神戸市立中央市民病院PFIは計画進行中であるが, 近江八幡医療センターPFIの財政破綻に追随する危険性がある・・・


神戸市立中央市民病院PFIは計画進行中であるが, 近江八幡医療センターPFIの財政破綻に追随する危険性がある・・・神戸市立中央市民病院PFI改築委員会の主要委員は「私自身は今でも、その可能性について不安を持っています。)それは、PFIという発想が、欧米の契約思想を背景にして生まれたものであり、事前にあまり詳細な契約を行わないで、ある種の信頼関係でことを運ぶ社会である。日本で導入するには、余程この「契約」内容を詰めないと難しいと判断していたからです。(今もそう考えています。)」とコメントしている  ・・・・神戸市は ガイドラインをよく読んで原点に返って見直す必要がある』 


( 神戸市立中央市民病院ホームページより ) 
 資料提供(平成19年8月14日) 
保健福祉局病院経営管理部新中央市民病院整備室 澤田、小西 
TEL:078-322-6244 内線3421 
E-mail: shinbyoin@office.city.kobe.jp 
神戸市立中央市民病院整備運営事業にかかる 
落札者の決定について 
神戸市は、神戸市立中央市民病院整備運営事業について、「民間資金等の活用による公共 
施設等の整備等の促進に関する法律」(平成11 年法律第117 号 以下「PFI 法」という。) 
に基づく整備運営を行うこととし、平成18年11月15日に入札公告を行いました。
事業者の選定にあたっては、専門的見地から中立的かつ客観的に提案内容を評価するため、 
神戸市立中央市民病院整備運営事業審査委員会(以下「審査委員会」という。)を設置し、 
審査を行いました。 
このたび、審査委員会から選定結果の答申(審査講評)を受け、落札者を決定しましたの 
でお知らせします。 
1.落札者 
(応募グループ名):神戸製鋼・伊藤忠商事グループ 
(代表法人):株式会社 神戸製鋼所 
(構成員):伊藤忠商事株式会社、株式会社 日建設計 
※ 入札参加者:神戸製鋼・伊藤忠商事グループ(1グループ) 
2.落札価格 
102,378,150,000円(消費税等を含む)《予定価格:102,380,000,000円》 
※ 上記価格は、開院前の施設整備費等と開院後の維持管理運営費(30 年間)を合わせ
た総額 
3.財政支出の削減効果 
落札者の提案に基づき,本事業を実施する場合の市の財政支出について,市が直接実 
施する場合の財政支出と比較したところ,事業期間全体で約8%の削減が期待できます。 
①従来方式における市の財政支出 59,330百万円 
②PFI方式における市の財政支出 54,565百万円 
③PFI方式の導入による市の財政支出の削減効果(①-②) 4,765百万円 
※①は,特定事業選定時における条件,②は落札者の提案内容を踏まえて算出しまし 
た。なお,金額はいずれも,現在価値に換算したものです。 
4.公告 
(1)日時 平成19年8月15日(水) 
(2)方法 本庁および各区掲示場にて掲示し、後日、神戸市公報に掲載 
5.その他 
落札者決定に関する詳細については別添「神戸市立中央市民病院整備運営事業の事業 
者決定について」をご覧ください。 
また、上記別添資料については、ホームページに審査委員会から選定結果の答申(審 
査講評)とあわせて掲載します。 
〔(掲載日)平成19 年8 月15 日(水) (URL):http://www.city.kobe.jp/shinbyoin/ 〕 
(参考)落札者提案の施設概要 
1 病院施設等の概要 
(1)建築面積 21,266.36 ㎡ 
(2)構造規模 鉄骨造(免震構造) 地下1階 地上9階 塔屋1階 
(3)施設面積 病院施設 63,927.15 ㎡ 
院内保育所 757.09 ㎡ 
駐車場等 18,118.54 ㎡ 
計 82,802.78 ㎡  



(批判の意見) 

(兵庫保険医新聞2006年4月25日付)  
神戸市パブコメに意見提出 
新中央市民病院基本計画についての意見 
2006年3月30日 兵庫県保険医協会政策部・神戸支部 
  神戸市は、ポーアイⅡ期地に移転新設をもくろんでいる「新中央市民病院基本計画」について、去る3月31日まで市民に対し意見公募を行った。保険医協会神戸支部と政策部は下記の意見書を提出し、再度、反対の意見を表明した。 

