迷走を繰り返す 九十九里地域医療センター構想!  意見の異なる団体の利害調整は協議会方式では不可。 ガイドラインを良く読んでいただいて 意思決定機関を 既存病院の医師・看護師が過半数占める独立行政法人に全て任せるのが唯一の方策。一部事務組合は改組が必要



迷走を繰り返す 九十九里地域医療センター構想! 
 意見の異なる団体の利害調整は協議会方式では不可。 ガイドラインを良く読んでいただいて 意思決定機関を 既存病院の医師・看護師が過半数占める独立行政法人に全て任せるのが唯一の方策。一部事務組合は改組が必要』 


[焦点]九十九里医療センター頓挫 経営権限、住民不在の対立=千葉 
2008.04.01読売新聞   
  
医師不足と住民高齢化が指摘される山武郡市で、広域行政組合(6市町、管理者=志賀直温・東金市長)が進めていた東金市への「九十九里地域医療センター(仮称)」設置計画が撤回され、自治体間の対立が顕著になるなど波紋を広げている。住民の悲願である計画がなぜ頓挫したのか背景を探る。(羽田和政) 

 計画は、県立東金病院を廃止し、24時間救急対応の中央病院(一般350床、救急50床)を東金市丘山台に建設、国保成東病院(山武市、一般150床)と国保大網病院(大網白里町、一般100床)を支援病院として機能させる内容。 

 山武地域には24時間救急対応の総合病院がない。住民は遠方病院を利用せざるを得ず、救急患者の“たらい回し”も後を絶たない。家族の付き添いで成東病院に通う山武市の女性(69)は「私たちは車でどこの病院にも行ける人とは違う。近くに総合病院がなくては困る」と訴える。 

 ところが、2月の首長会議で、千葉大病院から派遣されるセンター長の権限を巡り意見が対立。志賀・東金市長が「医師の安定確保のため大きな権限を」と主張したのに対し、成東病院死守を公約とする椎名千収・山武市長は「権限集約は成東病院の病床減につながる」と反対した。 

 他の自治体のうち、大網白里町と九十九里町はおおむね東金市と同じ立場だが、成東病院の利用者も多い芝山町、横芝光町は計画には賛成しながらも、成東病院の縮小には懸念を示す。 

 椎名市長は「東金病院の機能を成東病院が引き継ぐ計画が、建て替え問題にすり替えられた」と憤る。成東病院の坂本昭雄院長も「医師確保の観点から無理な計画」と、基本計画策定委初代座長の秋葉哲生・あきば病院長(山武市)も「計画は県立病院の建て替えを地方に押しつけるもの」と不信感をあらわにする。 

 しかし、組合側は「成東病院管理者だった椎名氏(当時は旧成東町長)と坂本院長は02年、県に対し3病院の再編統合計画を提案している。計画はそれに沿ったもの」と反論、「センター病院の立地は有料道路のインターが近い東金が望ましい」と主張する。 

 計画撤回以降、成東病院組合からの運転資金補てん要請に、組合の一員である東金や九十九里が応じないなど山武の孤立が目立つ。椎名市長は「他が金を出さないなら独自に病院を守る」とするが、累積赤字45億円ともいわれるだけに先行きは不透明だ。 

 大網白里町、九十九里町との1市2町による新たな枠組みでのセンター構想を県に要請している志賀市長は「計画は政治家ではなく住民のもの。救急病院開院は地域の悲願だ」と計画推進を改めて掲げる。県は支援を約束したが再度の失敗は許されない。関係者には住民の声を謙虚に聞く姿勢が求められる。