『再編・ネットワーク 財政支援措置を最大限活用して 不安をなくしていただくことは可能』


『再編・ネットワーク 財政支援措置を最大限活用して 不安をなくしていただくことは可能』 


<ふるさとeye>仙北市の公立病院改革プラン 「診療所化」も選択肢 募る地域住民の不安 
2008.08.03 秋田魁新報  
  
 田沢湖(六十床)、角館総合(三百四十六床)の二つの公立病院を運営する仙北市。両病院とも長年にわたり地域医療を支えてきたが、田沢湖は、医師不足や救急指定取り下げなどにより患者離れが著しい。市は今年五月、病院関係者や市職員らでつくる「改革推進計画策定委員会」を設置。策定委メンバーからは「規模を縮小し、田沢湖を診療所に」とする声が高まっている。 

 先月四日開かれた策定委の第二回会合では、角館総合を中心(基幹病院)とし、田沢湖を診療所という形で安定した医療を提供するべきだ―とする意見が大勢を占めた。医療法は、診療所を「入院施設を有しないもの、または十九人以下の患者の入院施設を有するもの」と規定しており、田沢湖が診療所化されれば、ベッド数は多くても現在の約三分の一になる。 

 田沢湖は二〇〇七年度、約二億三千万円の赤字を計上。地方財政を取り巻く環境が厳しくなる中、石黒直次市長は六月定例議会で「(両病院の)運営を一本化する方向で検討を重ねたい」と、形態を見直す考えを明らかにしていた。また、公立病院の経営改革に向け総務省が昨年末、〇八年度中の改革プラン作成を運営する各自治体に求めたことも背景にある。 

 〇四年度スタートした新臨床研修制度などにより〇六年七月、三人いた常勤医師が二人に減。救急指定を取り下げた同年九月以降、搬送患者は約二十キロ離れた角館総合などが受け入れている。角館消防署田沢湖分署によると、指定取り下げから先月までの二年近くで、約六百件の救急搬送があったという。一分一秒を争う急患にとって、二十キロの距離が生死を分ける可能性があるのは否めない。 

 このほか、同市では十二年後の二〇年、総人口に占める高齢者(六十五歳以上)の割合が40%を超える見込みとなっているなど、急速に少子高齢化が進んでいる。ある市議は「田沢湖病院の巨額赤字が市財政を圧迫しているのは事実。しかし、病院改革は地域住民の命、健康にかかわる大切な問題。十分な議論が必要だ」と話す。 

 受診する親族(八〇)の送迎のため、田沢湖病院を訪れた主婦(六七)は「万が一、田沢湖が診療所化されて無床となり、角館総合に入院となれば、家族の負担は計り知れない。救急、夜間受け入れが備わっていないことだけでも、住民は大きな不安を抱いているのに…」と表情を曇らせた。 

 策定委事務局は「方向性が固まった時点で説明会などを開き、住民に理解を求めていく。年内には成案をまとめたい」としている。地域医療が重大な分岐点に立たされる中、行政と議会、そして地域住民が三位一体となってのプラン作成が求められている。