豪華病院・・・ ガイドラインに即して更なるコスト削減を!福島県三春町病院新築コストを参照されたい

 【写真説明】建て替え計画が足踏みしている成羽病院。備北地域唯一の公立病院にふさわしい機能が求められる

『豪華病院・・・ ガイドラインに即して更なるコスト削減を!福島県三春町病院新築コストを参照されたい 

概算事業費約四十三億円。しかし新市の議会で「規模が過大」との指摘が相次ぎ、市は〇六年末に九十二床、事業費約二十九億円に計画を縮小。今年七月には「民間並みのコスト圧縮を図った」として二十一億八千七百万円に減額する案を示した。』 


高梁市の課題 市長・市議選を前に ■下■ 地域医療 成羽病院改築足踏み 「在宅」充実求める意見も 
2008.09.15  山陽新聞   
  

 高梁市成羽町の中心部・下原地区。国道313号沿いに市立成羽病院が建つ。鉄筋コンクリート五階の建物は一九六九年の改築から約四十年がたち、古びた印象を与える。 

 備北地域唯一の公立病院建て替え計画は、秋岡毅市長(67)が旧成羽町長時代から手掛けてきた。二〇〇四年に発足した新市が引き継いでいるが、政争含みで、先行きは不透明なままだ。 

 旧成羽町が合併前に作った基本構想は現行病床数百三十六、十診療科を維持し、概算事業費約四十三億円。しかし新市の議会で「規模が過大」との指摘が相次ぎ、市は〇六年末に九十二床、事業費約二十九億円に計画を縮小。今年七月には「民間並みのコスト圧縮を図った」として二十一億八千七百万円に減額する案を示した。 

 計画推進派の市議は「長年の健全経営の結果、建て替え用の積立金十億円を含む約二十二億円の現金預金がある。地域医療を守るためにも事業を急ぐべき」と訴える。 

国の動向 

 計画が足踏みした背景には、国の医療政策の動向もある。厚生労働省は医療費を抑制するため入院が長期化する療養病床の削減を打ち出し、総務省は公立病院の経営悪化が財政に悪影響を及ぼすと、自治体に「病院改革プラン」策定を求める。 

 成羽病院も当初療養病床を廃止する方針だったが、専門家による「改革プラン検討委員会」から「地域の現状や経営面を考え、療養病床を残すべき」と指摘され、方針転換を検討中。秋岡市長は「国の政策や市民、専門家の意見などを踏まえ、計画を見直してきた」と説明する。 

 一連の経緯を、建て替え慎重派の市議らは“迷走”と見る。昨年三月と今年三月の定例市議会で、病院の実施設計策定費を計上した当初予算案に対し、修正案を提案。いずれも賛成少数で否決されたが、行政運営の在り方に一石を投じた。慎重派市議の一人は「現在は一般会計からの繰り入れで赤字幅を抑えているが、人口減で患者数が減れば、市の持ち出しは増える」と危惧(きぐ)する。 

 市長選への出馬を表明した新人で前市課長の近藤隆則氏(49)も「公務員が病院の経営に深くかかわっていけるかは疑問であり、専門家にお願いすべき」とし、「現在の計画はいったん白紙に戻したい」との立場だ。 

公立の使命 

 市が現在策定を急いでいる「病院改革プラン」の中には、公立病院としての成羽病院が果たす役割も盛り込まれる見通しだ。 

 旧高梁市に民間医療機関が集中する一方、旧川上郡は成羽病院や、旧町が設けた診療所が地域医療を支える。プラン検討委の会合では、成羽病院について「西部で不足しているリハビリテーション医療に力点を」「診療所とネットワークを築き、在宅医療の支援拠点を目指して」と、役割を特化するよう求める意見が続出した。 

 市内では社会福祉法人・旭川荘(岡山市)が指定管理者となっている川上、備中両診療所が積極的な往診を行い、在宅医療の先進例と評価されている。プラン検討委員長を務める島田公雄・吉備国際大保健科学部長は「在宅医療の充実は中山間地の公立病院の使命。身近な事例も参考に、将来にわたって住民の安心・安全を支えてほしい」と望む。 

 ………………………… 

 この連載は神辺英明が担当しました。 

ズーム 

 成羽病院 旧成羽町が1954年に開設し、病床数は136(一般106、療養型30)。内科、外科、整形外科、小児科など10診療科がある。常勤医師は7人(自治医大派遣の3人含む)。2007年度の延べ患者数は9万9901人で前年度比0・3%減。医業収入は13億6963万円で、一般会計からの繰り入れ(1億189万円)後の純損益は4390万円の赤字。