JA栃木厚生連塩谷総合病院(栃木県矢板市)一時閉鎖の可能性・・・矢板市幹部は「無責任としか言えない」と怒りをあらわにした。また、「高く売りたいといった損得勘定が優先していて、地域医療の責任の重さがわかっていない・・・



『JA栃木厚生連塩谷総合病院(栃木県矢板市)一時閉鎖の可能性・・・矢板市幹部は「無責任としか言えない」と怒りをあらわにした。また、「高く売りたいといった損得勘定が優先していて、地域医療の責任の重さがわかっていない・・・再生プランでは役割分担・機能を明確にする事が最優先。医師数や病床数ありきでは 済生会の理解を得られない』 



塩谷総合病院 移譲先なければ閉鎖も 債務超過3億1600万円=栃木 
2008.12.12 読売新聞   
  

 ◆JA厚生連会見 

 JA栃木厚生連塩谷総合病院(矢板市)の経営移譲問題で、同厚生連の鈴木宗男理事長が11日、経営撤退を打ち出した今年1月以降、初めて記者会見し、厳しい経営状態を説明した。ただ、移譲交渉については「県に仲介をお願いしている」と述べただけで、条件や見通しには触れず、移譲先が決まらなかった場合、来年4月以降の一時閉鎖の可能性も示唆した。 

 鈴木理事長は、経営難に陥った最大の理由として、2004年度からの新臨床研修制度の影響などによる医師不足を挙げた。大学病院から派遣されていた医師の引き揚げが進み、05年度に28人いた常勤医は、06年度に21人に減少し、今年8月時点で13人。医師不足に伴い、患者数も減少し、05年度には約1億4000万円の利益を上げていたが、06年度は約2億円の赤字に転落、07年度も2億4000万円の赤字で、今年度は上半期だけで4億2000万円に赤字が膨らんだという。 

 鈴木理事長は、同厚生連が現在、塩谷総合病院の建設費などで39億円の有利子負債を抱え、3億1600万円の債務超過状態にあることも明らかにした。職員109人、約4億3000万円の退職金支払いの先延ばし、役員報酬の辞退などで資金難をしのいでいるものの、県が12月県議会に提案している3億円の無利子融資がなければ年明けにも運転資金が足りなくなるとの見通しを示した。 

 移譲交渉は、県が仲介して済生会宇都宮病院を軸に進めているが、鈴木理事長は、移譲先が決まらなかった場合、「(病院の一時閉鎖の)可能性は排除できない」と述べた。 

 厚生連では、これまで公の場で病院の経営について説明することを避け続けていたが、県から融資を受けるにあたり説明責任を求められ、ようやく重い口を開けた形だ。報道陣からは、地元への説明不足や、鈴木理事長の経営責任について質問が相次いだ。これに対し、鈴木理事長は「地域の皆さんに厚生連の現状が十分に伝わらなかったことは一つの反省だ」、「当面課せられた責任は、移譲を一日も早く解決し、地域の皆さんに安心していただくことだ。ただ、こうした状況になり、私の経営能力に不足があったと自覚している」と答えた。 

 ◆地元医師会、病院存続へ努力 常勤医ら「再生プラン」提出 

 塩谷総合病院に勤める医師や地元医師会などは、病院存続に向けて努力を続けている。同病院のある医師は「今年度限りで退職を決めている医師もいる。早急に結論を出してもらわないと、残りたい医師も残れなくなる」と悲痛な気持ちを訴える。 

 同病院の常勤医のうち5人が中心になり、今月初め、現在の規模の3分の1程度に縮小して診療・救急機能を維持するという「再生プラン」を済生会に提出した。プランは、〈1〉内科医、外科医など常勤医5人が残り、済生会から内科医2人の応援を受ける〈2〉病床数は現在の一般病床250床、療養型50床を計110床に縮小する--という内容。 

 地元の矢板市医師団や塩谷郡市医師会は協力姿勢で、同医師会の尾形直三郎会長は「地元の医師が診療に協力する考えも持っている」と話す。 

 ただ、プラン作成にかかわったある医師によると、済生会側からは「プランは受け入れられないとの回答が内々にあった」という。 

 ◆矢板市幹部「無責任」 

 鈴木理事長が記者会見で、病院の一時閉鎖の可能性に触れたことに、矢板市幹部は「無責任としか言えない」と怒りをあらわにした。また、「高く売りたいといった損得勘定が優先していて、地域医療の責任の重さがわかっていない」などと非難した。 


 ◇塩谷総合病院の収益の推移 

2005年度  1.4億円 

  06年度   ▼2億円 

  07年度 ▼2.4億円 

  08年度  (上期のみ) 

       ▼4.2億円 

        (▼は赤字)