『全国で改革プラン策定の動きを伝える報道』


『全国で改革プラン策定の動きを伝える報道』 

①長野県の公立病院改革プラン 数値目標などを担当者らに説明 安曇野で』 
2008.04.24 信濃毎日新聞  
  
長野県は4月二十三日、公立病院の経営改善を図るため、総務省が各自治体に対し、本年度内に作るよう求めている「公立病院改革プラン」についての説明会を、安曇野市の県安曇野庁舎で開いた 

=写真。病院を運営する市町村や一部事務組合の事務担当者ら約八十人が出席、計画に盛り込む数値目標などの説明を聞いた。 

 総務省は昨年十二月、医師不足などの影響で公立病院の経営が悪化していることを受け、経営改革に向けたガイドラインをまとめた。 

病院を運営する自治体には、三年以内に経営を効率化し、再編・統合や民間への譲渡など経営形態の見直しを五年程度で実現させるプランの策定を求めている。 

 長野県市町村課の担当者は「経常収支比率」、「職員給与費比率」、「病床利用率」の三指標について、病院ごとに数値目標を定めるよう義務付けられていると説明。 
公立病院は民間に比べ人件費が高い傾向にある―などと指摘した。 

 長野県によると、県内には県立が五、市町村や一部事務組合が運営する病院が二十の計二十五公立病院がある。県は今後、市町村からヒアリングを進め、プラン策定を支援していく考えだ。 


  

②福島県 08年度内に改革プラン/市立病院を1施設化/いわき市 
2008.04.14 建設新聞  
  
福島県いわき市は、総務省が公立病院の経営健全化に向けた指針に関するガイドラインをまとめたことを受けて、病院局経営企画室内に「市立病院改革プロジェクトチーム」を立ち上げた。 
今後、庁内の関係組織などの意見を聞きながら、2008年度内に市立2病院の将来像を踏まえた改革プランをまとめる予定だ。  

 同市には、総合磐城共立と常磐、好間の3市立病院があったが、好間は経営状況の悪化に伴い閉鎖。 
残る2病院も経営環境は厳しく、老朽化も進んでいることから、さらなる合理化に向けた検討が行われた。 

 その一環として、06年2月に「市立病院改革に係る基本方針」を決めたほか、その具体化に向けて07年2月に策定した「市病院事業中期経営計画」では、検討項目の一つとして、「1市1病院1施設」への移行を目指すとの方向性が示された。 

 これを受けて、両病院の幹部職員らでつくる経営会議が毎月会合を開き、同計画に基づいた取り組みを議論しているが、総務省がガイドラインをまとめたことから、新たな庁内組織としてプロジェクトチームを今月、設置した。中期経営計画をもとに、同ガイドラインに盛り込まれた経営合理化の手法などを勘案しながら、2病院の将来像を含む新たな改革プランをまとめることになった。 

 プランの検討に当たっては、経営会議など既存の庁内組織のほか、市民の要望を聞き取るための新たな委員会の設置なども視野に入れている模様だ。プロジェクトチームは、こうした機関の意見を踏まえて改革プランをまとめていく。 

 同プランの中で、施設の設置形態や、事業のスケジュールなどを詰めていく考えだ。 

 総合磐城共立病院(内郷御厨町久世原16)は、延べ5万6888m2。一方、常磐病院(常磐上湯長谷町上の台57)は延べ1万7221m2。ともに68年に建設された。 


③救急医療体制の公立病院へ 医師優先配置で一致 地域連携会議 
2008.05.01 中日新聞  
  
【愛知県】公立病院の機能分担や連携、医師派遣のあり方などを検討している県の「公立病院等地域医療連携のための有識者会議」は三十日、名古屋市内で第二回の会合を開いた。医師不足が叫ばれる中、地域の救急医療体制に組み込まれた公立病院には大学から優先的に勤務医を配置するシステムの確立が必要との認識で一致した。 

