公立病院地方独立行政法人は 非公務員型でなければならない!



『公立病院地方独立行政法人は 非公務員型でなければならない! 

7月末日に改訂された「公立病院改革ガイドラインQ&A」(改訂版)では、公務員型の地方独立行政法人にふれて、行政改革推進法では一般地方独立行政法人を推進することとされていること、医療観察法第16条に基づく指定入院医療機関の指定を受ける以外は、公務員型は想定していないと言明している。・・・・・行政改革推進法第55条⑤  地方公共団体は、地方公営企業について、組織形態の在り方を見直し、一般地方独立行政法人その他の法人への移行を推進するものとする。 

特定独立行政法人の見直し 
第 52条 平成18年度以降に中期目標の期間が終了する特定独立行政法人については、その業務を国家公務員の身分を有しない者が行う場合における問題点の有無を検証し、その結果、役員及び職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められないときは、特定独立行政法人以外の独立行政法人に移行させるものとする 』  
  
   

245号 2008年8月12日ワタキューニュース発行 

公立病院改革は独法化ですすめるべき 
  
8月2日、北海道・札幌市で開かれた「公立病院改革セミナー」(全日本病院協会北海道支部など主催)で、総務省の公立病院改革懇談会の座長を務めた長隆氏は基調講演で「公立病院の経営は独立行政法人の非公務員型に収斂していくと思う。」と述べたと小樽ジャーナル(8月3日)は伝えた。 

病院改革の事例をいくつかあげる中で、小樽市の新病院建設計画を取り上げ、「市民病院の存在が必要かどうか、道は市に指導力を発揮できていない」と追求したとも報じた。 
 小樽市立病院は2つの市立病院を再編し、新病院建設計画を進めている。総務省の示す「公立病院ガイドライン」のうち病院継続のボーダーラインとなる「病床利用率3年連続70%以下と病院の資金不足比率20%以上に該当し、数値目標をクリアすることは到底困難」とされているため、病院改革プランは小樽市の崩壊へ直結すると懸念する(小樽ジャーナル5月23日)。公立病院のうち7割以上が赤字を抱えているという経営状況から見れば小樽市が突出した事例ではないことを示している。 

経営の自由度を担保する独法化 
  
厳しい公立病院経営を強いられる地方にあって、長野県では、8月5日、県立5病院の経営のあり方を議論してきた「県行政機構審議会」で独立行政法人に移行することが適当とする報告をまとめ、9月中にも村井知事に答申することを決めた(信濃毎日8月6日)。審議会の委員らは予算や人事面で制約を受け、経営の自由度が乏しいとして独立行政法人化を主張したもの。 
  
神奈川県病院事業庁は本年3月に「県立病院のあり方検討委員会」報告書をまとめた。報告書によると、県立6病院(指定管理者制度を導入した汐見台病院を除く)を一般地方独立行政法人(非公務員型独立行政法人と同意)に移行すべきとする結論をまとめた。神奈川県立病院は、平成17年度、18年度の2年間で経常収支黒字を達成しているものの、累積欠損金は平成18年度末で、約178億円ある。 
 病院の老朽化から機器の更新など設備投資が必要であり、今一層の経営改善が求められるため、独立行政法人化に踏み切る方向性を示した。報告書で、「地方公営企業法の全部適用は地方公共団体の財務、組織、人事管理等を定める地方自治制度の基本的枠組みからの自由度に制約があること、管理者を完全に独立した執行機関とすることは困難」なことをあげ、具体的には、医師、看護師など人材確保を困難にしている点を突いた。 
 一般地方独立行政法人では柔軟で弾力的な病院経営が可能であること、7対1看護配置への対応、院内の24時間保育の実施、定型的な事務の外部委託化、経営状況を勘案した人事、予算の運用など弾力的に実施できると独立行政法人化の長所をあげた。 


非公務員型を後押しする総務省 
  
なお、総務省で開かれていた「公立病院改革懇談会」のまとめた「公立病院改革ガイドライン」(平成19年12月)の「経営形態の見直し」の中で「地方公営企業法の全部適用」では、「事業管理者は人事・予算に係る権限が付与され、より自律的な経営が可能だが、経営の自由度拡大の範囲は、地方独立行政法人に比べ限定的」であり、「経営形態の見直し契機とした民間的経営手法の導入が不徹底に終わりがち」であることが強調された。 
 一方、非公務員型地方独立行政法人化は、「地方独立行政法人法により独立行政法人を設定し、経営を譲渡する地方公共団体が直営で事業を実施する場合に比べ、予算・財務・職員定数・人事などの面で自律的・弾力的な経営が可能となり、権限と責任が明確で、・・・積極的に地方独立行政法人化への移行について検討するべき。」と地方独立行政法人化を勧める。 
 7月末日に改訂された「公立病院改革ガイドラインQ&A」(改訂版)では、公務員型の地方独立行政法人にふれて、行政改革推進法では一般地方独立行政法人を推進することとされていること、医療観察法第16条に基づく指定入院医療機関の指定を受ける以外は、公務員型は想定していないと言明している。 

  「公立病院に関する財政措置のあり方等検討会」資料によると、公立病院約1000病院のうち、地方公営企業法全部適用は251病院(平成19年3月現在)。地方独立行政法人化は公務員型が6病院、非公務員型が5病院。指定管理者制度の導入は44病院。民間譲渡が19病院となっている。