鹿児島市立病院 上津原甲一病院長 PFIや民間委託は一つの手法だが、私自身は導入する気持ちはない。企業側が利益を出せても、受け皿となった病院は事業費の支払いに苦労している現状が見受けられる。医療の原点を見失わず、利益が出れば職員研修や機器の導入にあてるなど、常に患者さんに還元する姿勢を貫きたい・・・

 鹿児島市立病院

『鹿児島市立病院 上津原甲一病院長 
PFIや民間委託は一つの手法だが、私自身は導入する気持ちはない。企業側が利益を出せても、受け皿となった病院は事業費の支払いに苦労している現状が見受けられる。医療の原点を見失わず、利益が出れば職員研修や機器の導入にあてるなど、常に患者さんに還元する姿勢を貫きたい・・・PFI SPCは配当しなければならない。 株主への配当を義務ずけられるPFIシステムへの痛烈な批判 ・・・ ただし1床4000万超では起債同意されない 2000万以下にしていただく事になろう』 


鹿児島市議会個人質問/新市立病院、PFI導入せず 
2008.12.11 南日本新聞   
  

 鹿児島市立病院の上津原甲一病院長は十日の市議会本会議で、上荒田町の日本たばこ産業(JT)工場跡地に移転する新市立病院について、民間資本やノウハウを活用するPFI方式を導入しないことを明らかにした。平山孝議員(共産)の質問に答えた。 

 上津原病院長は、滋賀県近江八幡市のPFI方式で運営している市立病院が直営方式へ転換する方針としたことに関連し「PFIによる病院運営の困難性や課題が指摘されている。これまでの実績なども勘案し、新病院では現行の運営形態を継続したい」と述べた。 

 松尾誠議員(公明)がただした新病院整備の専任組織については、「組織立ち上げなどを市長部局とも協議し、今後検討したい」と述べた。 


企画[ここが知りたい]鹿児島市立病院、15年度にも移転/効率より患者第一=上津原院長に聞く 
2008.05.04南日本新聞   
  

 総事業費三百十六億円をかけ移転・新築にのぞむ鹿児島市立病院。転換期のかじ取りを任された上津原甲一院長(66)に新病院建設への思いと、今後の病院運営の方針について聞いた。 

 ―基本構想・計画には理想を盛り込めたか。 

 「鹿児島市だけでなく県内の急性期医療を担う中核的病院として、患者の利便性向上や高度医療の提供ができる仕組みをできる限り取り入れた。計画策定段階では、採算性の高い診療科だけに特化すべきという意見を受けたこともあったが、地域医療を担う上でそれはできないと反論した。患者を複合的に診断することができなくなり、医療に谷間をつくることになりかねないからだ」 

 ―これまでなぜ黒字経営を続けてこれたのか。 

 「交通の便や、市内に五百床以上の病院が市立病院と鹿児島大学病院しかないという『地の利』がある。臨床研修制度で全国から研修医が集まってくるため安定したマンパワーを確保できることや、職員の熱意によるものも大きい」 

 ―今後多額の事業費を負担していくことになり赤字経営が懸念される。 

 「開院後数年間は純損失が続き年度末の資金残高も減るが、何とか自力でやっていけると思う。ただ、経営状況は国・県の制度改正や補助金削減などによっても大きく左右されるので、自治体病院が役割をしっかり果たせるような体制を整えてもらえるよう要望していきたい」 

 ―念願のヘリポート建設も盛り込まれた。 

 「離島を抱える鹿児島はヘリポートの整備が急務と考える。県内の救命救急を担う立場として県や医師会などと十分連携していく」 

 ―新病院と交通局の間に建設が予定されている新施設についての見解は。 

 「市長部局の考えがあるのではっきりしたことは言えない。病院としては施設をつくるよりライフラインを整えた公園を設け、災害時に避難者を集められるような場所にできないかと考えている」 

 ―全国の自治体病院の中には民間ノウハウを活用するPFI方式や、指定管理者制度を導入するところも出てきた。 

 「PFIや民間委託は一つの手法だが、私自身は導入する気持ちはない。企業側が利益を出せても、受け皿となった病院は事業費の支払いに苦労している現状が見受けられる。経営効率ばかりを論じるのは疑問だ。医療の原点を見失わず、利益が出れば職員研修や機器の導入にあてるなど、常に患者さんに還元する姿勢を貫きたい」 

 ●うえつはら・こういち 鹿児島大学医学部卒。東京女子医科大学脳神経外科助手、鹿大脳神経外科講師を経て1988年、県立大島病院長。90年から鹿児島市立病院で脳神経外科部長、同副院長。2005年から現職。 



08年秋以降に設計委託/鹿児島市立病院600床5万平米 
2008.02.07 建設通信新聞   
  

 鹿児島市は、新市立病の基本構想・基本計画案をまとめた。病床数は600床、延べ床面積は5万m2程度の規模を基本とする。パブリックコメントを経て、2007年度末までに基本計画を策定する。08年度は、庁内に検討組織を設置して設計の委託方法を決め、下期に設計を委託する。PFI事業はなじまないと判断している。 

 新病院は、上荒田町の日本たばこ産業(JT)跡地に移転する。基本構想・基本計画の策定は、策定委員会を設置するとともに、作成業務を病院システムが担当している。計画案によると、安全安心で、環境に配慮した病院とし、救命救急、成育医療、脳卒中の専門医療センターを備える。 

 病床数は600床、1床当たりの面積は80-85m2、敷地面積は4万5000m2を基本とする。延べ床面積は4万8000-5万1000m2を想定している。延べ5万1000m2を前提条件とした事業費は、用地費54億円、建設費や器械備品などの購入費252億円を含め、総額316億円を見込む。 

 整備スケジュールは、08-11年度に設計、12-14年度に工事、開院準備を進め、15年度の開院を想定している。