佐賀県立病院好生館、佐賀大付属病院、白石共立病院の三カ所で取り組む電子カルテのネットワーク構想を強く支持します。 ガイドラインも財政支援を明確にしています・・・














『佐賀県立病院好生館、佐賀大付属病院、白石共立病院の三カ所で取り組む電子カルテのネットワーク構想を強く支持します。 ガイドラインも財政支援を明確にしています・・・ 

目指すは同じ目標。なのに協議は堂々巡り。当事者である沖田信光県医師会長(68)は「それぞれのやり方を持つ病院が一体化するには多くのハードルを越えないといけない』 





(ガイドラインより抜粋) 



再編・ネットワーク化に伴う新たな医療機能の整備に要する経費 

公立病院等(公的病院を含む。)の再編・ネットワーク化に係る施設・設備の整備に際し、通常の医療機能整備に比して割高となる経費の一部について一般会計からの出資を行う場合、病院事業債(一般会計出資債)を措置するとともに、その元利償還金の一部を普通交付税により措置する。 



(報道記事) 



佐賀県/きしむ医療<5完>連携 利害超え、現状打破を-連載 

2008.05.31西日本新聞   

 ■2008 年次企画 さがの明日■ 



 四月の朝。佐賀市内の七十代後半の女性は、かかりつけ医に目まいを訴えた。医師は脳の撮影画像を見るなり、救急搬送を指示し、女性は急性期医療の福田脳神経外科病院(佐賀市)へ。紹介状を受けた田口明院長(45)が診療にあたった。 



 「小さいが、脳内出血がある」 



 即入院。降圧剤を点滴し、自然治癒を待つ。三週間後、女性は退院を迎えた。《症状は落ち着きました。リハビリが必要です》。田口院長はかかりつけ医に返事を書き、女性を引き継いだ。 



 急性期と回復期を分担する「病病連携」。脳卒中の患者が大半を占める同病院では、急性期を脱すれば、市内五カ所の病院へと患者を移す。各医療機関が、互いの能力や特性を生かし合う試みは着実に成果を挙げているものの、患者にとっては転院による不安も付きまとう。「退院まで、どうなりますか」と訴える患者は多く、不安解消が目下の課題だ。 



   □   ■ 



 国が医療再生の抜本策を示せない中で、重みを増す連携体制の構築。県の医療施策の指針「第五次保健医療計画」でも連携体制づくりが鍵を握っている。しかし、自治体、大学、病院の思惑は必ずしも一致しない。 



 四月上旬、県医師会(佐賀市)の一室。県内の医療界と自治体のトップらが顔を合わせ、非公式会合を開いていた。 



 意見交換で、首長らは医師不足や経営悪化にあえぐ自治体病院の窮状を延々と訴える。聞き役に回った佐賀大医学部付属病院の宮崎耕治院長(59)は不安に駆られた。 



 県内で唯一、各医療機関に医師を派遣する側の佐賀大もまた、医局の医師が足りない。特に産科や外科は医師不足が激しく「県内全体で診療科を絞り込み、医師を互いに共有化しないとどうしようもない」と、改革待ったなしの立場だ。 



 だが、首長たちが求めるのは「どうすれば、病院を以前の状態に戻せるか」。会合に参加したある市長は「改革の必要性は分かる。ただ、人命が絡むだけに、簡単に『隣町の病院を利用しましょう』とはいかない」。 



   □   ■ 



 県立病院好生館、佐賀大付属病院、白石共立病院の三カ所で取り組む電子カルテの「ネットワーク構想」。各病院が患者の診断情報や画像などを共有でき、重複検査の無駄も省ける。関係者間で十年前に立案し、県を含め現在も調整を続けているが、なかなか日の目を見ない。 



 電子カルテ自体は各病院で導入済み。それでも実現しない理由の一つは高額な設備投資。さらに「事業の推進役をどこが担うか」(関係者)など互いの出方をうかがうような雰囲気も漂う。 



 目指すは同じ目標。なのに協議は堂々巡り。当事者である沖田信光県医師会長(68)は「それぞれのやり方を持つ病院が一体化するには多くのハードルを越えないといけない」と指摘する。 



 医療現場のきしみを崩壊の予兆にしてはならない。自治体、大学、医療機関の「連携」は、現状打破のキーワードとなりうるのか。それは、すべての当事者による利害を超えた決意にかかっている。=おわり 



(この連載は佐賀総局・東伸一郎、多久小城支局・座親伸吾が担当しました) 



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 ●プレーバックNEWS=第5次保健医療計画 



 県の医療施策の指針「第5次保健医療計画」(5カ年)がスタートしたのは今年4月。「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞(こうそく)」「糖尿病」の4疾病と、「救急」「災害時」「へき地」「周産期」「小児」の5事業に加え、在宅医療で連携体制の構築を重点化した。医療機能の分化・連携による切れ目ない医療を前面に掲げる。数値目標も具体的で、例えば、肺がんでは2012年度までに受診対象者の検診受診率を50%以上とするなど細かく設定されている。