輪番制の維持は誰の権限と責任か? 国と自治体が責任転嫁をしないよう願う・・・輪番制の消滅は財源獲得した地方に第一義責任がある



『輪番制の維持は誰の権限と責任か? 
国と自治体が責任転嫁をしないよう願う・・・輪番制の消滅は財源獲得した地方に第一義責任がある』 



以下厚労省 2008年2月25日全国医政関係主管課長会議 抜粋 
  
 入院を要する救急医療体制 

「病院群輪番制病院運営事業」については、三位一体改革を踏まえ、地方公共団体で入院を要する救急医療体制が確保されることを前提に、当該補助事業を廃止し、その分の財源を地方公共団体に税源移譲されたも 
のであるので、地域における入院を要する救急医療体制の確保に当たっては、従来どおり、関係者との連携を図り、支障の生ずることのないようお願いしたい。 

「共同利用型病院運営事業」を含む入院を要する救急医療体制については、当番日の病院や診療科などにつき、消防機関の他、地域住民に対して情報提供していただくよう改めて指導をお願いする。 


  
  
第1部 救急医療 《4》 三位一体改革の余波(2005年6月4日)読売新聞 
当番医や輪番制 財源は? 
  
日曜当番医を廃止した越谷市が、市民向けに作った案内パンフレット。日曜も開いている医療機関が書かれている 
  
 越谷市は今年度から、日曜当番医制度を廃止した。 

 当番医は、日曜や祝日、年末年始でも、地域の病院・診療所が交代で外来患者を受け入れる制度。市町村は当番になった医療機関に補助金を出す。越谷市の場合、1回3万2500円。年約500万円だった支出は、日曜分の廃止で166万円に減った。 

 引き金は、一昨年から始まった国と地方の税財政を見直す三位一体改革だ。 

 地方への財源移譲を理由に、国は2004年度から当番医事業の補助金を廃止、県も追随した。市町村が、自前で事業を継続するか迫られる中、県内で初めて日曜当番医廃止に踏み切ったのが越谷市だった。 

 「市内には日曜も診療する医療機関が22か所あり、支障はない」 

 同市市民健康課長の浜野邦彦(51)は、こう説明する。ほかの市町村は模様眺めを続けているが、医師会などには「医療機関が少ない地域では、制度を維持していくべきだ」との声も根強い。 

 三位一体改革の余波は、当番医にとどまらない。05年度は、2次救急を担う救急病院などが交代で夜間休日の責任病院となる「2次病院輪番制」事業への国と県の補助金も廃止された。 

 緊急性も高い輪番制を廃止した場合の影響は、けた違いに大きい。 

 「輪番制は続けたいが、財政難の折、予算を確保できるだろうか」。ある市の担当者は頭を悩ませる。救急隊員からも、「ただでさえ患者受け入れを断られるのに、輪番制が揺らいだらどうなるのか」と、不安の声が漏れる。 

 補助金廃止を決めた県は、「市町村に財源が手当てされており、輪番制は続けてもらいたい」との立場だ。 

 ただ、輪番でも患者を受け入れない救急病院もある。県は「救急病院はいつでも患者を診るという、本来の姿に立ち返って欲しい」(幹部)と、輪番日の受け入れが少ない病院には不参加を促したり、救急病院の指定要件を厳しくすることも検討する構えだ。 

 救急医療などの医療体制作りで今後、県の発言力が増すことは間違いない。 

 06年度には、県の医療施策の指針となる「県地域保健医療計画」の見直しが始まる。県の役割が強化される一方、「急性心筋梗塞(こうそく)の救命率を○%向上」などの数値目標を掲げ、実現を目指すことが求められるようになる。 

 埼玉医大総合医療センター高度救命救急センター長の堤晴彦(53)は、「まず県がデータを集め、きちんと現状を知ること。そしてデータを地域に還元することが大切だ」と提言する。 

 各消防本部や医療機関の記録をもとに、救急患者の疾患ごとに、搬送時間や治療経過などを調べていけば、問題点が自然と浮かび上がるというわけだ。 

 救急医療の向上は、県がどう処方箋(せん)を書くかにもかかっている。(敬称略) 


 【県地域保健医療計画】 県が担う医療・保健分野の施策について、今後5年間の方向性や目標値などをまとめた計画。現在の計画期間は2002~06年度まで。厚生労働省は次期計画で、県の裁量を広げる方針を打ち出している。