大分県立三重病院と, 公立おがた総合病院の統合は話し合いが始まったが、早急に結論を出す必要があるなら, まず県と公立病院の組合, 経営から2病院一体経営の独立行政法人化への変更が最優先である。


『大分県立三重病院と, 公立おがた総合病院の統合は話し合いが始まったが、早急に結論を出す必要があるなら, まず県と公立病院の組合, 経営から2病院一体経営の独立行政法人化への変更が最優先である。 2病院の院長を中心として組織される, 法人理事会が全てを決定するシステムでなければ空中分解の可能性が高い。県と市町村の調整は困難。理事長のみを県と組合が決定するようにしなければ, 総論賛成各論反対でまとまらない。 
また委員会の委員構成は, 地元利害関係者は排除しなければならない。なお 改革プラン 数値目標は足並みを揃えて前倒しで策定されなければならないのも当然であろう・・・統合したらではなく, 統合前に数値目標達成が前提である。果たして大分県に出来るか?である』 



 県立三重病院=豊後大野市三重町宮野で 





 公立おがた総合病院=豊後大野市緒方町馬場で

(揺らぐ 地域医療)苦しい経営、「統合」の呼び水 大分県立三重病院 /大分県 
2008.03.16朝日新聞   
  
今年1月に統合問題が持ち上がった大分県立三重病院(豊後大野市三重町)の財務状況を調べたところ、06年度の単年度赤字だけで約6300万円にのぼることが、朝日新聞の情報公開請求に対して県が開示した同病院の決算書から分かった。 

医師不足などを背景に、経営状況の悪化は一段と進んでおり、累積赤字は約5億円に上るとされる。同病院は、県からの借金で赤字を補填(ほてん)しながら帳尻を合わす経営が続いており、この苦しい台所事情は統合問題の行方にも影響を与えそうだ。(伊藤宏樹、小田健司) 


 三重病院は、57年に県が設けた結核療養所が前身で、83年10月から一般病院になった。165床あり、救急患者も受け入れている。現在、15人の常勤医師がいるが、整形外科や神経内科には欠員がある。2月には、2人いた常勤小児科医のうち、1人が退職し、近くで開業した。 

 三重病院の06年度の決算書によると、入院や外来など、本業の収入にあたる「医業収益」は、前年度より8・7%減の約19億円。この収入総額から、経常経費の人件費や材料費などを差し引いたところ、約1億6千万円の欠損金があることが分かった。 

 一方、施設の建て替えや医療機器を更新する際の費用などに充てる積立金の「減価償却費」と「資産減耗費」の総額が1億77万円にのぼる。そのため、欠損金から減価償却費などの積立金を控除した残額の6311万円が、同年度に発生した赤字額となる。さらに、収入に対する人件費の割合が65%を超え、経営を圧迫していることが数字からもうかがえる。 

 関係者によると、三重病院は、一般病院になった83年度に建物を全面改築し、巨額の施設整備費を賄って以来、苦しい経営が続いているといい、06年度までの累積の赤字額は約5億円に上るという。 

 三重病院では毎年、膨らみ続けている赤字を一時的に穴埋めして、運営資金に充てるため、県の一般会計から6億円前後を年度初めに借り入れ、年度末に返済する「自転車操業」を続けている。県のほか、06年度から経営が一本化された県立病院(大分市)からも、県への返済などに充てるため、資金を一時的に融通してもらうこともあるという。 

 三重病院では06年度、収入に直結する病床の利用率が77・4%にとどまり、2割以上のベッドが空いたままの状態だったほか、手術件数も前年度より25・5%減って339件にまで落ち込んだ。前年度は手術全体の7割以上を整形外科が占めていたが、2人いた医師のうち1人が退職したことが響いたという。 

