静岡県・・・清水区内では産婦人科医のある総合病院は市立清水病院の一カ所だけになり、地域の産科医療への影響を懸念する声も上がっている。


『 静岡県・・・清水区内では産婦人科医のある総合病院は市立清水病院の一カ所だけになり、地域の産科医療への影響を懸念する声も上がっている。』 
    

清水厚生病院、産科休診へ-医師4人派遣中止 3月末「空白域に回す」浜松医大 
2008.10.24 静岡新聞   
  

 清水厚生病院(静岡市清水区庵原町)に医師を派遣している浜松医科大が来年三月末で産婦人科医師の派遣を中止する方針を同病院に伝えていたことが二十三日までに分かった。清水区内では産婦人科医のある総合病院は市立清水病院の一カ所だけになり、地域の産科医療への影響を懸念する声も上がっている。 

 清水厚生病院の産婦人科医は四人で、最近は年間六百-七百件の出産がある。浜松医大から派遣中止の連絡が入ったのは今月初旬。中田恒院長は「派遣の継続を求めているが、残念ながら休診になる可能性が大きい」と受け止めている。同病院は「利用者に迷惑をかけたくない」と産婦人科閉鎖予定の告知をホームページに出し、地元の病院や医師会に受け入れ協力の要請も始めている。 

 住民の不安に対して、浜松医大産婦人科の金山尚裕教授は、医師四人のうち一人が来年三月、正常分娩で年間三百-四百件扱える医院を同病院の近くに開業すると説明する。ほかの三人については新たな派遣先を具体的に検討している最中で、「県内には産科医がいなくて、困っている地域もある。全体のバランスを考えて集約化を図っているので、そちらに回したい」と理解を求める。 

 清水厚生病院の産婦人科休止の影響について市立清水病院の重野幸次院長は「うちか県立総合病院(静岡市葵区)に来る利用者が増えるだろう」と予想する。同病院の産婦人科医は慶応大の五人。「受け入れには協力するが、問題は異常分娩への対応で、産婦人科医の増員を要望していく。ともかく現状では医師の絶対数が足りず、こういう事態が生じるのも仕方がない」と話す。 

 ◆医師再配置-住民理解が鍵 

 県内でまた、地域医療の中核を担う都市部の拠点病院の産科が閉鎖される見通しとなった。今年に入って九月から藤枝市立総合病院が産科を休止し、富士市立中央病院の産科医全員が派遣元大学の意向で来年三月で引き揚げる方針となっている。清水厚生病院からの産科医の引き揚げは、医師の絶対数が足りない中でどう配置し直し、住民の理解を得ていけるかの問題提起となりそうだ。 

 清水厚生病院の産科休止は、産科医不足の危機的状況に拍車がかかっている現状を浮き彫りにした。同病院は藤枝や富士とは異なり、地域唯一の拠点病院ではないものの、県中部の産科救急受け入れ医療機関に指定され、リスクの高い分娩に対応している。 

 藤枝や富士は医師確保に奔走しているが、現段階では後任のめどはたっていない。近隣の病院や開業医との連携も模索するが、産科医そのものが足りず、新生児を扱う小児科医も不足していて、受け皿に限界があるのが実情だ。清水の産科医療が縮小すると、隣接する富士と相まってお産空白域が広がる恐れもある。 

 全国では病院ごと診療機能の集約化に着手した地域も出てきた。今後、浜松医大が産科医をどう配置するか注目される。 

 <清水厚生病院> 

 JA静岡厚生連が経営する病院。開設は昭和9年。現在は内科、小児科、脳神経外科など14科体制で、公床数は約360床。常勤医師は26人、看護師は常勤・非常勤合わせて186人。産婦人科には平成3年から浜松医大が医師を派遣している。JA静岡厚生連の医療機関は、ほかに遠州病院、静岡厚生病院、リハビリテーション中伊豆温泉病院がある。