 総務省は本年度中に公立病院のある市町村に改革プランの策定を求めている。 

会議は名大など県内に医学部のある四大学病院長や県病院協会長、県医師会長らでつくり、プラン策定に当たって不可欠な地域医療のあり方を示すのが目的。 

 会議では、地域医療を守る観点からは救急医療が最大の課題で、中長期的な視点に立った体制の構築が必要と指摘。 

大学や医局の壁を越えた形で、優先順位の高い病院に医師を派遣するために大学間で協力する仕組みづくりが不可欠とした。(山本真嗣) 


④   公立病院改革ガイドライン 再編・統合で経営見直し 
熊本日日新聞2008年4月16日 
  
  
写真は4月1日に経営形態を見直した熊本県立こころの医療センター 
  
総務省の有識者懇談会が二〇〇七年十二月にまとめた「公立病院改革ガイドライン」に基づき、都道府県や市町村が病院の再編・ネットワーク化に向けた計画策定に動き出した。 
改革ガイドラインは、地方公共団体に対し、〇八年度中に改革プランを作成。三年以内に経営効率化を図る一方、五年程度をかけて再編・ネットワーク化や経営形態の見直しを迫っている。 

■“北高南低” 

 「改革の基本方針は、有識者懇談会がまとめたガイドラインにすべて盛り込まれています。 

後は着実に実行するだけです」。 

総務省地域企業経営企画室の濱田省治室長は淡々と話す。 
濱田室長は“医療過疎地”の島根県での勤務経験もあり、「地域医療の実態も分かっているつもりです」 

 総務省の調べでは、ガイドライン策定後、北海道、青森、大阪、岡山などが改革プランの策定に着手している。 
このうち医療不足が深刻な北海道は、既に各エリア別のプランを描き始めたという。 

一月に橋下徹弁護士が知事に就いた大阪府は三月、「公立病院等のあり方懇談会」を設置。 
今後、二回程度懇談会を開き、十月をめどに府内の府立以外の二十二公立病院、計七千七百四十七床の再編・統合計画をまとめる。 

 二十二病院の〇六年度決算は経常損失(赤字)が総額百四十八億円。 
大半の病院が赤字経営で、改革は待ったなしの状態。大阪府は〇六年四月、地方独立行政法人大阪府立病院機構を全国で初めて設立。 
五つの府立病院を一体運営し黒字化した。 

 「自治体病院改革は、総じて北海道や東北といった北の自治体ほど熱心。医学部を持つ大学が少なく、西日本に比べると医師不足の程度がひどい。 
その分、真剣にならざるを得ないのでしょう」。改革への意欲が、濱田室長の目には“北高南低”に映る。 

■福岡の“荒療治” 

 九州では福岡県が〇五年四月から〇七年四月にかけて、五つの県立病院の経営形態を見直し、直接経営をなくした。朝倉病院(朝倉市)と遠賀病院(岡垣町)はそれぞれ地元医師会に譲渡。柳川病院(柳川市)は財団法人医療・介護・教育研究財団に、嘉穂病院(穂波町)は福岡県済生会に移譲。法律で設置が義務付けられている精神医療センター太宰府病院(太宰府市)も、財団法人医療・介護・教育研究財団に経営を任せ公設民営化した。 

 病院の経営効率化を進める際は、まず地方公営企業法の一部適用を全部適用(全適)に移し、病院事業管理者に予算編成権と人事権を与える方法が一般的。この全適を飛び越し、一気に譲渡や公設民営化に進むのは“荒療治”といえる。県立をなくしても、大学病院が四つもある福岡だから踏み込めたとの見方は強い。 

 総務省の調べでは〇七年三月末現在、県立を含め自治体病院数は福岡二十、佐賀十、長崎二十四、熊本二十、大分六、宮崎二十、鹿児島十六。このうち「全適」病院は長崎七、福岡、鹿児島各六、宮崎四、大分二、佐賀と熊本はゼロ。熊本は今年四月現在、「全適」病院が二になったが、誇れる数字ではない。 

 「総務省が言うように病院の存廃を経営効率だけで判断するなら、地域医療は成り立たない」。熊本県の東明正・健康福祉部次長(元熊本大小児科准教授)は指摘する。確かに正論だが、一方では再編・統合しないと医師確保もままならない実態がある。