長崎市立市民病院と日赤長崎原爆病院の統合問題・・ 箱の議論は禍根を残す!医師にとって魅力のある病院の議論こそ最重要でありそれに尽きる。 箱を決めるのは 知事でも市長でも議員でもない。



『長崎市立市民病院と日赤長崎原爆病院の統合問題・・ 
箱の議論は禍根を残す!医師にとって魅力のある病院の議論こそ最重要でありそれに尽きる。 箱を決めるのは 知事でも市長でも議員でもない。 
医師 すなわち 長崎医大の考えを100%入れるのが当然である。一九九三年から十五年間かけて議論し、現在地建て替えの計画をまとめたことが 医師確保よりも優先であると言うのか。 
長崎市は戦艦大和の出撃か?米英の力を知らず開戦した太平洋戦争の愚を繰り返すことになろう。陸軍参謀本部に米英に留学した人間の発言権がなかった。 
医師が勤務したい病院のあり方を知っているのは医師のみである。 
長崎市 の病院建設担当職員に医師は何人いるのか? 
事務職員が過半数であれば 悲劇になる事は間違いない。 
長崎市はPFIの惨憺たる情況を承知の上更に 総務省の警告も無視して 何故PFIを採用するのか説明していない』 
  

ながさきインサイド/報道部 徳永英彦/長崎市の高機能病院問題 依然先行き不透明 
2008.12.07長崎新聞   
  

 長崎市立市民病院(新地町)の現地建て替え計画を進める長崎市に対し、県と長崎大が市民病院と日赤長崎原爆病院(茂里町)を統合して新たに高機能病院を建設するよう提案した問題は、市が拒否したためいったんは頓挫した。 

だが、「その後いろんな方面から、(高機能病院は)必要だと言われた」金子知事が、田上市長に再度協力を要請。市長は「実現可能性を検討したい」と応じた。 

今後、県との事務レベルの協議を経て、市は来年二月定例市議会で検討結果を報告する。 
新たな局面に入ったとの見方もあるが、開会中の市議会では県への厳しい批判が相次ぐなど、先行きは依然不透明だ。 

議論の前提として、県と市の案にはどんな違いがあるのか-新病院の在り方を探った公立病院改革プラン検討協議会や、市議会、県議会、記者会見などでの関係者の発言、資料などを基に整理する。 

◎施設規模/「マグネットホスピタル」目指す 

県、長崎大の主張 

 機能、規模の似通った市民病院と長崎原爆病院を統合し、公立病院で担うべきがん、脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)、糖尿病の四疾病と、一般救急、災害、周産期、小児、離島へき地の各医療五事業に特化、救命救急センターをはじめ高度な医療を提供する。被爆特定疾患の専門的治療も受けられ、被爆者にとっても有益。高機能病院の基本である救命救急センター設置には診療科が二十科、最低百人の医師が必要。経営上も六百床は確保すべきだ。 

 患者や医師、看護師を引きつける魅力のある「マグネットホスピタル」とするには、市の計画では機能、規模が不十分。 

 市の主張  

 救命救急センターの設置、教育・研修機能の整備は市の計画に盛り込まれており、県と同様マグネットホスピタルを目指している。県の計画とは規模による違いはあるが、医療機能は市計画でも十分対応できる。病床数は目安であり、医療情勢の変化に応じて一定の増床も検討する。欲を言えば大きな病院がいいが、市の計画が不十分ということはない。 

◎建設場所/現在地建て替えか長崎駅裏か 

県、長崎大の主張 

 現在地は建物の高さ制限などもあり、高機能病院を建設するには狭い。新たにJR長崎駅裏のJR貨物所有地と県有地を確保する。十分な敷地面積があり、更地なので自由に設計できる。現在地建て替えよりも早期完成が可能。 

 県が責任をもって用地交渉に当たる。知事が既にJR貨物の会長、社長に直接協力を求めており、近く本格的な価格交渉に入る。取得費用については、県が応分の負担をする。 

 市の主張  

 一九九三年から十五年間かけて議論し、現在地建て替えの計画をまとめた。 

 長崎駅裏も候補地に挙がり、市が二〇〇五年に用地交渉をしたが地権者に売却の意思がなく、スケジュールの都合もあって断念した経緯がある。県は確実に用地を確保できるのか、また県の応分の負担とは具体的にどの程度か、仮に場所を変更すれば事前調整に時間を要し、二〇一三年度の開業がずれ込むのではないか。 

