氷見市再生 連載報道・・・・「自己責任」「自助努力」を求めて、公立病院に経営効率化を促すため交付税が大きく引き下げられた。


『氷見市再生,連載報道・・・・「自己責任」「自助努力」を求めて、公立病院に経営効率化を促すため交付税が大きく引き下げられた。その結果、氷見市は建て替えが難しくなったが,指定管理者移行により金沢医科大学と協力して適切な新築ができる事になった・・・壮絶な改革で不適切な税金投入の根絶に成功した氷見市には第5次経営健全化措置を上回る政府の財政支援がなされると思う』 


地域格差に挑む:17)氷見市:中,「改革の痛み」は急に来た 
2008.02.14朝日新聞   
  
富山県氷見(ひみ)市が市民病院の公設民営化で挙げた、もうひとつの理由は地方交付税の激減だった。 

 市によると、三位一体改革が始まる前の03年度に約80億円あった交付税が、07年度は67億円になった。この間の市税収入の伸びの2倍近い減り方で、病院にも資金を回せなくなった。 

 もともと自治体病院には、ベッド1床あたり全国一律の交付税がある。それが97年度の約74万円から、01年度には59万円台になり、06年度は49万円を切った。その代わりに病院運営の実態に沿った別枠の交付税が用意されたし、一連の減額幅は全国共通なので、氷見市だけがとくに痛手を受ける理由にはならない。 

 それでも氷見市が直面したのは、10年間に病院関連だけで1億円の交付税が削られたという厳しい現実だった。 

 築40年の市民病院には、建て替え事業への交付税削減もきつかった。01年度までは実質的に建設費の約4割を国が負担してくれたが、02年度から3割になり、03年度からは22・5%に減った。 

 「自己責任」「自助努力」を求めて、公立病院に経営効率化を促すための引き下げだった。その結果、氷見市は建て替えが難しくなった。 

 小泉元首相は「改革には痛みを伴う」と繰り返した。その「痛み」が交付税の急激かつ大幅な削減という形で、各地の貧しい自治体に降りかかっている。 

 全国の公立病院が抱える実質赤字の総額は、06年度決算で初めて7千億円を超えた。政府の交付税削減と医療費抑制のダブルパンチが地域格差を広げながら、病院の再編、統廃合を迫っている。 

 そんななか、氷見市は公設民営化を選んだ。今春から20の診療科数は維持しつつ、一般病床は363から250に減らす。病院の建て替えも確約している。 

 だが、これが最善策かどうかはまだわからない。全国で40例を超す公設民営化で求められるのは、住民のための地域医療の確保と維持だ。問われるのは収支だけではない。(編集委員・坪井ゆづる)