①基金拠出型医療法人への移行・・・原則課税と考えるべきである。  ②基金拠出型医療法人(非課税型)の新設・・・将来重大なトラブルが予想される

 

 



『☆基金拠出型医療法人への移行・・・原則課税と考えるべきである。  
 ☆基金拠出型医療法人(非課税型)の新設・・・将来重大なトラブルが予想される』 

Ⅰ なぜ 原則課税と考えるべきなのか?特定・社会医療法人を目指さない場合は基金拠出型で移行促進しようとしている。相続税法第66条4項で原則非課税にするというのだが・・クリアーするのは極めて困難。 

基金拠出型医療法人への移行は持ち分の定めのない法人に対して財産の贈与等があった場合として税法上取扱われる。 

持分の定めのある医療法人の出資社員が 出資を放棄する事になるので 出資金の返還義務を免除された法人に課税される。 
経過措置型医療法人⇒持分の定めのない法人(基金拠出型含む)移行時の課税関係について法令解釈通達が9月3日に出たが 親族制限などの他、 

イ)社会医療法人と同要件を具備しているか、 

ロ)特定医療法人の厚生労働大臣証明願と同じ要件を具備している場合に限り、移行時に贈与税は課税されない。等の条件がある。 

特定医療法人や社会医療法人を目指していない法人にとっては、高いハードル。しかし 公平性の観点からも国税の姿勢は当然という事になる 

国税当局の考え方は一貫している。 放棄するのだから原則非課税という納税者の期待は 税法の基本的考えを無視している。 


(税法の基本原則)・・・ 
所得税法 59条 みなし譲渡 
相続税法 2条 相続税の非課税財産 
相続税法施行令 2条 相続又は遺贈に係る財産につき相続税を課されない公益事業を行う者の範囲   

個人から個人への贈与は 利益受けた個人に贈与税・ 

個人から法人への贈与は 個人のみなし譲渡課税・法人に受贈益課税・・・これが大原則である。 

  

Ⅱ基金拠出型医療法人(非課税型)の新設はなぜ将来重大なトラブルが予想されるのか 

非課税法人となるためには 理事・監事 は 親族三分の一以下の人数が求められる。 
親族以外で 役員の適格者を求める事は診療所法人では 通常困難である。理事長が更迭され親族以外の役員で経営行われる事も可能となる。 
役員選任権限のある 社員構成について 国税庁が示した課税判定基準では 言及していないようである。しかし 同族経営の判定基礎であるから 最高権限である社員構成も非同族である事も当然とされるであろう。 

トラブルは 社員総会の運営で顕著になる。 
理事長が 議長になると議決権がなくなり 非同族社員が 理事長解任可能となる。 
出資額の多寡による経営支配が出来なくなる。 

  

理事長と同族関係にある個人とは 
 
(1) 理事長の親族 
親族とは、配偶者及び6親等内の血族、3親等内の姻族をいいます。
(2) 理事長とまだ婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者
(3) 理事長個人の使用人
(4) (1)から(3)以外の者で、理事長個人から受ける金銭その他の資産によって生計を維持している者
(5) (2)から(4)に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族 

  
親等の数え方・・・ 共通の祖先に遡って数える 

直系親族の親等はその一人又はその配偶者から他の一人に至るまでの間に存する親子関係の個数を数えて定められる 

親子関係を一世代移動するごとに1親等を数えることとなる。 
配偶者は自分と同一、配偶者の親族は自らの親族と同様に扱われる。父母と子とは1親等(血族)であり、夫の連れ子と妻とは1親等(姻族)であり、祖父母とその孫とは2親等(血族)である。 

兄弟姉妹の関係にある場合には、共通の親に遡るため、本人から親、親から兄弟姉妹への2親等。従兄弟姉妹は互いに4親等。