高知医療センター 重大局面に・・・ビックスリーと同じ運命をたどる事になるのか・・・  「高知県・高知市が倒れかけているのに、SPCは自社のもうけしか考えないのか」「運命共同体の意識がまったく感じられない」。議員はあきれ返り、不信感に拍車を掛けた。



『高知医療センター 重大局面に・・・ビックスリーと同じ運命をたどる事になるのか・・・  「高知県・高知市が倒れかけているのに、SPCは自社のもうけしか考えないのか」「運命共同体の意識がまったく感じられない」。議員はあきれ返り、不信感に拍車を掛けた。 
滋賀県近江八幡市でPFI病院の契約解除の方針が明らかになり、企業団議会の議員の一人は「(SPC側の)協力姿勢が見られなければ契約解除にもなりかねない」と通告した』 


高知医療センター 収支改善 視界開けず  企業団 PFI委託先と深い溝 
2008.12.02高知新聞   
  

 全国初の病院PFI事業を取り入れて華々しく船出した高知医療センター(高知市池)が、開院四年目にして大きな転機に直面した。慢性的な赤字体質を改善できず、平成二十年度末に巨額の資金ショートに陥ることが確実になった。運営する県・高知市病院企業団は収支均衡へ不退転の覚悟を示すが、その達成に不可欠なPFI事業のパートナー、SPC(特定目的会社)ともいまだに一枚岩にはなれず、経営改善への視界は開けていない。(医療センター取材班)=1面参照 

  ■「もう限界」 

 「経営状況は重大、かつ深刻」。一日の病院企業団議会。山崎隆章企業長は危機感をあらわにした。 

 積み立てている退職引当金などにまで手を付ければ病院事業が止まることはないが、民間企業なら存廃の瀬戸際。県、市から運転資金の借り入れが認められなければ経営破たんだ。 

 同センターは十七年の開院以来、毎年二十億円前後の赤字を計上。うち大半は現金支出を伴わない減価償却費だが、十八年度以降の赤字額は当初計画より四億円程度多めに推移し、資金不足を補うための内部留保をついに食いつぶした。 

 公立病院の宿命でもある採算性の悪さを割り引いても、「PFI事業がほとんど効果を発揮していない」。県議、市議で構成する企業団議会議員らは語気を荒らげる。 

 サービス向上と経営効率化の両立をうたったPFI事業。医療機能面では一定評価されているものの、材料費の高止まりに一向に改善はみられず、契約時にSPCが示した業務提案項目の26・5%が未達成だ。 

 企業団は看護体制、地域連携医療の面から増収策を探り、医業収益を毎年伸ばしてはいるが、「今のスタイルではもう限界」(企業団幹部)。企業団内には手詰まり感が漂う。 

  ■「初めて見た」 

 こうした危機的状況に加え、国から公立病院改革を迫られ、企業団が打ち出したのが二十三年度までの黒字化を目指す改革プラン。 

 「これだけは絶対やる」。山崎企業長は「後はない」と、かつてない決意をにじませた。 

 内容は、三年間で十一億円の増収を見込む一方、費用八億円を削減し、計十九億円の収支改善を図る。費用のうちSPC側に削減を求めるのは六億円。SPCに支払う委託費、材料費などは年七十億円前後に上り、二十三年度時点でその一割の圧縮を求めた。 

 「初めて拝見した」。企業団が改革プラン内容を報告した協議会で、同じ執行部席に座るSPCの間渕豊社長はそう言い放ち、「(企業団が求める)業務水準を維持するには、これだけの委託費削減は難しい」。一心同体であるべき両者間の溝の深さがあらためて浮き彫りになった。 

 「本体が倒れかけているのに、SPCは自社のもうけしか考えないのか」「運命共同体の意識がまったく感じられない」。議員はあきれ返り、不信感に拍車を掛けた。 

 企業団側はSPCの中核企業であるオリックスグループに改革プランへの協力を強く働き掛けているというが、その対応によっては、二十一年度予算編成の見通しすら立たなくなる。 

 くしくもこの日、滋賀県近江八幡市でPFI病院の契約解除の方針が明らかになり、企業団議会の議員の一人はこう“通告”した。「(SPC側の)協力姿勢が見られなければ契約解除にもなりかねない」 


高知医療センター 本年度末7億6000万円不足  県、高知市に援助要請へ 
2008.12.02 高知新聞   
  

 高知医療センター(高知市池)を運営する県・高知市病院企業団(山崎隆章企業長)は一日の企業団議会の議員協議会で、平成二十年度末に七億六千万円余りの資金ショートに陥る見通しを明らかにした。企業団は構成団体の県と高知市に資金援助を要請する方針を示し、併せて二十三年度までの単年度黒字化を目指す改革プランの方向性を説明したが、開院から四年目で早くも資金繰りが行き詰まった事態に、県市や両議会から抜本的な経営改善要請が一層強まるのは必至だ。(3面に関連記事) 

 同企業団が示した二十年度病院事業会計決算の見込みによると、二十年度は入院・外来収益とも前年度に比べて伸びているが、当初想定より約四億六千七百万円のマイナスで、懸案の材料費圧縮も依然として進まず、約二億七千三百万円増加。赤字額は当初見込みより約八億九百万円膨らみ、約二十一億七千五百万円に上る。 

 このため二十年度に繰り越していた約三千八百万円の内部留保資金では対応できず、約七億六千二百万円の資金不足の発生がほぼ確実な状況という。 

 山崎企業長は「経営状況は重大かつ深刻な事態」とし、年度末に向けて収益増の努力は続けるものの「県と高知市に長期の貸付金をお願いしなければならない」と述べた。 

 一方で、策定中の改革プラン(二十一―二十三年度)の取り組み方針を説明。 

 国から求められている黒字化に向けて、入院・外来患者数を伸ばすなどして単年度事業収益を十九年度(約百五十八億三千五百万円)比で約十一億円アップ。一方でPFI事業の委託先であるSPC(特定目的会社)に計六億円の材料費や経費の削減を求めるなど、約八億六千五百万円の費用を削減し、二十三年度に約七千三百万円の黒字を達成する―とした。 

 同センターは十七年三月開院。診療単価は入院・外来とも伸びているが、病院建設や医療機器購入に伴う減価償却に加え、材料費の比率が見込みより高止まりしている状況などから、毎年度二十億円前後の赤字が続いている。(浜田成和)