長野県の医師不足に対策はある・・ガイドラインの財政支援措置を良く研究して欲しい・・

『長野県の医師不足に対策はある・・ガイドラインの財政支援措置を良く研究して欲しい・・・国立病院機構に運営費を公立病院が助成する事は問題ない。労務の対価が寄付であるはずがない。労働者派遣法の改正(2007年12月14日)で広く普及されるであろう医師派遣コストの支払いが寄付になりえない。 
公的医療機関(国立病院機構も当然含まれる)の広域的な医師派遣の拠点としての機能は最も重要な役割であると 閣議決定に基ずくガイドラインに明確に示されている。』

地域医療をどうする(3)=出産・広がる不安(3) 対応に追われる市 行政支援、何をどこまで 
2008.01.09 信濃毎日新聞  
 「都内でも産科医が足りない現実を聞かされた」 

 昨年十二月十一日、国立病院機構長野病院(上田市)からの産科医引き揚げの撤回を求めるため、派遣元の昭和大(東京)を訪ねた母袋創一・上田市長(上田地域広域連合長)。一時間余の話し合いを終えると、疲れた表情で話した。「無力感を感じる」 

 産科医引き揚げ問題が浮上した十二月上旬以降、母袋市長は対応に追われた。同月二十六日に村井知事を、二十七日には信大病院(松本市)の勝山努院長らを訪ね、産科医確保へ協力を要請。「早いうちに、国にも要望したい」とする。 

 ただ、地域の「危機的状況」に理解は得られるものの、医師確保の展望が得られるわけではない。同月二十八日。仕事納めの記者会見で、市長は「『国立』なのに、なぜこんなことになるのか。一義的には国の責任ではないか」と、いら立ちをのぞかせた。 

   ■   ■ 

 「行政が大学の医局の状況を把握するのは難しく、直接医師を確保するのは困難だろう」。長野病院の進藤政臣院長は指摘する。 

 一方で、上田市民を中心とする地域住民の間には「市の取り組みが後手に回っている」(市内の女性団体役員)と、もどかしさが漂う。 

 長野病院と並び、地域の出産を担ってきた市産院をめぐる対応もその一因だ。二〇〇五年八月、医師不足を背景に信大医学部が二人の医師の引き揚げ方針を通告。市はいったん産院の廃止を検討する姿勢を示し、母親らの署名活動に押される形で存続に転じた。 

 ただ、信大が条件とした「長野病院と連携し、危険度の高い出産にも対応する」施設への転換は具体化しないまま、二年近くが経過。昨年末には信大から派遣されていた甲藤一男前院長が「体力面」を理由に辞任した。九日から非常勤医一人が週二日勤務することが決まったものの、出産の受け入れ制限が避けられなくなっている。 

 そこに重なった長野病院の産科医引き揚げ。「このままでは先細りだ」。多くの市民が先行きの不透明感を口にする。 

   ■   ■ 

 「大学の寄付講座を検討していただきたい」 

 昨年末、県庁を訪ねた母袋市長は、村井知事にこう持ち掛けた。 

 寄付講座は、自治体が地元大学などに寄付し、研究名目で医師を確保、地元の公立病院などで診療を行ってもらう試みだ。自治体から国立大学法人など国機関への寄付は原則、法律で禁じられている。だが現実には、医師不足の深刻化を受け、総務相が認める「特例」の形を取って長崎、宮城、石川県など全国に広がっている。 

 村井知事は「必要があれば検討したい」と慎重な姿勢を崩さなかったが、母袋市長は「県に問題提起した。リーダーシップを取ってほしい」と主張する。 

 信大病院の勝山院長は「行政の支援がなければ、今いる産科医を維持することさえ難しい」と言う。地域医療を支えるために何を、どこまですべきなのか。行政も新たなかかわり方を迫られている。 

 [上田市産院] 

