一般地方独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」・・・公立病院の改革が迫られる中で行き着いた「脱・公営企業」の道。栗谷理事長は「従来の手法では立ち行かない現状を理解してもらうしかない」と話し、経費節減と職員の意識改革で「お役所体質」からの脱却に意欲を燃やす ・・・

日本海総合病院

『一般地方独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」・・・公立病院の改革が迫られる中で行き着いた「脱・公営企業」の道。栗谷理事長は「従来の手法では立ち行かない現状を理解してもらうしかない」と話し、経費節減と職員の意識改革で「お役所体質」からの脱却に意欲を燃やす ・・・2008年7月2日 東日本税理士法人主催のセミナーで 栗谷理事長と佐藤部長から スタート開始3月間の詳しい現場情報 を お聞きできます 』       
  
    

リポート2008/酒田・2病院統合から1カ月/“脱お役所”で経営改革 
コスト意識を徹底/診察券が別々、現場や患者に戸惑いも 
2008.05.18 河北新報  


 酒田市の山形県立日本海病院と市立酒田病院が経営統合され、それぞれ「日本海総合病院」「酒田医療センター」に衣替えして1カ月が経過した。一般地方独立行政法人「県・酒田市病院機構」が経営にあたる非公務員型の道を歩み始めた同病院。地域医療の充実と健全経営の両立を目指すが、患者や職員の中には戸惑いもあるようだ。(酒田支局・浅井哲朗) 

<健全化に決意示す> 

 「公立よりも動きやすい法人のメリットを生かすためには、コスト意識と積極的に事業展開する姿勢が必要だ」。4月初旬の朝、日本海総合病院内の一室に幹部を集めた統合後の初会合で、栗谷義樹理事長は強調した。 

 栗谷理事長は1998年に市立酒田病院長に就き、同病院は2001年度から06年度まで単年度黒字を計上。頻繁な意見交換会で職員にコスト意識を植え付けるスタイルで、出席者に経営健全化への決意を示した。 

 総務省によると、自治体病院は06年度、全国の75%が赤字。日本海は1993年度の開設以降、巨額の建設費返済が足かせとなり累積赤字は100億円を超す。市立酒田も老朽化が激しく、2キロしか離れていない日本海との共倒れを危惧(きぐ)した酒田市の提案で統合が成立した。 

 自治体病院の改革が迫られる中で行き着いた「脱・公営企業」の道。栗谷理事長は「従来の手法では立ち行かない現状を理解してもらうしかない」と話し、経費節減と職員の意識改革で「お役所体質」からの脱却に意欲を燃やす。 

 県からの出向職員には、3年後に残留か否かの意向を聞いており、自前の採用職員が増えることになる。 

<利便性の向上課題> 

 計画では日本海総合病院が発病や受傷直後の急性期を、酒田医療センターが回復期の医療を担う。4月からは10年度までの移行期として、日本海総合病院20科、酒田医療センター7科に再編され、医師や看護師、職員も異動した。 

 統合前に、一つの病院で複数科を受診してきた高齢患者にデメリットが生じるケースも出ている。日本海病院だけで事足りていたという酒田市の無職男性(65)は「消化器科が酒田医療センターに移ってしまった。病院も先生も変えてほしくないのだが」と不安を口にした。 

 日本海総合病院では電子カルテ、酒田医療センターでは紙カルテ-などと職場環境の違いも現場が戸惑う一因だ。「もっとしっかり対応してほしい」。患者の声を集めた掲示板にはこんな意見も出された。 

 病院側は両施設にシャトルバスを一日10往復走らせるなど、利便性の向上に懸命。いまだに別々の診察券も患者にとって煩雑なため、一つにできないか検討中だ。患者からは「誕生日に千羽鶴付きのメッセージカードをもらったことは以前にはない。看護師さんたちの気持ちが伝わってくる」という高評価も聞こえる。 

<病床利用90%目標> 

 佐藤護法人管理部長は「それぞれの『文化』の違いはある。情報を出し合って、問題を解決したい」と話す。 

 転院準備の影響もあって、07年度の病床利用率は日本海85.4%、市立酒田67.6%にとどまった。中間目標では11年度にはともに90%台に乗せる方針。地域の開業医とのネットワークづくりも進め、医師の過重労働を防ぐことも課題だ。 

 栗谷理事長は「職員にとって働きやすい環境をつくり、いい医療を提供できるようにしたい」と話している。