茨城県筑西市民病院, 病床利用率34%, 昨年4月には15人いた常勤医は派遣元の病院に戻るなどして現在は8人。このため,173床あったベッドのうち今年稼働しているのは,60床だけになっている・・・止むを得ない民間委譲



『茨城県筑西市民病院, 病床利用率34%, 昨年4月には15人いた常勤医は派遣元の病院に戻るなどして現在は8人。このため,173床あったベッドのうち今年稼働しているのは,60床だけになっている・・・止むを得ない民間委譲』 


筑西市民病院、民営化へ 移譲先など検討 来年度にも /茨城県 
2008.12.04朝日新聞   
  

 医師不足などから経営難に陥っていた筑西市民病院について、同市の冨山省三市長は3日の12月定例市議会で、同病院を来年度にも民営化する方針を示した。副市長を委員長にしたプロジェクトチームを発足させ、移譲の条件設定や移譲先の選定などに取り組む。移譲先に対しては、患者や周辺の医療機関にしわ寄せが生じないよう、診療所などでは扱えない患者らを対象とした現行の「2次医療」を担うよう求めるとみられる。赤字に悩む県内の自治体病院にも影響を与えそうだ。(金森定博) 


 市は9月に市議会の市民病院評価等特別委員会が提示した(1)病院に新たな管理者(経営者)を置き人事や給与などの権限をゆだねる地方公営企業法の全部適用と(2)民営化、の2案を検討してきた。3日の市議会や報道陣に冨山市長は、地方公営企業法を全部適用しても医師の確保は困難で、市からの資金注入がないと赤字のままだとの理由を述べ、「市民へ適切な医療を安定的に提供していくためには民営化という選択肢を取らざるを得ないと判断した」と述べた。 

 プロジェクトチームは12月議会終了後に立ち上げ、引き受け手を探す。ただ、民営化された筑西市民病院が現行の医療形態を大幅に変更すると、県西総合病院や協和中央病院など、筑西同様に2次医療に携わる周辺病院の負荷が増大する懸念がある。 

 地元の真壁医師会も「民営化しても市民が困ったときに利用できる2次医療を担う形態が望ましい」(大圃弘会長)としており、移譲先の選考には2次医療の続行を考慮するとみられる。 

 市民病院は07年度末で27億6千万円の累積赤字を抱え、今年度も7億7千万円を一般会計から病院会計に繰り入れる。 

 経営不振の背景には深刻な医師不足問題があり、昨年4月には15人いた常勤医は派遣元の病院に戻るなどして現在は8人。このため、173床あったベッドのうち今年稼働しているのは、60床だけになっている。 


 ●経営見直し進む 公立病院、赤字拡大 

 筑西市民病院を含め、自治体が運営する県内の7病院のうち、村立東海病院を除く6病院が累積赤字を抱えている。北茨城市立総合病院が24億3千万円、県西総合病院が15億4千万円の赤字計上と、筑西以外にも厳しい経営の公立病院は多い。 

 いずれの病院も、医師不足で経営は悪化した。新卒医師が2年間の臨床研修を義務づけられた04年度以降、人手不足に陥った大学の医局は地方の病院から医師の引き揚げ始めたのだ。 

 県市町村課によると、医師不足と共に病床利用率も下がり、07年度の7病院の同利用率は約49%。膨らんだ病院の赤字は市町村の財政にのしかかるため、各市町村は病院の管理を民間に任せる「指定管理者制度」に移行するなど、経営形態の見直しを進めた。東海病院は06年5月、小美玉市医療センターは今年4月から同制度を導入。笠間市立病院なども導入を検討しているという。県内での最近の病院民営化は、茨城町国保病院が06年4月に病院経営を民間委譲していた。