想定外?糸魚川医療生協「姫川病院」病院(組合債,  紙くず!)


 
『 想定外?糸魚川医療生協「姫川病院」病院(組合債,  紙くず!) 
原告の主な主張は〈1〉組合債発行自体が出資法に反し、リスク説明義務違反もあった〈2〉違法発行の組合債で返済された借入金は不当利得であり、銀行は返還義務を負う--など。設備投資などに充てるべき組合債が大規模設備投資が行われなくなった95年以降、借入金返済や資金繰りに充てられていたのは、組合債発行自体が出資法違反(預かり金の禁止)に当たるとしている』         
  
    

[ぴっくあっぷ]姫川病院「なぜ破たん」 債権者、裁判で真相追及=新潟 
2008.06.26読売新聞  
 ◆閉院1年 

 経営破たんを理由に、糸魚川市の糸魚川医療生協「姫川病院」が閉院して1年。地域医療は崩壊の危機にひんする一方、病院の債権者が旧経営陣、主力銀行などを相手に損害賠償を請求、破たんに至った真相を追及している。なぜ地域の基幹病院は突然閉院したのか、関係者から聞いた。(山田博文) 

 ■債権者は今 

 杖をついたお年寄りがおぼつかない足取りで続々会場に詰めかけた。21日、姫川病院債権者の会(川原貞治代表)が市内で開いた報告会。100人の予定は約80人オーバーし、会場に入りきれない人も出た。 

 冒頭、原告代理人の弁護士が語りかけた。「病院からお金を取れないのは最初からわかっていたこと。落ち込まないでほしい」 

 今月9日の債権者集会で病院の破産管財人が、約23億円の負債に対し、確保できた現金が診療報酬など約1億1000万円にとどまることを報告した。しかも、現金は職員の退職金や税の支払いなどが優先される。仮に建物が売却できても主力銀行の担保に入っており、債権者にはほとんど還元されない、との内容だった。 

 一方、破たん時の債権者は341人。川原さんによると、組合債は病院の治療費に充てられること見込んで購入した70歳以上の高齢者が大半だ。「被害を家族にも話せず、夜も眠れずにうつ状態になっている人もいる。なぜ病院がつぶれたのかを一刻も早く究明し、勝利判決がほしい」と川原さんは訴える。 

 ■裁判の行方 

 新潟地裁高田支部では25日、口頭弁論のための手続きが行われ、次回期日が8月6日に決まった。 

 原告側はこの日、双方の主張が出そろうことを期待したが、被告側は「基礎資料が多すぎて、それを収集している段階」として、銀行を除き、準備書面の提出を見送った。 

 裁判は債権者から84人(当時)が原告となり、被害救済と真相究明を求めて昨年12月に提訴した。被告は元理事長と理事経験者9人、そして元病院長、主力銀行の富山第一銀行。 

 原告の主な主張は〈1〉組合債発行自体が出資法に反し、リスク説明義務違反もあった〈2〉違法発行の組合債で返済された借入金は不当利得であり、銀行は返還義務を負う--など。設備投資などに充てるべき組合債が大規模設備投資が行われなくなった95年以降、借入金返済や資金繰りに充てられていたのは、組合債発行自体が出資法違反(預かり金の禁止)に当たるとしている。 

 これに対し、元院長は「組合債に関与したことはない」との陳述書を提出し、関与を否定。 

 銀行も25日提出した準備書面で、破たんまで遅滞なく借入金返済が続いた事実は認めたが「病院の事業収入で返済された」との認識を示し、「仮に調達資金が混在していても、病院の運営・維持のために行われた」として、出資法違反を否定した。 

 裁判では、被告代理人が元院長、銀行、元理事の3系統に分かれ、それぞれの責任や関連資料が異なり、歩調を合わせるのが困難になっている。10人の被告を抱える元理事側の代理人は「次回も準備書面提出は厳しい」とし、裁判は長期化しそうな状況だ。 

 ■突然の自己破産 

 経営破たんを巡っては、昨年5月29日の総代会を無事乗り切った直後の6月4日に突然、自己破産決定がされた。主な理由は、医師減少で医療収入が減るなか、組合債の解約が殺到して資金繰りが立ちゆかなくなった、というものだった。 

 ではなぜ、解約は殺到したのか。債権者らは、病院経営にかかわりながら組合債を持っていない理事が多いことを疑問視する。「もし、有力者だけが経営危機を知って直前に組合債を解約したとすれば、余りに不公平」との声が聞かれる。 

