氷見市民病院最新情報・・金沢大学は金沢医大に協力的!

氷見市民病院最新情報・・金沢大学は金沢医大に協力的! 
国立大学法人は指定管理者になれないため、金大が手を挙げることはできないが、その分、当初から金沢医科大による公設民営化に協力的な態度を示してきた。「市民病院は地域医療の砦(とりで)と言うべき存在だ。こんなときこそ、市民に安心感を与えなければならない」(関係者)として、七人の派遣医師を引き揚げる予定はない。 
 氷見市民病院に七人の医師を送っている金大は今回の騒ぎをどう見ているのか。金大附属病院の富田勝郎病院長は「口を挟むつもりはないが、富大の一部に事情がよく飲み込めていない人がいるのではないか」と辛口だ。院内からも「富大は狭量である」との声が聞こえてくる 


月曜特番 〔氷見市民病院公設民営化 産みの苦しみ味わう〕 中核病院へ主導権争い 金沢医科大 富山県西部の患者確保狙う 医療広域化、先駆けて 「本院弱体化」懸念の声 

2008.01.14 北国新聞   
 氷見市民病院の指定管理者に手を挙げた金沢医科大は、がんセンターや心臓疾患を手がけるハートセンター、高齢者専門の窓口設置など地域医療の中核を担う病院像を打ち出している。経営難の自治体病院の立て直しに大学が取り組むのは全国で初めての試みであり、課題も多い。 

 同大が運営に乗り出した背景には、患者数が頭打ちとなっている金沢医科大病院の現状を受け、富山県西部に新たな拠点を設け、新規患者を確保する狙いがあるとされる。

 金沢医科大病院は「金沢」の名を冠するものの、実際には金沢市民の利用は全体の三割程度にとどまっているという。河北郡市を含む能登地域が約半数、富山県の患者が約二割を占めており、能登の過疎化が進むにつれ、患者数の減少に悩まされている状況だ。 

 氷見市は能登に接しており、富山県西部の患者のほか羽咋市周辺や能越自動車道開通後は七尾、輪島市周辺からの利用も見込めよう。もっとも、小田島粛夫理事長は経営戦略上の理由よりも地域医療を守るとの使命感を強調する。 

 「応急処置かも知れないが、金大、富大と力を合わせ、氷見地域から医療の灯を消してはならないとの思いで手を挙げた」 

 氷見には必要最低限の設備、医師を確保し、より専門的な治療は金大や金沢医科大病院などで受け入れるシステムを構築することが医療費節減にもつながる、と説く。「米国や首都圏では既に一般的な、医療の広域化を地方で先駆けて行いたい」。 

 小田島氏ら経営トップの思いとは別に、学内には氷見進出に慎重な意見がいまだ根強いとされる。大量の医師や職員が派遣されることについて「本院(金沢医科大病院)の弱体化を招き、本末転倒になる」と指摘する向きさえある。氷見市民病院では、医師三十二人のうち十六人の残留がほぼ決まったが、富大出身の内科系医師の引き揚げが濃厚である。医師の不足分は金沢医科大が補う方向だ。 

 富大との関係改善について幹部の一人は「富大が提示した『医師の公務員身分の維持』『現体制での二年程度の移行期間』の条件を飲むことは難しい」としており、議論は平行線のままだ。 

●金大 「富大はわらびしい」 派遣の医師引き揚げず 騒ぎには「口を挟む気ない」

 氷見市民病院に七人の医師を送っている金大は今回の騒ぎをどう見ているのか。金大附属病院の富田勝郎病院長は「口を挟むつもりはないが、富大の一部に事情がよく飲み込めていない人がいるのではないか」と辛口だ。院内からも「富大はわらびしい(狭量である)」との声が聞こえてくる。 

 国立大学法人は指定管理者になれないため、金大が手を挙げることはできないが、その分、当初から金沢医科大による公設民営化に協力的な態度を示してきた。「市民病院は地域医療の砦(とりで)と言うべき存在だ。こんなときこそ、市民に安心感を与えなければならない」(関係者)として、七人の派遣医師を引き揚げる予定はない。 

 それならば、富田病院長がもっと存在感を示し、仕切り役を務めることはできないのか。これには「行司役はしているつもりだが…。よその家のけんかに首を突っ込む気はない」とつれないのである。 

 富大の一部に「なんで富山県内の病院で、金沢の大学がでかい顔をするんや」という意識があるのではないか。こうした指摘については「それはあるかもしれない。しかし給料は金沢医科大から出る。それがすべて」との答えが返ってきた。 

 院内から「富大はわらびしい」との声が出るのも、プライドが先に立ち、金沢医科大が経営に乗り出した意義が通じていないのではないかと受け取られても仕方のない態度を取る富大への不満がくすぶるからだ。 

 富田病院長は「われわれは、石川だけが良ければいいとは考えていない。北陸の医療全体を向上させるのが金大の役割」と繰り返した。「誰のための病院か」を考えれば、三大学が取るべき道はおのずと見えてくる、と言うのだが 
  


