銚子市立病院  「医師の補充ができないのであって、引き揚げではない」片山容一・日大副総長兼医学部長はそう説明する。大学の付属病院や約五十の関連病院で働く同大医局の医師も、この十年で約三分の一の数百人にまで減少したという・・・


『銚子市立病院  「医師の補充ができないのであって、引き揚げではない」片山容一・日大副総長兼医学部長はそう説明する。大学の付属病院や約五十の関連病院で働く同大医局の医師も、この十年で約三分の一の数百人にまで減少したという・・・後期研修は大学医局に有償で戻すことも 検討課題になるのではないだろうか』 

 銚子市立病院 常勤医 2年で1/3 新研修制度 重大な“副作用” 
2008.07.18東京新聞   
  

 産婦人科や小児科を中心に各地で広がる深刻な医師不足。医師総数は毎年、自然増が続いているが、県立病院などの公的医療機関では、二〇〇五年から一転して減少。その大きな原因となったのが前年度から始まった新しい臨床研修制度だ。研修医の待遇や研修環境は改善されたが、診療の縮小や閉院、医療の地域格差という重大な“副作用”をもたらしている。(稲垣太郎、<1>面参照) 

 「医師を派遣してくれている日大、千葉大などから、『これ以上の派遣は困難』との説明があった。市民に申し訳ない」 

 千葉県銚子市の岡野俊昭市長は今月七日、市立総合病院の九月末での休院を発表した。「民間譲渡などの道があれば、再開したい」。市長はそう付け加えたが、見通しは立っていない。 

 病院は一九五〇年、市立の診療所としてスタート。その後、日大医学部の関連病院となり、同大医局の医師が増加。総合病院へと発展した。ベッド数は約四百床。二年前は常勤医が三十五人いた。 

 ところが新研修制度などをきっかけに〇六年四月以降、二十人近い日大医局の常勤医が大学の付属病院や関連病院に引き揚げた。その結果、先月までに常勤医は約三分の一の十二人まで激減した。 

 病院ではこの間、産科や呼吸器科を休止。その後も入院患者の制限や診療の縮小を余儀なくされ、患者減による経営悪化が進んだ。 

 市は毎年、病院に約九億円を繰り出していたが、〇六-〇七年度は約十三億円を追加投入。市長は会見で「追加支援は困難」と話した。 

 「医師の補充ができないのであって、引き揚げではない」。片山容一・日大副総長兼医学部長はそう説明する。大学の付属病院や約五十の関連病院で働く同大医局の医師も、この十年で約三分の一の数百人にまで減少したという。 

 片山氏は「この十年ほどの国の施策が医師不足をもたらしている。不公平にならないように、まんべんなく医師を戻さざるを得ない」と訴える。 

 三年前に心筋梗塞(こうそく)を患い、最近まで通院していた男性(73)は「市の病院がつぶれたら、緊急の時にどこに行けばいいんだ」と不安を口にした。