 元院長の高給優遇が続いていたことにも、納得がいかない債権者は多い。管財人報告などによると、経営悪化した99年度以降、職員給与は定期昇給にとどまったが、元院長の給与は02年度で3770万円、その後も高給が続いたという。厚生労働省が昨年実施した医療経済実態調査では、姫川病院の類似病院の院長の年収は約2000万円(06年度)。21日の債権者報告会では参加者から「トップが減収して取り組めば、再建できたはず」との意見も出た。 

 医師不足、病院経営難は全国的問題だが、破産に至るケースは珍しい。 

 川原さんは「裁判を起こさなければ、何もわからずじまいだった。姫川病院の破たんは原告や出資者、元職員、そして市民みんなが被害者。各自が知っている情報を少しでも集めて、真相に迫りたい」と話す。 


  
(参考) 

「医療機関債」発行のガイドライン・・厚労省 

このガイドラインは、医療機関を開設する医療法人が、資金調達のため債券を発行するに当たり、適切なリスクマネジメントの下、関係法令に照らし適正かつ円滑になされることに資する観点から、債券の発行から償還に至るまでの各種手続き等に関し、購入者の自 
主的な判断のための情報の開示を始め医療法人が遵守すべきルール及び留意点を明らかにするものであること。 

第1 医療機関債の定義 

1 このガイドラインにおいて、医療機関債とは、医療機関を開設する医療法人(医療法(昭和23年法律第205号)第39条の医療法人をいう。以下同じ。)が、民法上の消費貸借として行う金銭の借入れに際し、金銭を借入れたことを証する目的で作成する証拠証券をいうものであること。 

2 医療機関債は、借入金の返還請求等の権利を表彰している点で講学上の有価証券に該当し得るが、証券取引法(昭和23年法律第25号)第2条に規定する同法の有価証券には該当しないものであること。 

第2 遵守すべき事項等 

1 医療機関債を発行できる医療法人 

① 医療法人は、医療機関債の発行に当たっては、「出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」(昭和29年法律第195号。以下「出資法」という。)及び医療法(自己資本比率に係る規定を含む。)その他法令に抵触しないようにしなければならないものであること。その際、当該医療法人が医療機関債を発行する年度の前年度から遡って3年度以上税引前純損益が黒字であるなど経営成績が堅実であることが望ましいものであること。 

② 医療法人運営管理指導要綱(平成2年3月1日付健政発第110号「病院又は老人保健施設等を開設する医療法人の運営管理指導要綱の制定について」の別添。以下「運用管理指導要綱」という。)の「Ⅰ 組織運営 2 役員 (6)監事」においては、負債100億円以上の医療法人については、公認会計士又は監査法人による監査あるいは指導を受けることが望ましいこととされており、医療機関債を発行する医療法人は、医療機関債の発行により負債総額が100億円以上となる場合を含め負債総額が100億円以上である場合又はそれぞれ1回当たりの発行総額が1億円以上若しくは購入人数が50人以上である場合には、公認会計士又は監査法人による監査を受けるものとすること。なお、これらの場合のほかも、医療法人が医療機関債を発行するときは、公認会計士又は監査法人による監査を受けることが望ましいものであることに留意すること。 

2 借入金たる性格の明確化 

① 医療機関債は、資金を借り入れる医療法人の資産の取得の利便のために発行するものとし、資産の取得以外の目的のためには発行しないものとすること。その発行に当たっては、金銭消費貸借契約に基づく医療法人の借入金を証するものである旨を、発行の目的、対象等とあわせて後記4①の発行要項等に明確に定めるとともに、発行対象者に周知する手段を講ずるものとすること。 

② 医療法人が医療機関債の発行により資金調達を行うに当たっては、出資法第1条(出資金の受入制限)及び第2条(預り金の禁止)に抵触しないよう留意するものとし、その際、出資法第2条に関しては、金融庁の「事務ガイドライン」(金融庁HPhttp://www.fsa.go.jp)第三分冊金融会社関係の「2 預かり金」を参考にすること。 

3 医療法人の内部手続 

① 医療法人が、医療機関債を発行して行う金銭の借入れは、運営管理指導要綱の「Ⅲ管理 3 会計管理 (3)債権債務の状況」にいう借入金に該当することから、社団の形態をとる医療法人にあっては理事会及び社員総会の議決(評議員会を有するものは、その議決)を経て行うものとし、財団の形態をとる医療法人にあっては理事会及び評議員会の議決を経て行うものとすること。 

② 医療法人は、医療法第41条及び医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号。以下「規則」という。)第30条の34の規定(自己資本比率)を常時満たすことが必要であり、医療機関債の発行により資金調達をした場合においても、同様である 
こと。 

