長野県伊那市議会で小坂樫男市長は「世論の方向など、状況を見ながら経営の一本化考える必要がある」と 答弁・・・



『長野県伊那市議会で小坂樫男市長は「世論の方向など、状況を見ながら経営の一本化考える必要がある」と 答弁・・・医師不足の解消 地域医療を本気で守ろうという姿勢がないと言わざるを得ない。公立3病院の院長など医師中心の検討会の結論を議会にはかり その後住民に意見募集は必要に応じて行うべきである。世論の動向はないものねだりで収拾がつかず結果医師が呆れて大量立ち去りで 取り返しがつかなくなる。』 

  

地域医療をどうする(19)=岐路の自治体病院(3) 「集約化」論議足踏み 必要性分かるが… 
2008.12.14 信濃毎日新聞  
  

 「上伊那全体のため、三病院は経営統合すべきだ。そのリーダーシップが求められていると思うが、どうか」 

 十日の伊那市議会一般質問。こう迫る市議に対し、小坂樫男市長は「世論の方向など、状況を見ながら考える必要がある」とかわした。 

 上伊那地方は、伊那市など三市町村の組合が運営する同市の伊那中央、駒ケ根市など四市町村の組合による同市の昭和伊南総合、辰野町の町立辰野総合の公立三病院が地域医療の中核を担う。今年一月、小坂市長は医師不足など自治体病院を取り巻く環境変化に対応するため、「経営主体の一本化」を検討する考えを示した。 

 だがこの一年、経営統合や連携を話し合う場はなく、小坂市長の発言もトーンダウン。この日、市長は答弁で「昭和伊南には昔、『伊那中央何するものぞ』と盛況の時代もあった。一本化はなかなか言いづらい」とも口にした。 

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 総務省は、公立病院に改革プラン策定を求める通知で、病院の「再編・ネットワーク化」を促している。県などにも「“ミニ百貨店”の病院を各地で維持するのは難しい。医療崩壊を防ぐために集約化は避けられないだろう」(宮沢茂・伊那保健所次長)といった見方がある。 

 では、どの病院に何を集約していくべきか。 

 伊那市立の病院を前身に、二〇〇三年春設立された伊那中央は、三病院の中で規模が最も大きく、施設も新しい。経営は楽ではないが、策定中の改革プランでは黒字化のめどが付いている。昭和伊南が危機的な経営状態に陥っているのとは対照的だ。 

 常勤医師数で見ても、伊那中央は〇三年の三十八人が現在は六十三人に増加。一方、昭和伊南は三十五人が二十三人に、辰野は十五人が七人に減っている。 

 こうした現実を踏まえ、一部では既に「集約化」が進んでいる。産科・小児科の医師不足対策を話し合う県の検討会は昨年三月、上伊那地方の産科の拠点病院を伊那中央と決定。その後、信大は二人いた昭和伊南の産婦人科医を引き揚げ、うち一人は伊那中央に移った。 

 昭和伊南は生き残りに向け「機能分担」を模索する。産科などは伊那中央へ集約する一方、脳外科など自らの「得意分野」を重点的に引き受ける―との案だが、伊那中央関係者からは「経営統合でもしないと、病院間で医師の再配置を考えていくのは難しい」との声が漏れる。 

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 伊那保健所は八月、上伊那の病院関係者を集めた会議で、機能分担や経営統合を視野に入れた論議に踏み出すことを提案。担当者のワーキンググループ設置を呼び掛けた。だが、各病院は「首長の了解を得ているのか」と敏感に反応。「まだ早い」との声が相次いだ。その後、動きは止まったままだ。 

 昭和伊南を運営する市町村の間には、県への不信感も漂う。ある自治体の幹部は、昭和伊南の救命救急センターについて県の評価委が今年九月、「機能不十分」と報告したことを挙げ「県の主導で産科医の引き揚げが決まり、今度は医師不足で救急も不十分、と言われるのは納得がいかない」と反発する。 

 多くの関係者が口にする再編・連携の必要性と、自治体の複雑な事情。「個々の力だけで事態の打開が難しいことは、分かっている」。駒ケ根市の杉本幸治市長はそう認めつつも「ただ現在、市民は経営統合や再編を望んでいない」と付け加えた。