病院ネットワーク化 ・・・地域の病院を、高度医療や医師派遣の拠点となる基幹病院と、基幹病院から医師派遣などの支援を受けつつ日常的な医療を担うサテライト病院や診療所に再編する動き。



『病院ネットワーク化 ・・・地域の病院を、高度医療や医師派遣の拠点となる基幹病院と、基幹病院から医師派遣などの支援を受けつつ日常的な医療を担うサテライト病院や診療所に再編する動き。近年の道路網の発達も踏まえ、不足する医師の集約化や経営効率化につながるとして国が推奨。置賜広域病院組合はそのモデルケースとされる・・・・ネットワーク化の実態は、病院廃止への地元の反発を避けるためのガス抜きだった。ガス抜きのために本来不要なサテライト病院に巨額投資!』 


連載/地域はいま 揺れる公立病院 3/置賜広域病院組合(山形)/拠点に集中、“衛星”は閑散 
2008.08.18東奥日報 

 山形県南部の川西町。水田や果樹園が広がる農業地帯の真ん中に、八階建ての公立置賜総合病院がそびえ立つ。東京ドーム二個分、約十万平方メートルの敷地内に整備された一千台収容の駐車場へ、次々に車が吸い込まれていく。 

 「外来の待ち時間は長いけど、医師も設備も整っていて安心」と、近く手術を受けるという会社員の男性(60)。患者の評判は上々のようだ。 

▼規模を大幅に縮小 

 同病院は二〇〇〇年、長井、南陽の二市と川西、飯豊の二町に県も加わった置賜広域病院組合により、救命救急センターも合わせ五百二十病床を有する「拠点(基幹)病院」として新設された。旧長井市立総合病院など四つの公立医療機関も、規模を大幅に縮小した上で「サテライト(衛星)施設」となり存続した。 

 高度医療を担う拠点病院と、軽症者や症状が安定した慢性期患者を受け持つサテライトに機能を分担。同時に、相互のネットワークを形成する-のが狙い。 

 だが再編後、新病院には軽症を含めて患者が集中する一方、サテライトでは医師不足と患者離れが進む。 

 置賜総合病院から車で約二十分。市街地にある旧長井市立総合病院の公立置賜長井病院には“閑古鳥”が鳴いていた。かつて三十八人だった常勤医は三人。古い建物を見回し、松橋昭夫院長は「サテライトは不要になったら切り捨てられる存在。ここも私が辞めたら廃止かな」と苦笑した。 

▼再編「ガス抜き」の声 

 これに対し、置賜総合病院の新沢陽英院長は、地域全体の病床数が再編前より百三十余り少ない六百八十となる一方、常勤医は五十人台から八十人台に増えたことを挙げ「地域医療の質は確実に向上した」と胸を張る。ネットワーク化も「サテライトの入院患者の半数以上は置賜総合病院からの転院」と指摘する。 

 しかし病院組合の経営は赤字続き。最近は置賜総合病院でも、息つく暇もない患者の診察に人手不足のサテライトへの応援が加わり、医師が退職するケースが目立ち始めている。 

 県内の医療関係者からは「ネットワーク化の実態は、病院廃止への地元の反発を避けるためのガス抜きだったのでは」との声も聞こえてくる。 

●病院ネットワーク化 

 地域の病院を、高度医療や医師派遣の拠点となる基幹病院と、基幹病院から医師派遣などの支援を受けつつ日常的な医療を担うサテライト病院や診療所に再編する動き。近年の道路網の発達も踏まえ、不足する医師の集約化や経営効率化につながるとして国が推奨。置賜広域病院組合はそのモデルケースとされる。