選択と集中 の光と影・・政策は正しいが微調整が必要と痛感します


『 選択と集中 の光と影・・政策は正しいが微調整が必要と痛感します 』 

[@記者席]医療集約化の難しさ痛感=富山 
2008.06.22読売新聞 東京朝刊 27頁 (全594字)  
 「救急車を受け入れられるようになりました」。富山労災病院(魚津市)の三輪晃一院長が取材に声を弾ませた。 

 県内でも多くの病院で医師不足が深刻化しているなか、同病院では今年度から、内科医が循環器の専門医を中心に6人増え、12人に倍増した。 

 移ってきた医師の多くが、氷見市民病院に勤務していたという。公設民営化を巡る反発で富山大が医師を引き揚げた影響がこんな所に現れたのかと驚いた。しかし同時に、「なぜ富山労災病院だけ増やすのか」との疑問もわいた。 

 理由は「集約化」。医師を1人ずつ病院に派遣するより、1つの病院に集中させている方が、専門医の養成や過重労働の解消につながるという。 

 医療の集約化に向けた動きが県内でも目立つ。県は今月、富山市民病院のNICU(新生児集中治療室)の休止を受け、県立中央病院などへの集約も検討する方針を示した。 

 だが、氷見市民病院の脳外科医が昨年4月、済生会富山病院に移った事例は、集約化が抱える課題も浮き彫りにしたと思う。 

 済生会富山に「脳卒中集中治療室」が開設され、手術実績が急増した点は県全体にとって歓迎できる成果と言えそうだが、「患者を市外に運ばざるを得なくなった」と嘆く氷見市の救急隊員の声が忘れられない。 

 「集約化は、医師を引き揚げられる市町村の抵抗が大きい」と県幹部が指摘するのもうなずける。集約化で喜ぶ人、困る人。意見を聞くほど、問題の難しさを痛感した。(丸山修)