 兵庫県保険医協会は、これまでも神戸中央市民病院の新築移設が、市民病院の性格を転換する極めて重大な内容をはらんでいることを指摘してきたが、今回神戸市が前回のパブリックコメントに寄せられた多くの市民と医師の声を無視して新築移転計画をごり押ししていることに強く抗議する。その上で今回出された基本計画にも、主に5点の問題点を指摘して、あらためて反対の意を表明するものである。 
第一に、高度医療センターを設置して移植や再生医療を新市民病院の大きな目玉にしようとしているが、市民病院の本来の役割は、「救急時の万全の対応」や「質の高い第三次医療」を含む「後方専門総合病院」として、安全性と有効性が確立した「総合的な高度(先進)医療」を行うことである。先端医療センターで行う安全性と有効性の不明確な「先端的」「治験的」「研究的」医療は、市民病院の本来の役割とは相いれないものである。 
 第二に、新築移転の口実としている「老朽化」にまったく根拠がなく、市税の無駄づかいであることである。中央市民病院は建築から24年しかたっておらず、震災後の「構造体調査報告書」でも、「問題ない」との報告が出されており、2000年~2003年にかけては、総額約20億円近くをかけた保全が実施されたばかりで、「老朽化」が「診療行為そのものに支障をきたす」ほど、差し迫った課題になっているとは考えられない。日本一の借金自治体である神戸市が、新たに400億円もかけた「優先課題」として移転を急ぐ合理性はなく、専門家からは、現地補修費は構想が示した額の半分で可能との試算まで出されている。 
 しかも今回は用地取得費110億円がはじめて計上され、費用は当初案よりも5割増となっている。当初の計画では用地代を計上せずに、建替案と移転案を比較して「同程度の費用」と説明してきた。これは市民を欺くものである。 
第三に、移転先の問題である。市民病院は、何はおいても市民が利用しやすい場所にあるべきである。ただでさえその利便性が問題にされ、震災時には交通アクセスの遮断によって、高度医療どころか「市民のための病院」としての機能すら果たさなかった中央市民病院を、さらに市街地から遠ざける理由はない。計画では「断らない救急」などをうたい文句にしているが、それ以前の問題として、救急時には移転による1・3キロの差が生死の分かれ目となる可能性も指摘されており、救急機能の低下は明らかである。
 第四に、病床数の削減である。計画では、現在の中央市民病院の病床数912床を640床に削減するとしている。しかもそのうち300床は先端医療など特殊な医療に当てることなどが取り沙汰されており、そうなれば一般病床は移転前の3分の1、わずか300床に激減する。これでは救急や高度医療など様々な対応が求められる市民病院が、十分な役割を果たせないことは明らかである。神戸市は予定している病床利用の内訳を市民に示すべきである。なお計画には「災害用に300床を増やせる」とあるが、市民向けの病床を削る言い訳に過ぎない。立地条件からは予想される南海大地震などの災害時に役立つかどうか全く未知数である。 
 第五に、新病院の建築・運営形態の問題である。計画は建築資金や運営を民間事業者に委託するPFI方式(BTO方式)の採用を提案し、これにより8%の財政負担の軽減効果があるとしている。しかし、自治体病院へのPFI方式導入がふさわしいのかどうかは、全く未知数である。不採算医療の提供を大きな任務とする市民病院に、このような経営手法を取り入れ、独立採算を追求するのは、市民に必要な医療が十分に提供できなくなる可能性をもつ、極めて危険な提起である。 
 中央市民病院の移転という、市民にとって重大な影響を及ぼすこのような計画が、十分な情報提供や議論がないまま進められようとしている。今回の意見公募も、移転の是非や市民病院のあり方を問うものでなく、計画を提示するだけという極めて一方的・一面的な情報提供をもとに行われている。しかも意見公募の実施自体、ほとんど市民に知らされないまま進められている。 
 神戸市は市民の声を十分に聞き、真に市民に必要な中央市民病院のあり方を再検討するべきである。