医師不足を 政府の政策の責任に転嫁している 自治体は親の会(http://www.mamorusyounika.com)を積極的に支援すべきである。改革プランに思い切った予算を計上して欲しい


『医師不足を 政府の政策の責任に転嫁している 自治体は親の会(http://www.mamorusyounika.com)を積極的に支援すべきである。改革プランに思い切った予算を計上して欲しい』 

小児医療守れ、母親動く コンビニ受診やめ医師の負担減を 
2008.03.07朝日新聞   
  
安心して医療を受けられる環境をつくろうと、母親たちが立ち上がり始めた。子どもの具合が悪い時も、対処方法を知っていれば無駄な時間外受診を減らせ、医師の負担減にもつながるのでは--。そんな思いを込めて昨春、東京と兵庫でそれぞれに発足した親の会への賛同が全国に広がっている。(辻外記子) 


 ◆要所押さえ自分で判断 勉強会で基礎知識 東京 

 「お子さんがけいれんを起こすと驚きますが、ほとんどは心配ありません。5分以上続く、24時間以内に2回以上ある、意識障害が続くなどの場合は、救急外来を受診してください」 

 3人の子の母でもある小児科医の佐山圭子さんは、昨秋、東京都内で母親たちを前に、子どもが突然起こす症状を取り上げ、対処方法を紹介した。 

 主催したのは、「知ろう!小児医療 守ろう! 子ども達の会」。代表の阿真京子さん(33)=新宿区=が昨年4月に設立した。 

 2児の母でもある阿真さんは3年前、生後9カ月だった長男を連れて、病院で救急受診した。待合室は患者や家族であふれ、長い待ち時間にいらだっていた。医師も焦っていた。 

 その光景をみた感想を友人の小児科医にメールで送ると、「寝ないで24時間以上休まず働くパイロットの飛行機に子どもたちを乗せたいでしょうか。医療現場では日常的なことです」と返事があった。休日夜間に受診する小児患者の多くが軽症だとも知った。 

 「自分で何かできることをしよう」。自らのブログで、医師の負担を減らすため、無駄な受診はやめようと呼びかけ始めた。大阪や茨城、石川の母親らが仲間に加わり、昨秋から薬剤師や医師を招いて勉強会を開く。メーリングリストで、小児科医が病気や薬について解説した文を送る。 

 「『とにかく病院』と焦るお母さんも、基礎知識を持つと、一晩は様子をみていて大丈夫と思えるようになる。おしっこの量は減ったか、食欲はあるかなど、ポイントをつかめば、親でも判断できることがあります」と阿真さん。 

 現在の会員は母親や医師、薬剤師ら計25人。今月29日にも勉強会を予定。新年度には東京以外でも勉強会を開くという。問い合わせは、メール(iryo_000@yahoo.co.jp)で。 


 ◆医師感激、「辞めません」 症状別手引、病院と共作 兵庫 

 兵庫県立柏原(かいばら)病院(丹波市)の小児科を守る会は、去年4月にできた。医師不足のため、受診制限が始まったのがきっかけだ。かかりつけ医の紹介状を求めるようになった。 

 次男がぜんそくを持つ杉浦保子さん(29)は、当初、紹介状の意味がわからなかった。「柏原病院がかかりつけ病院なのに」 

 母親仲間らと「勉強」を始めてやっと、医師は当直翌日も夕方や夜まで働いていると知った。疲弊のあまり、1人だけの常勤医が退職しそうなことも。「具合が悪ければ受診していたけれど、医師が疲れる原因は患者側にもあるのかも」 

 医師増員を県に求める署名活動を始めるとともに、用紙の裏に「軽症でもすぐに病院にいく『コンビニ受診』を控えましょう」と書いて呼びかけた。約1カ月で5万5千人分が集まった。 

 同時に、保護者側にも、子どもの変調はどこまで様子をみていて大丈夫か、どの時点で救急外来に行けばいいのか、といった知識が必要なことも痛感した。 

 病院に監修を受け、熱やせき、嘔吐(おうと)、下痢など症状別にチェック事項をまとめたチャート=図=を作った。保健師の協力で、乳児健診などで配ってもらった。 

 効果は夏ごろから目立ってきた。去年8~12月の小児科の時間外受診は187人と、前年同期の4割以下。だが入院に至った重症者はほぼ同数の40人。 

 会の活動を知った神戸大は10月から医師を派遣。月3日の専門外来のほか、当直の支援をしてくれる。 

 一時は退職を決意していた和久祥三医師(41)は、会の活動に感激して翻意。母親たちの取り組みを知り「ぜひここで働きたい」と希望者も現れた。4月には、若手小児科医2人がやってくる。 

 活動の輪は広がる。丹波市の隣の西脇市で今年1月、市立西脇病院小児科を守る会が結成。全国各地から問い合わせがある。千葉県東金市で今月1日にあったシンポジウムで、柏原の会の代表、丹生裕子さん(37)はこう話した。「行政に動いてもらうのではなく、私たち自身が変わり、動かなくては」「医師と患者が互いに思いやりを持てば、安心の医療が受けられる環境ができるはずです」 

    ◇ 

 同会作成のチャートはホームページ(http://www.mamorusyounika.com/)からダウンロードできる。また43都道府県では、電話「#8000」にかければ、医師らのいる相談窓口につながる。 


 ◇医療崩壊食い止めに力 

 北海道夕張市立総合病院の経営アドバイザーを務めた伊関友伸(ともとし)・城西大学准教授の話 いつでも高水準の医療を受けたい患者と、人として当たり前の生活を送りつつ納得のいく仕事をしたいという医師の間の「溝」をどう埋めるかが課題。医師が足りないなら自分たちに出来ることを--という問題の本質に気付いた母親たちの活動は、医療崩壊の食い止めにつながるだろう。コンビニ受診の背景には、孤立感や不安がある。親たちが集まり、情報を共有することの意義は大きい。全国の子育てサークルに広がることを期待している。