 1952(昭和27)年開設。へその緒がつながったまま裸の胸に赤ちゃんを預けてくれる「カンガルーケア」などを行い、2000年8月、国連児童基金(ユニセフ)などから「赤ちゃんにやさしい病院」に認定された。出産件数は年間700件弱。07年末で院長が退職。9日以降は常勤医師1人に非常勤医師2人、助産師17人、看護師8人、准看護師5人となる。 

信濃毎日新聞社 
  
人物情報 
人物プロフィール、経歴情報など 
母袋創一勝山努 


地域医療をどうする(3)=出産・広がる不安(3) 対応に追われる市 行政支援、何をどこまで 
2008.01.09 信濃毎日新聞  
  

「都内でも産科医が足りない現実を聞かされた」 

 昨年十二月十一日、国立病院機構長野病院(上田市)からの産科医引き揚げの撤回を求めるため、派遣元の昭和大(東京)を訪ねた母袋創一・上田市長(上田地域広域連合長)。一時間余の話し合いを終えると、疲れた表情で話した。「無力感を感じる」 

 産科医引き揚げ問題が浮上した十二月上旬以降、母袋市長は対応に追われた。同月二十六日に村井知事を、二十七日には信大病院(松本市)の勝山努院長らを訪ね、産科医確保へ協力を要請。「早いうちに、国にも要望したい」とする。 

 ただ、地域の「危機的状況」に理解は得られるものの、医師確保の展望が得られるわけではない。同月二十八日。仕事納めの記者会見で、市長は「『国立』なのに、なぜこんなことになるのか。一義的には国の責任ではないか」と、いら立ちをのぞかせた。 

   ■   ■ 

 「行政が大学の医局の状況を把握するのは難しく、直接医師を確保するのは困難だろう」。長野病院の進藤政臣院長は指摘する。 

 一方で、上田市民を中心とする地域住民の間には「市の取り組みが後手に回っている」(市内の女性団体役員)と、もどかしさが漂う。 

 長野病院と並び、地域の出産を担ってきた市産院をめぐる対応もその一因だ。二〇〇五年八月、医師不足を背景に信大医学部が二人の医師の引き揚げ方針を通告。市はいったん産院の廃止を検討する姿勢を示し、母親らの署名活動に押される形で存続に転じた。 

 ただ、信大が条件とした「長野病院と連携し、危険度の高い出産にも対応する」施設への転換は具体化しないまま、二年近くが経過。昨年末には信大から派遣されていた甲藤一男前院長が「体力面」を理由に辞任した。九日から非常勤医一人が週二日勤務することが決まったものの、出産の受け入れ制限が避けられなくなっている。 

 そこに重なった長野病院の産科医引き揚げ。「このままでは先細りだ」。多くの市民が先行きの不透明感を口にする。 

   ■   ■ 

 「大学の寄付講座を検討していただきたい」 

 昨年末、県庁を訪ねた母袋市長は、村井知事にこう持ち掛けた。 

 寄付講座は、自治体が地元大学などに寄付し、研究名目で医師を確保、地元の公立病院などで診療を行ってもらう試みだ。自治体から国立大学法人など国機関への寄付は原則、法律で禁じられている。だが現実には、医師不足の深刻化を受け、総務相が認める「特例」の形を取って長崎、宮城、石川県など全国に広がっている。 

 村井知事は「必要があれば検討したい」と慎重な姿勢を崩さなかったが、母袋市長は「県に問題提起した。リーダーシップを取ってほしい」と主張する。 

 信大病院の勝山院長は「行政の支援がなければ、今いる産科医を維持することさえ難しい」と言う。地域医療を支えるために何を、どこまですべきなのか。行政も新たなかかわり方を迫られている。 

 [上田市産院] 

 1952(昭和27)年開設。へその緒がつながったまま裸の胸に赤ちゃんを預けてくれる「カンガルーケア」などを行い、2000年8月、国連児童基金(ユニセフ)などから「赤ちゃんにやさしい病院」に認定された。出産件数は年間700件弱。07年末で院長が退職。9日以降は常勤医師1人に非常勤医師2人、助産師17人、看護師8人、准看護師5人となる。