 三重病院の葛城義隆・管理課長は「手術数が大幅に減ったのが減収に直結した。満足に患者を受け入れられず、今の医師数では病床利用率も上げられない」と話す。 

 自治体病院には、先進医療や救急医療などの不採算分野を担う役割があり、ある程度の赤字経営はやむを得ないとの見方もある。しかし、県病院局は08年度には、県立病院の経営状況を改善し、病院事業全体で単年度収支の黒字化を目指す「中期事業計画」を打ち出している。 

 ただし、三重病院の場合は、計画通りの収益を上げられるだけの医師も確保されていないのが実情だ。県病院局の仲野之茂(ゆきしげ)・総務経理課長も「医師不足に加え、三重病院の近くには民間の病院や診療所もあり、収益を上げにくい状況に拍車をかけている」と説明する。 


 ○「単独でも生き残り探る」 同じ医師不足の公立おがた 

 県が三重病院との統合を打診している相手の公立おがた総合病院も、医師不足の悩みは深刻だ。医師不足の打開策として両病院の統合話が持ち上がったが、決算書を比較してみると、赤字体質を抜け出せずにいる三重病院の実態がより際だつ。 

 おがた病院は39年、緒方村産業組合診療所として発足し、その後緒方町営の病院になった。05年の合併後は、豊後大野市が経営を引き継いだ。 

 06~07年に、常勤内科医が4人退職し、ゼロになった。だが、外来患者の約4分の1を占める内科を休診するわけにはいかず、外科が専門の院長が内科の診療に回っている。 

 06年度の決算書を見ると、「医業収益」は前年度より2・4%減って約21億2千万円で、欠損金は約1億円にのぼる。だが、病床利用率や医業収支比率、収益に対する人件費の割合といった経営の指標=表=は、どれも三重病院を上回っている。10億円近い現金預金もある。 

 おがた病院は04年、約50億円を投じて現在地に新築移転した。建設資金のうち、約38億円は病院が独自に借り入れた借金(企業債)で賄っており、残高はまだ35億円を超える。しかし、06年度は「減価償却費」として約3億円を積み立てており、欠損金を控除しても、約2億円が手元に残った。 

 4月からは、1年間の期限つきで県から2人の内科医の派遣が決まっている。後藤和幸事務長は「医師を確保するための時間をもらえた。地域医療の灯を消すわけにはいかないので、単独でも生き残る道を探りたい」と話している。 

    ◇ 

 豊後大野市内の二つの自治体病院に持ち上がった統合問題をきっかけに、地域医療をめぐる様々な問題や課題について取り上げる(「揺らぐ 地域医療」は随時、掲載します)。 


 ◆キーワード 

 <自治体が経営する豊後大野市内の2病院統合問題> 医師不足に悩む同市の「公立おがた総合病院」と、「県立三重病院」の統合を、県が今年1月、同市に申し入れた。市側は猛反発し、県に対して、双方が参加して協議する委員会の設置を提案した。委員会は2月に発足し、県や市の幹部、医療関係者ら16人の委員が定期的に協議している。市側に配慮し、県は統合を前提とはしないと表明している。 


 ■県立三重病院と公立おがた総合病院の経営比較 

                   県立三重   公立おがた総合 

 病床数                165床      148床 

 病床利用率             77.4%     98.2% 

 年間入院患者数(延べ)     4万6629人   5万3062人 

 年間外来患者数(延べ)     7万1263人  10万4741人 

 常勤医師数(08年3月)        15人       12人 

 平均在院日数(一般病床)      19.0日     21.9日 

 入院や外来の収益(医業収益) 19億441万円 21億2429万円 

 診療コストに対する収益の割合    90.3%     96.2% 

 (医業収支比率) 

 収益に対する人件費の割合      65.3%     56.3% 

 経常利益          ▼1億6389万円  ▼1億689万円 

 減価償却費            9090万円   3億950万円 

 資産減耗費             987万円      62万円 

 収支              ▼6311万円   2億323万円 

    * 

 06年度の決算資料から(常勤医師数を除く)金額は千円以下切り捨て、▼はマイナス