危機のカルテ 近江八幡市立総合医療センター 「民活」病院 経営難 病床利用率伸びず赤字27億円 市、契約見直し要求



『危機のカルテ 近江八幡市立総合医療センター 「民活」病院 経営難 病床利用率伸びず赤字27億円 市、契約見直し要求(2008.11.07中日新聞)』  


市立総合医療センターのあり方検討委員会について(病院HP) 

市立総合医療センターが、今後どうあるべきかを検討するため、公認会計士や弁護士、有識者による委員会を設置しました。委員会は公開で開催し、全3回を予定。傍聴自由。 

・ あり方検討委員会設置要綱    ・ あり方検討委員会委員名簿 


近江八幡市立総合医療センターのあり方に関する提言 
平成20年1月 近江八幡市立総合医療センターのあり方検討委員会 
『近江八幡市立総合医療センターのあり方に関する提言』

あり方検討委員会議事録一覧 

第1回  平成19年12月4日(火)開催分 
第1回 市立総合医療センターあり方検討委員会 議事録 
第2回  平成19年12月25日(火)開催分 
第2回 市立総合医療センターあり方検討委員会 議事録 
第3回  平成20年1月21日(月)開催分 
第3回 市立総合医療センターあり方検討委員会 議事録


  
  
以下2008.11.07中日新聞 
  
民間資本を活用して公共施設を建設、運営する「PFI方式」を導入した滋賀県の近江八幡市立総合医療センターが、経営難に陥っている。同市は、運営主体の特別目的会社(SPC)「PFI近江八幡」との間で契約の見直しなどを協議中だ。「このままでは市が財政再建団体に転落する」との指摘もあり、市民が民活導入による高いツケを払わされる可能性も出ている。 

 医療センターは、黒字だった旧市民病院を移転新築する形で、大手ゼネコン・大林組が全額出資するSPCが建設し二〇〇六年十月にオープンした。三十年分の金利九十九億円などを含めた総整備費は二百四十四億円。 

 市が医療業務を担い、SPCが保守管理や清掃、警備、病院給食などを受託している。三十年後に市が施設の無償譲渡を受ける契約で、市は直接経営と比べ六十八億円の節約になると試算していた。 

 だが、「新築となって上がる」と見込んでいた病床利用率が横ばいにとどまったため、増えた減価償却費を収入で補えず、〇七年度に二十七億円の赤字を計上。一方、SPCに委託し、市が税金から支払う保守管理や清掃などの年間費用は、旧病院時代の六億六千万円から、十五億四千万円に膨らんだ。 

 有識者らを招いて設けられた検討委員会は今年一月、「経営計画がずさんで、このままでは市が財政再建団体に転落する。SPCに委託業務の見直しを求め、できない場合は契約を解除すべきだ」と提言。市は同二月、金利を削減するため施設を一括で買い取ることや、委託業務の一部見直しを申し入れた 

 これに対し、SPCは「経営悪化は、契約変更や解約を認める理由に該当しない。三十年契約を結んでおり、巨額の違約金が発生する」と反発している。 


    ◇ 

 PFI病院全国4カ所 

 うち3カ所赤字 

 内閣府によると、全国で運営しているPFI方式の公立病院は近江八幡市立総合医療センターを含めて四カ所。うち三カ所が赤字となっている。 

 公立病院で初めてPFI方式を導入した高知医療センター(高知市)では、初年度の二〇〇五年度から病院収支の赤字が続き、三年目の〇七年度も当初見込みを約二億円上回る約十八億九千万円の赤字となった。 

 大阪府の八尾市立病院も、医師不足などから医業収入が低迷し赤字が続くが、「導入で一定の経費削減効果はあった」という。島根県立こころの医療センター(出雲市)は今年二月に開院したばかりで収支状況が出ていない。 

 近江八幡市立総合医療センターの検討委員を務めた城西大経営学部の伊関友伸准教授(行政学)は「PFI方式がすべてうまくいくと考えると間違える。病院ではすべてを委託できず中途半端になりがちで、契約が長すぎるのも問題だ」と警鐘を鳴らす。 

 (メモ) 

  PFI  プライベート(民間)ファイナンス(資金)イニシアチブ(主導)の略。民間の資金や経営ノウハウを活用して公共施設などの社会資本を整備する手法。事業コストの削減や、質の高いサービス提供ができるとされる。英国で誕生し、日本では1999年にPFI法が施行され、小泉政権下で積極的に導入されてきた。内閣府によると、同方式を導入したり、導入を計画している事業は、刑務所や図書館など318件ある。