麻生総理の医師不足に対する認識が、政府与党の共通認識でないことを、具体的に示してもらう必要がある。 年内に公表される、公立病院の不採算地区に対する財政支援策では無制限に措置されるべきである。


『麻生総理の医師不足に対する認識が、政府与党の共通認識でないことを、具体的に示してもらう必要がある。 
年内に公表される、公立病院の不採算地区に対する財政支援策では無制限に措置されるべきである。 
鳩山総務大臣も陣頭指揮で産めない、育てられない多くの地方を応援して欲しい。 
国会マターではなく 総務省の懇談会の答申が実質的に財政支援措置(交付税配分)を決めるからである。』 


「医師は常識欠落」 麻生さん「失言」では済まない 
 毎日新聞 社説2008年11月20日 

全国都道府県知事会議で医師不足への対応を問われた麻生太郎首相が「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医者の確保は大変だ。 

(医師には)社会的常識がかなり欠落している人が多い」と述べた。 
地方の医師不足の原因が医師側にあることを指摘したかったとみられるが、乱暴な発言だと言わざるを得ない。これには医師の団体だけでなく、首相を支える政府・与党からも批判や苦言が相次いだ。異例のことである。 

 麻生首相はさらに「(医師不足が)激しくなれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないのか。お医者さんを『減らせ、減らせ』と言ったのは、どなたでしたかという話も申し上げた」と追い打ちをかけた。 

 医師の団体が医師抑制を働きかけたことは事実だが、それを後押ししたのは自民党だった。 

医師不足を医師側の責任と主張するのなら、客観的な事実を示すべきだ。 

自らの病院経営の中で感じたことを話したのだとすれば説得力がない。首相発言は医師不足の現状を打開する手がかりになるどころか、混乱をもたらすだけだ。こういう発言こそ「社会的常識」を欠いたものと指摘せざるをえない。 

 麻生首相は同知事会議の後、記者団に「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、申し訳ありません」と釈明、発言の翌日、首相官邸を訪れた日本医師会の唐沢祥人会長に対し「言葉遣いが不適切であり、撤回したい」と陳謝した。一日で撤回に追い込まれるような発言は二度とすべきではない。 

 言わなくてもいいことを軽々に口にし、医師不足にどう対応するのかという、国民が一番聞きたいことを言わないというのは、おかしい。これでは医療に対する国民の不安を取り除くことはできない。 

 医師不足を招いた歴史的な経過を踏まえて原因を分析し、具体的な解消策を示すのが政府の仕事である。麻生首相には発言を改めて謝罪し、医師不足対策の先頭に立ってもらいたい。妊婦が受け入れを断られて死亡した問題が起きるなど、医師不足の解消は直ちに取り組むべき問題だからだ。 

 人手不足で過重な勤務をしながら、現場で患者のために日夜働いている医師はたくさんいる。こうした医師らの努力を麻生発言が無にしてしまうことにならないか、心配だ。「失言」だと釈明して済む問題ではない。医師不足という「未曽有の危機」を麻生首相はどこまで理解しているのだろうか、と言いたくなる。 

 医師不足対策は緊急の課題である。国、都道府県、そして病院や診療所の医師らが足並みをそろえて動き出さないと、問題は解決しない。医師の理解と協力が何よりも必要なときに、あえて神経を逆なでするような不用意な言葉を投げつけてしまった責任は重い。