沖縄県立病院・・・全適に移行して二年半、期待された効果はほとんど出ておらず「偽全適」・・・全適にして 1年すれば 効果が出る場合は出ている。鹿児島県立5病院など。



『沖縄県立病院・・・全適に移行して二年半、期待された効果はほとんど出ておらず「偽全適」・・・全適にして 1年すれば 効果が出る場合は出ている。鹿児島県立5病院など。』
           
 <守れ県民の医療・県立病院改革>9/第2部 漂流する政策(2)/「全適」の検証/権限移譲変革を模索 
2008.12.03 琉球新報  
  

 「独法化しか方法がないならそれでも頑張るが、これまで全適(地方公営企業法の全部適用)の効果的な運営をしていない。来年度から院長に権限がおろされるので、全適の働きは来年度から。それを見てほしい」 

 県立病院の地方独立行政法人化(独法化)をめぐり紛糾した十一月十八日の県医療審議会県立病院のあり方検討部会。大久保和明北部病院長は冷静な口調で述べた。 

 知念清県病院事業局長も「来年度から院長に予算、組織そのほかの運営に必要な権限を移譲する。自由に経営ができるようになれば士気が上がり、経営改善につながる」と訴えた。 

 県立病院事業は二〇〇六年四月、地方公営企業法の一部(財務規定)適用から全適に移行した。一部適用下では人事、定数、予算の権限が知事にあり、機動性の欠如、病院関係者の経営責任の欠如などが指摘されたため、〇四年二月、「県立病院のあり方検討委員会」は全適への移行を提言した。 

 全適では病院事業局として独立し、財務や組織、職員の身分の取り扱いなどの権限を特別職の管理者(病院事業局長)が持ち、無駄を省いた民間病院並みの経営体制の確立を目指すとしていた。しかし、全適に移行して二年半、期待された効果はほとんど出ておらず「偽全適」という指摘すら出ているのが現状だ。 

 病院事業局も全適の効果が出ていないことを認識している。地方自治法、地方公務員法などによる制約を理由に「管理者の権限は制約されたもの」となり、全適にも限界があるとしている。しかし、全国では全適で経営改革に成功した例があるのも事実だ。 

 自治体病院の状況に詳しい伊関友伸(ともとし)城西大准教授は「経営形態変更は『手段』」と強調する。その上で、県立病院の全適の失敗を「ただ全適をすればいいという『手段』が『目的』となった典型」と指摘する。 

 このような指摘に対し、病院事業局の小川和美次長は「これまでやるべきことをしてこなかった」と認め、来年度から予算の編成、執行、流用、非正規職員の採用、医療機器の購入などの権限を院長に移譲し、医療環境の変化に応じた柔軟な人事配置と意思決定の迅速化や経営の効率化を図りたいとしている。 

 ただ、多額の借金を抱える病院事業の立て直しには経営形態を変え、一度借金をゼロにする必要があるという意見も識者の間には根強くある。 

 (「県民の医療」取材班・玉城江梨子)(火-木掲載) 

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