『不適切な税投入皆無に』  「氷見は(財政再建団体の)"夕張"になりそうだったが、病院を守りつつ自治体も守れた」と改革を評価するのは、経営改革委の委員長を務めた東日本税理士法人の長隆さん。「不適切な税金投入が無くなり、従前の診療体制を維持している」と指摘。私立医大の公立病院経営を「地域医療を守る最高のシステム」とし「医師不足で現状維持さえ難しい中、大成功ではないか。金沢医科大はよくやっている」と称賛している』



『不適切な税投入皆無に』 
 「氷見は(財政再建団体の)“夕張”になりそうだったが、病院を守りつつ自治体も守れた」と改革を評価するのは、経営改革委の委員長を務めた東日本税理士法人の長隆さん。「不適切な税金投入が無くなり、従前の診療体制を維持している」と指摘。私立医大の公立病院経営を「地域医療を守る最高のシステム」とし「医師不足で現状維持さえ難しい中、大成功ではないか。金沢医科大はよくやっている」と称賛している』 



民間手法で“健康体” 『氷見市民病院』再出発2カ月余 
2008年6月16日 中日新聞 

4月に指定管理者制度を導入し民営化された氷見市民病院=氷見市で 
  
  
赤字体質→職員の人件費を抑制 
医師不足→富大や金大と連携へ 
運営手応え 2年後には建て替えも 
 氷見市民病院が公設民営の「金沢医科大学氷見市民病院」として再出発して二カ月余。運営は軌道に乗り始め、二年後の新病院建設に向け動きだした。医科大が既存の自治体病院を運営する形態は、公立病院改革の試金石として大きな注目を集めている。 (美細津仁志) 

 「大学が自治体病院を運営するのは珍しい。失敗は許されず、重い責任を感じている」。氷見市内で五月二十四日に開かれた開院記念式典。氷見市から“経営のバトン”を受けた小田島粛夫・金沢医科大学理事長は、あいさつの中でこう覚悟を述べた。 

 わずか一年で大きく進んだ改革だった。累積赤字は三十六億円。さらに二〇〇七-〇九年度で計十四億-十五億円の不良債務の発生を見込んだ市は、当時の「公設公営型」は限界と判断。〇七年四月に全国の医療専門家らによる経営改革委員会を発足させた。同年五月には「公設民営化がベスト」とする答申を受け、十一月に市議会で指定管理者が議決。息もつかせぬ早さで今年四月の開院にこぎ着けた。 

『3年めどに収支を均衡』 
 民営化の最大のメリットは経営の黒字化だ。「三年をめどに収支均衡を図れる」と竹越襄最高経営責任者(CEO)。民間の手法を生かし、医療機材を低コストに抑えられるためだ。併せて県内でも最高レベルだった病院職員の人件費を段階的に大学の水準に合わせる。医師は今後も独自に獲得を進める一方、金沢大、富山大との連携でも充足を目指す。慢性的に不足する看護師は「もう三十-四十人増やしたい」(竹越CEO)方針だ。 

 次の目標は老朽化した病院の早期建て替え。経営改革委は答申の中で、二年以内の着手を求めており、市などは四月から建設地、建設手法の検討を進めている。病院への赤字補てんが不要になったことで設備投資が可能となり、工事も民間手法で建設費を大幅に下げられると見込む。 

『不適切な税投入皆無に』 
 「氷見は(財政再建団体の)“夕張”になりそうだったが、病院を守りつつ自治体も守れた」と改革を評価するのは、経営改革委の委員長を務めた東日本税理士法人の長隆さん。「不適切な税金投入が無くなり、従前の診療体制を維持している」と指摘。私立医大の公立病院経営を「地域医療を守る最高のシステム」とし「医師不足で現状維持さえ難しい中、大成功ではないか。金沢医科大はよくやっている」と称賛している。 

 全国では自治体病院の四分の三が赤字。県内でも自治体が運営する十一の公立病院の二〇〇六年度の純損益は二千七百万-十億三千四百万円のいずれも赤字だ。 

 今回の改革で病院存続だけでなく、市の財政破たんも当面は乗り切った格好の氷見市。民営化で、不足する医師を拡充し、老朽化した病院を建て替える-。こんな夢のような話を今後も描き続けられるか、金沢医科大の手腕が問われている。