『夕張医療センター 勤務医師が11月より1名増・・更に来年から1名・・・僻地だから医師が来ないわけではない!』

村上氏ブログより
『夕張医療センター 勤務医師が11月より1名増・・更に来年から1名・・・僻地だから医師が来ないわけではない!』 

◇ 2.村上智彦が書く、今日の夕張希望の杜  2008年10月3日より・・・ 

11月から夕張医療センターに新たな医師が1人増える予定です。 
また来年からもう1人赴任を希望している医師もいて嬉しい限りです。 

はっきり言って周囲と比べますと十分な給与が払えるわけではないのですが、新たな仕組みを作ったり、今までの自分の経験を生かしたり、 町創りといった視点で医療と取り組んだりといった事に価値観を見出 してくれる医師がいるのは嬉しい限りです。 

この様な志を持つ先生が疲弊しないで仕事を続けていけるような環境 を作り、システムとして継続性を持たせる事が大切なのだと改めて思 います。 

4人体制になったら、今まで十分に出来ていなかった医師の研修を出来 るようにして、余裕ができた時間は医師不足に悩む他の地域の支援に 
行こうかと思っています。 

そんな中、早速夕張から比較的近い地域から医師派遣の依頼がありま した。この地域は比較的恵まれていて、1人の先生が献身的に働き医師 
も確保して3人体制で24時間町の医療を守り、年間1000件以上の時間外 の患者さんを受け入れているような地域です。 

しかし残念な事に3人体制を維持する事が困難で、大学の医師派遣等で 何とか医療を確保してきた地域です。 
この様な地域には夕張方式による医療再生が最も良いと思っています。 

夕張方式というのは、 

「一度医療崩壊してもらい行政の責任で医療を確保し、医師には本来の 仕事に専念してもらい、住民も医療資源が限られている事を認識して 大切に使い、自分達も健康作りに取り組み医師のやりがいを確保し、 
医師が働きやすい環境を作る」方法です。 

厚生労働省の当直規定では、医師の当直は週1回と決まっていて、 当直は本来入院患者さんを守るためのものであって、 軽症のコンビニ受診を受けるためにあるのではありません。 

せっかく自分の生活を犠牲にして働く医師が頑張っているのに、 その事を認識しないで医療機関を使っている地域から医師が去っていくのは当たり前だと思います。 

日本の医師数はOECD加盟国30カ国中27位と医師が少ない国で、 さらに医療関係の予算を削減している国です。 

そんな中で個人の善意に甘えて医療資源を無駄遣いしているから 地域で働く医師がいなくなっていきます。 

まさに破綻前の夕張と同じ状態です。 

悲しいのはやる気があり、頑張っている人を疲弊させて北海道から 
立ち去らせている事です。一度離れた医師は二度と地域には戻りませんし、その情報は医師の間で広がります。 

そうすると住民は「国が悪い」「制度が悪い」「命に関わる」といって 大騒ぎし、マスコミもそれを強調します。 

医師には人権はないのでしょうか? 
生命に関わる医療機関は労働基準法を守らなくていいのでしょうか? 
医師が眠らないで仕事をするとミスが増えるとは思わないのでしょうか? 

いい加減にこの様な無駄で実りのないやり方は夕張で終わりにして もらいたいと思います。

医師が働きたいと思うような環境作りを出来ない地域では医療機関は 維持できないと思います。 

「誰かが何とかしてくれる」という住民が多い地域は破綻するという事を夕張が示しているのではないでしょうか? 

そんな訳で私達の医師派遣は、 「行政が安全保障の責任を医師に丸投げにしないで真剣に取り組み、 
住民が医療機関を大切にする」地域にしようと思っています。 

せっかく北海道の地域のために来てくれる大切な医師を、 無責任な人達のために疲弊させるわけにはいきません。 

とりあえず何とかなると、永遠にその地域は真剣に考えないですし、破綻した夕張でさえ未だに破綻前の悲惨な状況を求めている人達がいるのを見ると、北海道の駄目さを感じてしまいます。 


医療法人財団 夕張希望の杜 
 理事長 村上智彦