京都新聞 社説・・・ガイドライン適用を前に、給与カットや料金の引き上げに踏み切る自治体が出てきたので、再編が進みそうだと指摘。経営効率化に加え、地域に必要な医療とは何かという観点からも検討すべきとの見解。・・・

 

京都新聞 社説・・・ガイドライン 適用を前に、給与カットや料金の引き上げに踏み切る自治体が出てきたので、再編が進みそうだと指摘。経営効率化に加え、地域に必要な医療とは何かという観点からも検討すべきとの見解。・・・  


「元気のでる病院改革」 長隆が京都府京丹後市にて講演致します。 
 3月24日(月)18:30開始 20:00終了 
場 所 峰山総合福祉センター(京都府京丹後市峰山町杉谷)入場料 無料。 公開です 
 詳しくは、 医療改革推進政策監へ TEL(0772) 69 0360』 


社説 自治体財政 夕張の教訓生かしたい 08年3月10日 
2008.03.10京都新聞   

 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしたい。地方財政が逼迫(ひっぱく)する中、住民による自治体の財政監視が重要になりそうだ。 

 北海道夕張市は住民に実情が知らされないまま、財政破たんした。財政再建団体となって一年。約三百五十三億円の借金を十八年間で解消する計画は一歩進んだが、負担増で市民生活は一変した。財政危機にひんする「夕張予備軍」は全国に少なくない。夕張市の教訓を生かしたい。 

 石炭産業のまちだった夕張市は国のエネルギー政策転換に伴い、観光産業のまちへと脱皮を図った。第三セクターの観光施設への過大な投資を続け、負債は約六百三十二億円にまで膨らんだ。 

 それなのに、市は観光事業などの赤字を一時借入金で埋め、返済原資を翌年度の特別会計から回す不適切な処理で「赤字隠し」を続けた。融資した金融機関の貸し手責任は不問に付されたままだ。 

 議会の自浄作用も働かなかった。 

 北海道庁が市に認めたヤミ起債も借金を増やした。国が景気対策の一環として地方債発行の大幅緩和と償還時に地方交付税による補てんを約束したことも財政規律を踏み外させる要因となった。 

 これらの不作為によって、夕張市民は今、重い負担を強いられている。 

 この一年間に個人市民税などが増税となり、ごみ処理は有料化、バスの敬老パスの自己負担が引き上げられた。 

 「負担は全国最高、サービスは全国最低」の生活に耐えられず、この一年で多くの働き手がまちを離れた。人口流出で歳入が計画を下回り、さらなる負担増を招く悪循環も懸念される。 

 二〇〇八年度決算から適用される自治体財政健全化法は、夕張の反省から生まれた。四つの指標で財政悪化を早期に見抜くのが狙いだ。一つでも基準を超えると、財政健全化団体に移行し、悪化すれば破たん状態の再生団体になる。 

 指標の一つ、連結実質赤字比率は一般会計と病院など事業会計を含めた赤字割合を示す。「赤字隠し」は困難となる。 

 適用を前に、給与カットや公共料金の引き上げに踏み切る自治体も出てきた。経営難の公立病院については総務省の指針に基づき、再編が進みそうだ。経営効率化に加え、地域に必要な医療とは何かという観点からも検討してほしい。 

 財政の健全化度は行政サービスの格差として現れる。夕張市の教訓を踏まえ、自治体財政を住民がチェックする試みも各地で始まっている。受益と負担の関係を住民が考える機会ともなろう。 

 そのためにも、自治体が自ら考え、実行できる体制づくりが欠かせない。 

 政府の地方分権改革推進委員会は昨年十一月、中間報告をまとめた。国から地方への税財源移譲については明確に記されず、国の関与見直しには各省庁の抵抗も予想される。「地方の再生」を掲げる福田康夫首相の熱意が試されそうだ。