病院間連携で、医師派遣は公務員兼職禁止規定に抵触しない・・・


『病院間連携で,医師派遣は公務員兼職禁止規定に抵触しない・・・公立病院の役割は地域医療守る事である。勤務医師は主たる勤務先である公立病院にのみ執務する事が求められるのではなく 地域の実情に応じて複数の病院で執務する事は職責が大目的に合致しているのでまったく問題ない』 

地方公務員法第35条(職務に専念する義務) 
 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない 

公立病院、医師不足に病院タッグ 常勤医を相互派遣 焼津・島田 /静岡県 
2008.02.06朝日新聞   
  
 焼津市立総合病院(太田信隆院長)と市立島田市民病院(西村善彦院長)は5日から医師の相互派遣を始めた。医師がいなくなった診療科を休止させないための連携で、県厚生部医療室によると、県内でも初の取り組みという。慢性的に医師不足が続く地域や診療科がある中、診療を維持する新しい試みとして注目されそうだ。(根岸敦生) 


 5日は島田市民病院の近藤真言副院長(循環器科)が焼津側で入院患者を診察。6日には島田側に焼津市立総合病院の小谷仁人・総合診療内科長が出張して糖尿病・代謝内科で外来患者の診察をする。 

 今回の医師の相互派遣は、焼津側は循環器科の常勤医4人が、島田側は糖尿病・代謝内科の常勤医1人がそれぞれ3月末で退職するのに伴うもの。日数は相互に週1日の予定。 

 循環器科の医師を受け入れる焼津市立総合病院の太田院長は「手術をする際に、循環器の専門医の事前のチェックがあるかないかでは安全の度合いが違う」と話す。 

 特に麻酔をする場合には循環器科医の検診は必要だ。島田側から派遣される近藤医師は基本的には入院患者の診察を担当してもらうことにしている。 

 一方、島田市民病院の西村院長は「糖尿病・代謝内科は週1回の外来診療に縮小と考えていたが、焼津からの派遣で外来の診察日が週2日にできる」と話す。 


 ○出張命令出す形で解決 公務員兼職禁止規定の壁 

 今回の連携は、常勤の麻酔科医がいない焼津市立総合病院に、以前から島田から応援の医師を派遣するなど、相互の関係が緊密だったことが背景にある。 

 公立病院同士で医師を派遣し合う際に、壁となっているのが公務員の兼職禁止規定。今回はそれぞれの院長が出張命令を出す形で派遣することとし、その報酬は派遣元の病院が支払うことにしている。 

 厚生労働省医政局総務課によると「今回のような例が全国にあるかどうか、実態は把握していない」と話す。実際に派遣される医師の立場として、5日に焼津に赴いた近藤医師は「将来的には兼職禁止規定の例外を認める方向を打ち出して欲しい。システムが違う離れた病院に行くという、医師に負担を強いるだけでは続かない」と話している。

 島田市の桜井勝郎市長は「焼津とは病院同士の信頼関係が強い。さらに診療科目の相互の補完ができないか、模索していきたい」と話す。また焼津市の戸本隆雄市長も「一カ所の病院ですべてをまかなうのは難しくなっているのが現実。このエリア、志太榛原地区の4病院の関係強化は必須だ」と話している。 


 ○病院間、広がる連携 県中西部 

 今回の連携に限らず、県中西部では別の病院同士の関係強化も模索されている。 

 牧之原市の榛原総合病院(茂庭将彦院長)は、藤枝市立総合病院が分娩(ぶんべん)の取り扱いをしなくなった場合に備えて、島田市民病院と新生児医療に関しての協力を申し入れ、島田側が受諾した。茂庭院長は「分娩件数が増えて、新生児医療が必要なケースが増えると榛原のスタッフだけではまかない切れない」と話す。 

 このほか、市立御前崎総合病院の産婦人科では産科オープンシステムとして、妊娠34週までの妊婦健診を担当、それ以降は榛原総合病院での診察に託すという連携をとる。また、御前崎総合病院の泌尿器科は4月から榛原総合病院から医師の派遣を受ける予定だ。 

 公立森町病院は1月、磐田市立総合病院と「医療連携及び協力に関する協定」を結んだ。現在は森町側が病理検査の委託などをするのにとどまっているが、森町病院の鈴木寿一事務局長は「将来的には医師の派遣をお願いしたい」と話している。 

 公立病院同士の連携の動きに関し、県厚生部医療室の増田和義室長は「焼津と島田の提携のように、相互に医師を派遣し合うという例は初めて聞いた。得意分野を生かしつつ、地域医療を守るという試みは勤務医不足の昨今、現実的な対応だと思う」と話している。