4 発行要項の策定等による情報開示 

① 医療機関債を発行するに当たっては、医療法人は、発行要項(借入金の目的である事業の概要や償還資金の調達方法、発行期間等を記した購入申込者向けの説明書であって中長期的な事業計画との関連での資金の償還に係る計画を含むもの。)を作成するものとすること。この発行要項においては、医療機関債は証券取引法の適用がなく、その定める手続によらないものであることを明記するものとすること。 

② 医療法人は、発行時点において、上記①の発行要項の他、法定の財産目録、貸借対照表及び損益計算書に加えて、事業計画書、事業報告書等を作成し、購入申込者に対して開示するものとすること。 

5 発行条件等 

(1)利率等 
① 利率等の条件は、一回の発行に当たり同一であるものとすることとし、一般の購入者と医療法人の役員及び当該役員の同族関係者との間で、差異を設けてはな 
らないこと。 
なお、医療法人の役員及び当該役員の同族関係者について利率等に差異を設けることは、医療機関債の発行主体が、特別医療法人及び特定医療法人であるとき 
は規則第30条の35第1項第5号及び租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号)第39条の25にいう「特別の利益の付与」に該当する可能性がある 
ことに留意すること。 

② 利率の決定に当たっては、発行予定日2カ月前発表の新発長期国債利回りに1%を上乗せしたものを標準利率とし、その標準利率の2倍に相当する率又は標 
準利率に2%を上乗せした率のいずれか低い方の率を限度とすることが適当であることに留意すること。 

(2)購入者の範囲 
医療法人の役員及び当該役員の同族関係者を始めとする相互に特殊な関係をもつ特定の同族グループに限定しないものとすること。 

(3)譲渡制限 
① 医療機関債の譲渡制限については、医療法人の適正な運営の観点を十分に踏まえ、対応するものとする。 

② 医療機関債の譲渡を制限する場合は、民法等関係法令を踏まえ、その制限の内容、制限下において譲渡する際に必要な手続き等について、あらかじめ定めてお 
くものとすること。 

(4)明 示 
上記の内容については、前記4①の発行要項に明示した上で債券を発行するものとすること。あわせて、その内容を当該医療機関のホームページに掲げること等により明示することが望ましいこと。 

6 債券購入者等との関係 


(1)診療差別の排除 

① 医療法人が、開設する医療機関の施設内に前記4①の発行要項等を掲示することは差し支えないが、当該医療機関の患者・家族等に対し、医療機関債の購入を 
強制したり、又は強制しているとの誤解を受けることがないようにするものとすること。 

② 医療法人が、医療機関債の購入者に対して、利子の支払いの他に経済的利益を付与する際には、当該経済的利益は健康保険法(大正11年法律第70号)その 
他法令の規定に基づく医療に係るものであってはならないものであること。 

(2)経営介入の排除 

① 医療機関債の購入者は、設定された金利等を受け取り、償還期日が到達した際、表示された債務の償還を受ける権利があるのみであり、その購入をもって法的に医療法人の経営に影響を及ぼす立場に立つものではないこと。 

② 購入者1人当たりの購入口数又は購入額に上限を設けることは、差し支えないものであること。 

(3)決算期ごとの情報の開示 

① 医療法第52条第2項においては、医療法人の債権者は、医療法人の執務時間内はいつでも、財産目録、貸借対照表及び損益計算書の閲覧を求めることができ 
ることとされており、医療法人は、同項の債権者としての医療機関債の購入者の閲覧の求めに応じなければならないものであること。その際、医療法人は、これ 
らに加え、事業計画書や事業報告書等についても、これら法定の書類と同様に毎年作成し、決算期ごと、債権者に対して情報提供を行うものとすること。 

② 上記①の開示の方法については、ホームページ等で公開することによることとしても差し支えないものであること。 
( 
4)条件の変更 
医療機関債の発行の際に明示した条件(利率、償還期日等)を変更するときは、医療法人は、購入者全員による集会の開催等により購入者の同意を得るものとし、その同意を得る方法については、これをあらかじめ定めた上、前記4①の発行要項に明示するものとすること。 

7 償還 
(1)繰上償還 
医療法人が、満期日前に医療機関債の償還をしようとする場合は、あらかじめ購入者全員に対する説明と同意を得るものとし、その同意を得る方法については、これをあらかじめ定めた上、前記4①の発行要項に明示するものとすること。 

(2)期中償還 
満期日前に、購入者の死亡等の理由により、相続人からの医療機関債の償還の申し出があった場合には、医療法人が買入れ償還することができるものであること。 

附則 
このガイドラインについては、公表後3年を目途として、その内容に検討を加え、その結果について見直すものとすること。