日医・経営分析 DPCで地域医療の格差拡大



『日医・経営分析 DPCで地域医療の格差拡大』 
2008.07.25 日刊薬業   
  

 日本医師会は、公立病院や国立病院などを対象にしたDPC対象病院・準備病院の経営分析結果をまとめた。それによると、2006年度にDPCの対象となった公立病院の入院収入は、100床当たり12.7億円に増え、DPC以外の病院との収入格差が拡大。DPC対象病院はDPC以外に比べて医師数や看護師数も多いことも分かった。日医では、DPC病院とそのほかの病院で地域医療の新たな格差を生み出していると分析、DPC制度が地域医療の崩壊を招きかねないとしている 

 日医は、総務省の地方公営企業年鑑と国立病院機構の病院の財務諸表を使い、DPC対象病院・準備病院の経営分析をした。分析対象は公立285病院、国立42病院などで、一般病床の比率が高いDPC以外の病院と比較した。 

 06年度にDPC対象となった公立病院の100床当たり入院収入は、03年度時点で12.5億円だったが、06年度には12.7億円に増加。DPC以外病院との収入格差は1.6倍から1.8倍に広がった。 

 また、06年度のDPC対象公立病院では、100床当たり医師数が17.0人(03年度15.9人)、100床当たり看護師数が75.3人(73.8人)と、いずれも増加。DPC病院への医師・看護師集中も明らかになった。 

 調査結果について日医は、「当初DPCに手を挙げた病院は、もともと在院日数が短く、収入も多く、患者単価も高いなど優位な位置にありながら、さらに調整係数による安定的な収入を財源に医師と看護師を増加させた」(中川俊男常任理事)などと分析、DPC病院には財源のほか医師、看護師が集中したとの見方を示している。日医はもともとDPC病院の拡大には否定的。DPC病院が増えて早期退院の患者が増加しても、受け皿となる医療機関の維持が困難となり、患者に切れ目のない医療を提供することができなくなると警告している。 

(注) 
  
診新群分類別包括評価=DPC 
D=診断 Dignosis 
P=診療 Procedure 
C=組み合わせ Combination 

  
DPCの効果 

入院医療費の統一化(病院間の比較が可能) 

平均在院日数の短縮(病名別に日数制限) 

日帰り手術の増加 

在宅ケアの増加