羽幌病院で医師の減少が進み、出産や救急を留萌市立病院に依存している現状を踏まえ、2区域を一体とする協議が5月から始まっている・・・



『北海道、現時点で再編ネットワーク見直し論を歓迎 留萌支庁管内の6町村は2区域に分かれ、道立羽幌病院(羽幌町)と留萌市立病院をそれぞれの中核病院としていた。だが、羽幌病院で医師の減少が進み、出産や救急を留萌市立病院に依存している現状を踏まえ、2区域を一体とする協議が5月から始まっている・・・1年前留萌市民病院を訪問し 病院関係者から 北海道に見直しを助言して欲しいと依頼されておりました・・・』
 

区割り超え、活発論議 検討会、各地に 道構想の公立病院再編 /北海道

2008.08.09朝日新聞   

 道内の自治体病院(公立病院)の再編を促すため、道が策定した「自治体病院等広域化・連携構想」をめぐる動きが各地で活発化している。「地元の病院」が中核病院となるのか、診療所となるのか--。昨年8月末の素案の公表から1年弱。構想で示された枠組みとは異なる形で各自治体が連携したり、構想に沿って検討会議を立ち上げたりしている。(若松聡)

 道の構想は、医師不足や診療報酬の減額などを背景に経営悪化が進む自治体病院の「共倒れ」を防ぐのが狙い。患者の受診動向などから道内を30区域に分け、それぞれに中核病院を置き、その他の病院を診療所に縮小するなどして再編したい考えだ。対象は道立病院を除く93病院、83市町村に上る。

 ただ、構想に強制力はない。このため道は、当該地域の支庁や市町村、地元医師会などの関係者による「検討会議」の発足と、議論の本格化を促した。

 これを受け、構想の区域割りにこだわらない形での検討が始まったケースもある。「各病院の体制や患者の受診動向といった現状を踏まえた独自の見直し」だ。

 道によると、現時点で見直し論が出ているのは4カ所。構想では、留萌支庁管内の6町村は2区域に分かれ、道立羽幌病院(羽幌町)と留萌市立病院をそれぞれの中核病院としていた。だが、羽幌病院で医師の減少が進み、出産や救急を留萌市立病院に依存している現状を踏まえ、2区域を一体とする協議が5月から始まっている。

 

 苫小牧市を中心とする7市町の区域と、浦河町など日高支庁5町の区域も連携する方針で、今月中に12市町による検討会議を発足させる予定だ。苫小牧市に高度医療を担える病院が2カ所あることが理由という。このほか、室蘭・登別の2市の区域と隣接する伊達市など4市町の区域を合わせた検討会議が月内にもできる見通し。十勝支庁の18市町村の区域に、別区域に入っていた陸別町も加わる。

 構想で示された区域割りに基づく検討会議の立ち上げも相次いでいる。

 7月中旬までにできた検討会議は、留萌地域も合わせて六つ。稚内市を中心とする宗谷・留萌支庁の8市町村、名寄、士別両市などの上川・宗谷・網走支庁の12市町村、道立紋別病院を中核とする網走支庁の4市町、釧路支庁の8市町村、根室支庁の4町の各区域。その他の全区域でも準備は進んでおり、お盆明けには多くの会議が正式に発足する見通しという。

 再編構想では、不採算の病院に対して診療所に移行することを促したり、病院のままでも規模縮小を求めたりしていることから、一部地域で反発の声がある。このため、構想通りの再編が進むかどうかは不透明でもある。ただ政府が昨年、「公立病院改革ガイドライン」を策定して経営改善を求めたこともあり、地域医療のあり方を踏まえた住民を巻き込んでの議論がより重要になってきている。道の担当者は「結果はともかく、議論が本格化・加速化することを期待している」と話している。


留萌市財政は「赤信号」*病院赤字続くなら*来年度にも再生団体*北大教授が試算

2008.08.06 北海道新聞      

 【留萌】留萌市立病院経営改革推進委員会(菊池健委員長)の第三回会議が七月末、市内で開かれ、同委メンバーで経営アドバイザーを務める北大公共政策大学院の木幡(こはた)浩教授が「市立病院の財政状況がこのまま続けば、早ければ来年度にも市は財政再生団体入りする。既に赤信号だ」と話し、市に早急の対策を求めた。(古田夏也)

 指標となるのが、各会計の連結赤字額を市の標準財政規模(七十九億円)で割った連結赤字比率。木幡教授は一般、下水道、国保など八会計の赤字がこれ以上増えず、市立病院の赤字が現行のペースで増え続けると仮定して試算した。

 この場合、連結赤字比率は二〇〇九年度は39・5%で、財政再生団体入りとなる国の基準(40%)ぎりぎりとなる。一〇年度は46・6%で基準(35%)を大きく超え、確実に再生団体入りする。

 木幡教授は「今の危機に対し、市は甚だ緊張感を欠いている。緊急非常事態宣言を出し、全市民あげて対応に当たるべきだ」と強調した。

 これに対し、市立病院の笹川裕院長は「各課で目標を立てて健全化に向けて取り組んでいる」と説明。一方、四-六月の入院患者数、外来患者数がともに前年同期比十数%減っており、「予想よりかなり落ちている」と話した。

 市によると、市立病院の累積不良債務額は〇七年度末で二十七億五千万円。市は〇八年度予算で一般会計から病院事業会計へ十五億円を繰り入れ、累積債務額の圧縮を図ったが、なお〇八年度末で十八億七百万円残る。

 市立病院は医師不足による収益減や、〇一年に移転した際の起債償還が年五億円あり、毎年五億六千万円の赤字が生じる収支構造に陥っている。

 市は累積不良債務額圧縮のため、国の公立病院特例債を利用する方針。だが、特例債適用には《1》累積赤字をこれ以上増やさない《2》返済期限は七年-などの条件があり、「抜本的な収支改善に取り組まない限り、返済を先送りするにすぎない」と木幡教授は指摘する。

 市の益田克己財務課長は「経営状況はご指摘の通り。危機的状況を市民と共有し、みなで乗り越えていかねばならない」と話す。