長崎県公立病院改革プラン検討協議会」の報告書を拝読して 2008年11月10日

 
「長崎県公立病院改革プラン検討協議会」の報告書を拝読して 2008年11月10日
① 総務省からの「公立病院改革ガイドライン」を受け、県独自で各地域医療圏について公立病院の「再編・ネットワーク化」及び「経営形態の見直し」に関し、公立病院設置市町村長あて提案されていることに対し、敬意を表します。 

② 「改革プラン」の最終決定者はそれぞれの病院の設置者ですが、県全体の地域医療計画を定めるのは県であり、県が積極的に地域医療のあり方について、調整や提案を行うことは大変重要なことといえます。 

③ 県全体あるいは2次医療圏全体を考慮し、限られた医療資源(人材、財政的負担等)を最大限有効に活用する方法として、再編・ネットワークがあります。個々の病院が自己の論理で経営するのではなく、連携や再編の中で医療圏域全体の医療水準を高め、医師も確保していこうとするのが、今回のガイドラインの考えのひとつといえます。 

④ 特に、長い歴史を有し、長崎県内の病院に医師を派遣している長崎大学医学部長が、医師確保の面からも、高機能病院の設置を提案されている意義は、大きいと思います。 

⑤ 細かいことになりますが、建設基本計画(案)に示されているような、他の自治体病院の面積や建築単価を並べ、それ以上の面積や単価を設定する手法は、自治体病院の建築費を高額に押し上げる大きな要因となっております。 

実際の建設に当っては、単に他の病院の面積や単価に合わせて、設計するのではなく、必要な機能は十分に、縮小していい部分は効率的に考え、本当に必要な面積を算出すべきと思います。 
また、建築単価についても、民間が自治体よりかなり低額で建築していることを考慮し、いろいろな合理的な手法を考えるべきと思います。 
 このことにより、一層収支計画などにゆとりが生まれ、医師の処遇改善や医療機器投資に回せる金額も多くなります。 
(高額な病院が必ずしも、機能が高く、使い勝手の良い病院とは限りません。建築業者の利益が多い病院であったかもわかりません)・・・ 長 隆

  

以下長崎県知事 2008年10月28日 記者会見(長崎県HPより) 

.長崎市民病院の建て替えについて 

〇記者(西日本新聞社) 長崎市民病院の件なんですけれども。県が明日、計画をまとめると思うんですが、長崎市の方は今の計画で進めようという立場にあるんですけれども。 

〇知事 明日夕方、田上市長に県としての、要するに今回の協議会(公立病院改革プラン検討協議会)での検討を踏まえて、県としての考え方を手渡す予定にいたしております。 
  
〇記者(西日本新聞社) その意見と溝ができているような形なんですけれども、市民病院の計画というのは以前からされていたことで、なぜ今というような声も市の方から出ていますけれども。 

〇知事 それは、総務省の新しい(公立病院改革)ガイドラインが出されたのが、去年の暮れなんですよね。私たちはそれから県内の全体的な公立病院の改革論を出さなければならないということになりましたので、いろいろ議論していく中で、長崎大学とか、そういったところからも、ああいった意見(医師確保のため「高度医療の研鑽と先進臨床医学の指導が受けられる病院施設の存在が不可欠」であり、そのための方策として「長崎市民病院と日赤長崎原爆病院の統合も視野に新たな高機能病院の建設」が必要とする意見)が出てきたわけですから。今まで市民病院が計画を持って進められていたということは私たちも十分承知しておりましたけれども。しかし、今回の場合は特別なこうした事情があるということと、もう一つは、市民病院の建設が予定された時に、今の医師不足とかいろんな問題があまり出ていなかったのではないかと思うんですね。ですからやはり医師の確保ということが、これからの病院経営の場合というか、運営していく場合は一番大事なことなんですね。公立病院も、民間病院も。 
  それから、お互いの機能分担、それぞれの役割を民間等も含めて果たしていくということを考えていった時に、協議会の中で議論された案が一番ベターではないかという意見が大多数を占めたと報告を受けました。 
  ですから、長崎市だけが、従来の流れがあるから非常に慎重論ですが、それ以外の人たちの意見としては、大体今までの、これからの流れの中では、こういった病院の必要性を非常に痛切に感じているという意見が多かったというふうに私は聞いています。 

〇記者(西日本新聞社) このまま意見が対立した場合は、県として対応は…。 

〇知事 あくまでも最終的には病院設置者が決めることですから、長崎市がもうこのままでいくと言ったら、私たちはもう何も申しません。 
  ただ、私たちはこれを機会に、長崎県民、市民のために、こういった将来を見越した新しい機能を持った病院をつくっておいた方がいいという考え方を持っておりますが、それを市の方では自分たちの考え方を通すということであれば、無理にやれというわけにもいかないでしょう。あくまでも設置者のお考えですから。 
  ただ、私たちが考えているようなというか、協議会が考えているようなものがあの地域でできるかというと、例えば、ヘリコプターを飛ばさないといけないんですよね。あそこは風致地域です。ある一種の。観光面とか。そういった地域でこれから考えているような理想的な病院をつくることができるかどうか。土地を買っているということについては、私たちもよくわかりますが、その土地の新たな活用策も、また改めて考えればいいのですが。 
  ですから、最終的にはやはり向こうが判断することだから、私たちは、こういうふうにして、こういうふうにやります、県としてもこういった協力をしますということは出しますけど、それを受けるか、受けないかについては、最終的には市側の最終決断に従って、冷静に。県がごり押ししているとか、大学病院がどうだこうだとかこの前から新聞に書かれていることをちょっと読みましたが、あんなことを議論していたら、本当に市民の病院、県民の病院のためになるかということを冷静に考えた方がいい。やはり研修医をどれだけ確保して、それにきちんと対応できるかということが、医師確保には大変大事なことなんですよ。今、研修医を本当に確保できているのは国立医療センターと長崎大学病院でしょう。市民病院は、ほとんどいないでしょう。新しい病院をつくる時にそれだけのことをできるだけの、要するに機能、そういったものを整えているかどうかということを冷静に考えた方がいいのではないかなと私は思いますが、あくまでも、さっきから言っているように、最終決定は長崎市ですから、長崎市の皆さん方が、やはり従来どおりということであれば、それは一つの考え方でしょう。 