月曜特番 〔氷見市民病院公設民営化〕 指定管理者めぐりズレ 富大、3大学準備会を離脱 名称や移行期間、要望認められず 
2008.01.14北国新聞   
 氷見市民病院の公設民営化が産みの苦しみを味わっている。金沢医科大に運営を委託する方向で動きだしてはいるものの、地域中核病院の運営をめぐる大学間の主導権争いに巻き込まれる格好で、肝心の富大の協力が得られない可能性が出てきたからだ。どこに問題があり、どうすれば解決できるのか、関係者の話を聞いた。 

 昨年十二月、富大附属病院の小林正院長は、富大と金沢医科大、金大で氷見市民病院への医師派遣などを協議する三大学協議会設立準備会からの離脱を表明した。「金沢医科大学氷見市民病院」への名称変更の取りやめと、現体制での一、二年間の移行期間を要望したものの、認められなかったのが理由と説明した。 

 小林氏の準備会離脱表明について、関係者の間では「指定管理者に金沢医科大がなることが、小林氏の想定外だったため」と指摘する向きが多い。指定管理者を全国公募するにあたり、氷見市側は金沢医科大や地域医療振興協会(東京)に応募を打診し、当初、院内では地域医療振興協会が有力視されていた。 

 地域医療振興協会は、加賀市の山中温泉医療センターを含む全国三十三の病院、老人保健施設などを運営している。地元大学との連携を重視し、大学の系列もないことから、氷見市民病院の三十二人の医師のうち二十人を派遣する富大も協力しやすいとの見方がもっぱらだった。 

 ところが、地域医療振興協会は金沢医科大との競合を避けて応募を辞退したため、市側と富大側の思いに微妙なズレが生じた。富大出身である市民病院の加藤弘巳院長は十月の指定管理者選定委員会に、指定管理者の選定を数カ月延期するよう要請文を提出したが「金沢医科大だけとはいえ、正式に応募があった以上、延期はできない」(選定委員の一人)と退けられた。 

 小林氏の離脱表明に関して、市民病院幹部は「指定管理者が想定と違っていたのに、市から医師らへの説明が十分でなかったことも影響している」と指摘する。ただ、富大附属病院の関係者からは「小林院長の会見が病院の総意と思われては困る」との連絡が市側に入るなど、富大にも医師派遣に協力的な声もある。 

 金沢医科大は、富大出身の医師が医科大職員となっても、講義などは担当させずに医療に専念できる医療職の身分を守り、富大の医局に所属することも変わらないとしている。金沢医科大によると、十二月末時点で十六人の医師が残留の見込みで、不足分は医科大が補充する考えだ。 

 堂故茂市長は「一部の医師に(地域医療振興協会への)思い入れがあった。学閥の問題ではなく、金沢医科大も三大学の協力で病院を運営したいと考えている。富大には引き続き丁寧に説明していきたい」と話している。 

月曜特番 〔氷見市民病院〕 医師不足で赤字拡大 高い人件費も重荷 
2008.01.14 北国新聞  
 1961(昭和三十六)年に設立された氷見市民病院は、これまで二度の五カ年計画を立て、経営健全化に取り組んできた。このうち、二度目の計画では03、04年度の医業収入がそれぞれ約五十六億六千万円と、02年度より約一億八千万円の増収を実現した。しかし、04年度の新臨床研修制度導入で05年度後半から大学による医師の引き揚げが始まり、看護師の大量退職も重なって一部の診療科が休診となり患者数が減少、経営が急激に悪化した。 

 市によると、05年度の医業収入は五十五億二千万円、06年度は五十二億六千万円と減少に歯止めがかからず、07年度は四十六億四千万円を見込む。04年度で二十八億四千万円だった累積赤字は、07年度には三十六億八千万円に膨らむ見通しだ。 

 現在の常勤医は二十診療科、三十二人(一人病欠)で、05年に比べて六人少ない。07年度には脳神経外科が二人から一人となり「緊急手術に対応できず、二億円以上の収入減になった」(病院事務局)という。 

 厳しい病院経営について、市は、医師を除く看護師ら職員の約48%が年収七百万円以上と、他の公立病院より人件費が高い水準にある点も重荷と説明する。市の新年度予算編成では十七億六千万円の財源不足が見込まれており、市幹部は「市本体が病院を支えきれなくなっている」と指摘する。 

 こうした中、市は病院経営の専門家や有識者からなる「市民病院経営改革委員会」を設置。同委員会の答申を受けた堂故市長は昨年七月、「このままでは病院の存続、職員の雇用確保も危なくなる」として、公設民営化の方針を打ち出した。 

 昨年十一月、市は金沢医科大と指定管理期間を二十年とする基本協定を締結し、市民病院は今年四月から「金沢医科大学氷見市民病院」として再スタートを切る。市によると、学校法人による自治体病院の経営は、一昨年に川崎市立多摩病院の指定管理者になった聖マリアンナ医科大に次いで全国二例目となる。 

 市は2010年に新病院の開設を目指しているが、建設費約六十億円の半額は金沢医科大が負担することになる。堂故市長は「民営化によって財政の厳しい氷見市も新病院を建設することが可能になった」としている。