSPC利益分を含め5・37%と、2%前後の公的資金より大幅に高い点もやり玉に挙がった。 

 運営面では市とSPCのぎくしゃくが表面化した。 

 当初は、設備管理など周辺業務をSPCに任せることで、医師や看護師が市直営の医療業務に専念できると期待された。 

 ところが、公募で就任した市病院事業管理者の奥信氏が「冨士谷市長と考え方が違う」として〇七年三月に辞任。要求通り仕事が行われているか第三者を交えて点検するモニタリングは行われず、官民の連携効果は十分に発揮されなかった。 

 同管理者職務代理者の槙系院長は〇八年三月にリポートを公表、電子カルテシステムなどの業務を挙げ「契約で不明確な支出はすべて市側の持ち出しになる。将来のリスク負担が見えない」と不満を記した。「契約の『すきま』は民間側が埋めてくれると期待していたが、違った」 

 〇八年六月の定例市議会で、槙院長はついに「今のPFIの下では仕事ができない」とぶちまけた。 

 SPCは「性能のいい大衆車の水準を求められ、よくやっていると考える」と検討委で反論したが、市側にとって、SPCは不要な中間業者にしか見えなくなっていった。 

 PFI解約に大筋で合意した後の記者会見。槙院長はさばさばと語った。「やっと足かせが外れた。これで前向きな議論ができる」 


PFI解約に調印 近江八幡市の医療センター 市長『一つの山越えた』 
2008.12.26 中日新聞   
  

 【滋賀県】PFI(民間資金活用による社会資本整備)方式で運営する近江八幡市立総合医療センターについて、市とセンター、運営主体の特別目的会社(SPC)「PFI近江八幡」は二十五日、事業契約を解約する合意書に調印した。SPCが担当している医業以外の運営は、来年四月から市直営となる。計画段階を含めて全国に十二あるPFI病院で契約解除は初めて。 

 市役所で調印式があり、冨士谷英正市長、槙系(まきけい)院長、SPCの井谷守社長が出席した。 

 冨士谷市長は「一つの山は越えられた。病院を未来永劫(えいごう)残すレールに乗れたと思う」と話した。井谷社長は「(契約通り)三十年間続ける思いだったが、市の財政事情を考えやむを得ず受け入れた。PFIシステムに問題はない」と強調した。 

 調印により、事業計画は二〇〇九年三月末で全部解約される。市はSPCに違約金二十億円、建物の購入費百十八億円などを支払う。(松瀬晴行) 

    ◇ 
『方式と経営難因果関係ない』SPC側が主張 

「契約解除の主な原因は、収支の現状と近江八幡市の見通しが著しく乖離(かいり)したことにある」 

 調印の後、会見した特別目的会社(SPC)「PFI近江八幡」の井谷守社長と平山賢一取締役は、市立総合医療センターが経営難に陥った原因をこう説明し、「今後の病院PFI事業の推進に支障がないよう願いたい」と何度も訴えた。 

 市のずさんな当初計画に加え、元本や金利の支払い計画の甘さも露呈した。 

 市は毎年、当面必要がない大規模修繕費一億五千万円をSPCに支払っている。井谷社長は「民間が受け取っても税務上、利益となり課税される。だから『市で積み立てておいた方が得策』と提案したが、市側は均等払いにこだわり受け入れなかった」と明かした。 

 運営面では「当社に委託されている運営業務費用は、センター全体の16%にとどまる。PFI方式の採用と経営難に因果関係はない」と強調。市長の諮問機関「あり方検討委員会」から「ホテル並みの超豪華建築」と批判されたことに対しては「一床当たりの単価は二千五百万円で民間病院並み。災害拠点病院の機能も備えている」と反論した。 

 報道各社から「官と民の協働が感じ取れなかったが」「SPC側に責任はないのか」と追及されると、井谷社長は「私たちは病院を直接ではなくサポート運営する立場。医業はわれわれの分野でない」と主張。「建物の建設や維持管理、運営面は、市の要求に対し100%以上の成果を上げている」と繰り返した。(松瀬晴行)