○記者(NHK) 知事自ら田上市長を説得されるというご意思はないんですか。 

○知事 何回も会って話しているから。会うたびに考え方というのは。それを公にするか、しないかでしょう。私はこの方がいいのではないかという話をしていますので。言ってはいけないことだったかもしれないけれども、かえって、立場を公にしてやるということになると市長の立場もありますし。それは大変だと思います。議会で決めて、土地も買っていますし。ただ、土地に国の補助が入っていて、そういうこともクリアできるようにきちんと話もしていますし、いろんな問題点が全部クリアできるようにしています。ただ、病院の運営そのものの形態についても、市は公設公営でしょう。この(高機能病院の)場合は、もしかしたらそうではないかもしれないし、なかなかその辺の絡みがあって難しいところもあるかもしれない。これはやはり市長さんを含めて議会の皆さん方が一致してやっていこうという形でないと、市長だけでできるものではなくて、やはり市の体制を整えないと難しいと思います。いずれにしても、市の判断ということになるのではないでしょうか。私たちもあまり無理を言ってはいけないと思います。 

〇記者(西日本新聞社) 国のガイドラインというお話がありましたけれども、以前から地域の拠点病院を充実させようということで、そういった努力規定もあるみたいなんですけれども、そのあたりはいかがですか。 

〇知事 長崎県が離島医療の問題を昭和40年代からやっているでしょう。実は、その医療を含めて医師確保の問題で、いろんな前向きの新しいものを平成16年から取り組んでいるんです。中身は矢野さん(病院事業管理者)に聞いていただければわかると思いますが、ドクターヘリだってそうです。 
  ですから、基幹病院の問題も、県立病院の中でどうやれるかということで考えた時に、県立病院は、多良見と大村と島原しかありませんでしたから、私たちとしては、そういった基幹病院をつくるのはあきらめざるを得なかったのです。 
  病院を新しくつくるというのは、地域医療体制との問題があるんです。地域のベッド数という問題があるし、ですから、そういうふうに大幅な改築などがある時じゃないと、新たな病院をつくるということになってくると、それは大変な摩擦が起こるのです。今あるものを活かしながらやっていくと、地域医療の体制を崩すことにならないから、お互いに利害が一致するのでやれるんですが、新規というのはなかなか難しいというのが現状なんです。だから今回チャンスだという話なんです。 

〇記者(西日本新聞社) この前、計画の段階で議論されている中では、県の方からのそういう考え方というのを(向こうに)伝えられていたのかなというふうに思うんですが。 

〇知事 正式には、そういう話はしてませんでしたが、私の夢話でしたことはあります、新年会の席で。 

〇記者(毎日新聞社) 田上市長に対して何回も会って話をと…。 

〇知事 それは何回もというわけではないですが、お会いした時にいろいろお話をしたりということですから。これはあくまでも病院だけじゃなくて、ほかの話もしながらです。 

〇記者(毎日新聞社) 昨日、田上さんの会見では、場所の変更は考えてないという形で、いわゆる事実上の統合というのは無理だという考え方を示していますけれども、今、知事もおっしゃった最終的には向こうが判断することだと。現状では、向こうは「ちょっと無理ですね」と言っていることになると、実現性というのがあるのか、ないのか、ないんじゃないかと。 

〇知事 ないでしょう。ですからさっきから言っているように、長崎市にお任せする、それはやむを得ないと。 

〇記者(毎日新聞社) 県は、明日、文書として提出しますけれども、県としては説得をされるんですか。 

〇知事 それは県としての考え方というのを一応出さなければいけないでしょう、やはりみんなに公にして。そしたら向こう(長崎市)としても、また正式に記者会見ではなくて、こういう考え方でやりますということをやはりいただかないと、それはおかしいでしょう。だってお互いが記者会見で言ってますが。これについては私たちが話し合った後、記者会見をするのが本当はいいんですが、昨日、ああいう話も出ているから私も言わせていただいているんです。 
  ですから、お互い冷静にやっていかないと、また、県・市の関係はおかしいとか、みんなが言ったらいけませんから。あくまでも冷静、冷静に。 

〇記者(毎日新聞社) 今まで聞いている話だと、協議会の方が、まず知事の方に…。 

〇医療政策課長 最終決定いたしまして、協議会から知事に報告書をお渡ししてあります。 

〇記者(毎日新聞社) それは知事に渡して、知事が田上さんにという形に。 

〇知事 福祉保健部長からお渡しします。 

〇記者(毎日新聞社) 実際に手渡すのはですね。ただ、この考え方は、だれの考え方という形で出すんですか。 

〇知事 県の考え方としてです。要するに、この協議会が出した案について、県として「こういうご協力の仕方を考えております」というようなことを(長崎市に)持っていかないと、やはり向こう(長崎市)も今までやってきたのに、白紙にしてなんて、それは県も大変失礼な話ですから。やはり「県としてもできる範囲のこういった協力をしますよ」という中身になっていますから、それを明日お渡しすると。中身については、今日は遠慮させてください。