◎新病院の在り方/救急医療、医師確保など課題 

 県、長崎大の主張  

 (妊婦が東京都内八病院で受け入れを断られ、出産後に脳内出血で死亡した)墨東病院の例をはじめ、救急医療および医師の確保は全国的に喫緊の課題だ。 

 二〇〇四年度の新臨床研修制度施行以来、長崎大でも研修医のマッチ率(募集定員に対する実際の研修医の割合)が、従来の八割超から四割に落ち、多くの離島・へき地を抱える本県の医療は今後、医師不足から危機的な状況に陥る恐れがある。また、県内にはがんセンター、循環器病センター、呼吸器病センターなど高機能病院がなく、救命救急センターが一カ所しかないのは本県を含め全国で五県だけ。 

 これらの問題を解決するには県内で多くの医療人を育成するのが急務で、そのためには長崎大医学部卒業生が高度医療、先端臨床医学を学べる高機能病院が不可欠。病院、病床の効率的な統合などにより、特定機能医療、高度専門医療、一般医療の各医療機能を分類、強化することが県全体の医療向上につながる。市民病院の建て替えを機に、協力してほしい。 

 市の主張   

 新市立病院の建設計画は老朽化、狭隘(あい)化した市民病院と成人病センターを廃止、統合し、救急医療の充実、地域医療従事者の教育支援、地域医療の連携強化を目的としており、県の目指す方向性と同じ。 

 これまでは長崎市民の医療確保の観点で計画を進めてきたが、県全体の医療上の課題を踏まえた県の新たな提案なので、内容を検証する。新病院の建設時期、三病院統合に対する市民の理解、新たな建設地の取得費用、市の安定的な医療確保、安定的な経営が可能か、など十分な検討が必要。特に市民や被爆者がどう受け止めるかは大切な視点だ。また、二〇一三年度の開業は譲れない。 

◎運営方法と収支/「公設民営」か「公設公営」か 

 県、長崎大の主張  

 合併特例債など国の交付税措置のある起債を最大限利用して新病院を建設し、日赤長崎原爆病院が指定管理者(※1)として運営する「公設民営」。 

 指定管理者が毎年、施設使用料として市に負担金を納めることにより、病院建設や医療機器購入などに伴う市の借金と、それに対する交付税措置との差額を相殺でき、市の実質的な財政負担はゼロとなる。現在行われている市の一般会計からの繰り出しはなくなり、経常黒字の場合は一部を市に還元できる。 

 市の要請があれば、一部事務組合方式により県と市が共同運営し、県が運営費の一部を負担する。 

  市の主張 

 市の計画は地方公営企業法全部適用(※2)の「公設公営」だが、より効率性、機動性が必要とされるため、独立行政法人(※3)化を検討する。建設費を抑制するため、民間資金を活用するPFI方式(※4)を採用。 

 市は入院単価を非常に厳しく見積もった上での収支予測で、県の単価で計算すると黒字になる可能性はある。現在市民病院は黒字経営であり、経営悪化に対応する指定管理者制度の導入は目の前の問題ではない。仮に導入するとしても、公募制を取らざるを得ない。 

◆ことば 

 ※1 公の施設をより効果的・効率的に管理運営するため、自治体の条例に基づいて指定を受けた団体。 

 ※2 採算性を確保するため、首長が任命する事業管理者が経営に関する権限を持ち、責任を負う。職員は公務員。 

 ※3 ※2同様事業管理者が経営責任を負うが、議会による予算、決算審査がないなど、より経営の自由度が高い。職員は公務員型と非公務員型がある。 

 ※4 民間の資金や経営能力を活用し、公共施設の建設、管理運営などを行う。 

▼これまでの経過 

 1993年3月 市民病院と成人病センターを廃止し、新たな市立病院を設ける「新市立病院建設基本構想」を策定 

 98年3月 市立病院基本計画策定 

 2005年10月 新市立病院建設地検討委員会が、「現市民病院用地」「常盤・出島地区」「JR長崎駅周辺」の3候補地のうち、「長崎駅周辺」を適地とする報告書を市長に提出 

 06年8月 市が長崎駅周辺を断念し、建設地を「現市民病院用地とその周辺地区」に決定 

 08年4月25日 長崎大医学部長が、原爆病院との統合による高機能病院設置を求める要望書を市長に提出(5月2日は知事に提出) 

 8月5日 公立病院改革プラン検討協議会初会合 

 10月16日 同協議会が市民病院、市成人病センター、原爆病院の再編統合を市に求めるとの報告書を取りまとめ 

 10月28日 金子知事は定例記者会見で「あくまでも市の判断。市がこの(市の計画)ままいくと言ったら、私たちはもう何も申しません」と述べ、再編統合の断念を表明 

 10月29日 同協議会が市に報告書を提出。県は再編統合を市に提案したが、市長は事実上拒否 

 11月20日 金子知事が県の支援策をまとめ、田上市長にあらためて協力を要請。市長は「内容を検討して返事したい」と述べた