銚子市立総合病院 休止後・・・市議の1人は「民間病院などへの患者受け入れは順調。"医療難民"があふれたといった声は聞かない」・・・



『銚子市立総合病院 休止後・・・市議の1人は「民間病院などへの患者受け入れは順調。“医療難民”があふれたといった声は聞かない」・・・日大が 医師引き上げても問題は起きないと判断したのは正しかったかもしれない。 病床は旭中央など医療圏全体で10万人750床の平均を充足していたともいえるのかもしれない』 

公立病院も競争時代 銚子市立休止 市長リコールへ/市議ら「公設民営」研究会 
2008.10.24 産経新聞  
  

 経営難と医師不足から9月で診療を休止した千葉県の銚子市立総合病院をめぐり、「休止は市長の公約違反だ」として、岡野俊昭市長のリコール(解職請求)を求める市民らが23日夜、市内で決起集会を開いた。一方、市長が掲げた「公設民営」による早期再開を支持する市議らも研究活動を開始し、市を二分する論争に。各地の自治体病院で経営形態を問い直す動きもあり、公立病院は「改革」のときを迎えている。 

(城之内和義) 

 決起集会は市議7人を含む市民有志でつくる「『何とかしよう銚子市政』市民の会」(茂木薫代表)が開催。会場の市民ら約350人に、署名を集める「受任者」になるよう訴えた。茂木代表は「市民を無視する形で突然休止した市長への不信任を問いたい」と運動の理由を説明する。 

 これに対し、市議有志の16人は市が目指す公設民営での再開に向け、「都市経営政策研究会」(岩井文男代表)を10日に発足させた。市議の1人は「民間病院などへの患者受け入れは順調。“医療難民”があふれたといった声は聞かない」とする。 

 現在、休止した病院内では民間の精神科診療所が開設され、夜間は市医師会が小児急病診療所を設けて民間病院で対応し切れない面を暫定的にカバーしている。 

 市は公設民営を目指し、診療科目、病床数などの方向性について有識者6人による検討委員会で検討しており、その報告を受け、受け皿となる医療機関を公募する予定だ。岡野市長はリコール運動に対し「反対運動ばかりでは将来にプラスにならない。早期再開にむけ、市民の協力が必要だ」と話す。 

 ■経営改善目指し 

 休止の一因となった医師不足は、新人医師が基本的に自由に研修先を選べるようになった「新医師臨床研修制度」の導入で、各地で医師の偏在化が進行する実態が背景にある。銚子市立総合病院も平成16年4月の制度導入時に35人いた常勤医は19年4月に22人、今年4月に13人と激減した。 

 一方、公立病院ながら経営が黒字の病院もある。銚子市のお隣りの旭市が運営する「国保旭中央病院」は開設以来55年間も黒字だ。その違いは、病床利用率が銚子(276床)の68%に対し、旭(956床)は95%、経営状況を示す医業収益比率も旭が上回っている。 

 研修医も、銚子は日大医学部に依存してきたが、旭は、一つの大学病院ではなく早期から広く受け入れており、現在も常勤医約250人を確保している。 

 ただ、黒字の旭中央病院も、市長が設けた検討委が「公設民営が望ましい」と結論づけ、経営形態の見直しを迫られている。 

 総務省が昨年末、「公立病院改革ガイドライン」を定め、20年度中に改革プラン策定を各自治体に求めているためだ。検討委員で千葉商科大の松山幸弘教授は「公立病院も地域間競争の時代に入り、民間の効率的な発想が必要だ」とその理由を説明している。 

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 □深刻地方医療…各自治体で医師不足 

 首都圏の各自治体でも公立病院は医師不足などに悩まされている。 

 埼玉県東松山市の市立市民病院(166床)は昨年12月から、夜間休日の救急診療を休止している。医師不足で救急患者の受け入れが厳しくなったためだ。新医師臨床研修制度の影響は大きく、制度導入前の15年4月に31人いた常勤の医師が現在は13人に。救急診療再開のめどはたっていないという。 

 静岡県東部の富士市立中央病院は今年度末で産婦人科医4人全員の派遣を打ち切ると派遣元の大学から通告された。このため、昨年は約650件の分娩(ぶんべん)を扱っていたが、新規受け入れを中止している。 

 東京都日野市の市立病院は今年7月、小児科医不足で出産の取り扱いを休止した。出産は複数の産婦人科医、小児科医らのチームで行っていたためだ。出産予定の妊婦約220人は他の病院に受け入れてもらった。 

 こうした厳しい状況に対応するため、神奈川県では6カ所の県立病院を運営する県病院事業庁が、22年度に経営自由度の高い「一般地方独立行政法人」化する計画を進めている。直近3年間は経常黒字が続いているものの、老朽化した医療機器の更新や、サービス高度化に伴う設備投資に迫られていることや、看護師などの人材確保を、独法化によって臨機応変に行いたいためだ。 

 人口あたりの地域の医師数が全国平均の半数しかない静岡県掛川市と袋井市では昨年末、両市の公立病院の統合を目指して「新病院建設協議会」を設置した。統合で機能を拡大し、就職先としての魅力を向上させ、県内外の医師にアピールする。県医療室は「新病院には地域の中核病院としての役割を担ってほしい」と期待している。